☝ 主郭
☝ 曲輪2
☝ 堀切 1
☝ 掘切 2
☝ 堀切 3
☝ 主郭土塁
☝ 窪みと溝
☝ 主郭土塁
☝ 主郭の中でも護りの堅固な中心部分
☝ 主郭から70Mの所にある削平地
☝ 主郭から95Mの所にある土塁
城名 |
剣ヶ峰城 |
読み |
けんがみねじょう |
住所 |
津市美杉町川上/奥津/上多気 |
築城年 |
不明 |
築城者 |
不明 |
形式 |
山城 |
遺構 |
曲輪、土塁、堀切 |
標高 723m 比高 460m |
経緯 |
近世に描かれた『多気城下絵図』では、「剣ヶ峯城」「天峯矢蔵」「大峯城」「天峯城」などと呼ばれ広く知られていた。 |
伊勢国司紀略に「大和口の見付け城の跡、剣が峰の上にあり。御所の南方なり。」という記述がある。 |
近代になって、その存在が忘れ去られてしまい、ながらく不明城館として扱われてきた。 |
平成6、7年度に皇学館大学考古学研究会が再発見し測量を行った。 |
平成11年5月には伊賀中世城館調査会によって測量図が発表された。 |
同年秋に伊勢中世城館研究会によってさらなる調査が行われた。 |
書籍 |
伊勢の中世城館第13号 |
環境 |
奥津の消防署との比高は460mとなる。 |
霧山城の南方に位置しその距離は2.8㎞で見通しは効く。また、川上城はさらに南方3.2㎞のところにあり同じく視界は効く。 |
霧山城と川上城の見通しは山に遮られ効かない。 |
現地 |
細長い尾根にある主郭の南西に虎口がある。土塁とエプロン状の平地から柵を設ければ馬出となる形状を整えている。 |
主郭を4方向の尾根が取巻いてその内3方向には堀切が備わる。どれもいまだに残り方が良好である。 |
その一つ北西側尾根からの守りをするのであろうか、主郭に土塁が設けられている。岩盤の露頭がそのまま利用されている。 |
土塁に接する位置で曲輪を横断するように溝があり、溝の先には丸い形の窪みがかすかに見られる。何を目的としたのか興味深い。 |
主郭の北側には見張台と思われる高まりがあり、その外側には剣ヶ峰城最大の堀切がある。北側がこの城の背後なのであろうか。 |
『伊勢の中世城館第13号』では、「南東の尾根には遺構がないことを確認」としているが、主郭から70mの所に削平地が95mの所に低い土塁を確認した。この尾根は唯一堀切が設けられていない尾根でもある。また、杉峠(番所)へのルートであり、何らかの関係が想像される。 |
考察 |
城の西、北、東には重要な街道がある。また、南側には杉峠があり、中世には番所があったとされており、東西南北を見張り、かつ川上城への連絡ルートとしても機能していたのではないだろうか。 |
感想 |
この城は重要な位置にあることがよくわかるが如何せん、比高がありすぎて城に勤めた武士たちの苦労が伺われる。 |
奥深い山城につき単独での訪城は避けた方がよい。できれば山城経験者の引率による訪城が望まれる。 |
余談 |
津市の遺跡地図が示す剣ヶ峰城は東にずれているので注意がいる。 |
地図 |
この日は訪城日和であった。
辛い山行を紅葉が癒してくれて、メンバー全員堪能した。
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