想いをかたちに

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松本の明日へ向かって・・・

2011-04-03 | 信州まつもと


皆さん、こんにちは。

先週、デザインキャンプ松本のパネルディスカッションがありました。



パネラーは、

東京理科大学・小布施町まちづくり研究所の川向正人教授、

建築家の柳澤孝彦氏、

そして松本の有名人、商工会議所前副会頭の池田六之助氏。

コーディネーターは、松本デザイン交流会議会長の深沢賢一郎氏でした。



テーマは、松本の明日へ向かって・・・

今この町をどうデザインするか


まず、川向教授から

まちづくり、デザインとは、どのようにでも世界を変革する手段である。

という話しがありました。



まちづくりは、グランドデザイン(都市計画)と

プロダクトデザイン(工業製品デザイン)の中間。

まちづくりは、誰かが上から外からデザインするのではなく、

中から自分たちから、本当に必要なものを見つけてつくっていく、

1人ではなく、みんなで力を合わせ、

その動きを行政にバックアップしてもらう。

自分のものだけで考えず、まちにとってもどうかをまず考える。

お金をかけず、とりあえず試してみる。

次の時代が来れば手を加えて対応していく。

ここにしかないものを大事にしながら。



池田さんからは、ご自身が松本の中心市街地で

経験してきたことを、振り返りながら。

外から言われ、道路を広くするため、

まちづくりだと思って作ったものは、借金コンクリートだった。

今までつくってきた文化など、

市民の人達が積み上げてきた歴史は、無視された。

そこに住んでいる人達もデザインしないといけない。

これがいいから。と外からただ持って来てもダメ。

そこにある歴史文化を踏まえつくっていくことが大事。



私も、松本の駅前周辺は、今になる再開発に際し、

蔵が70戸程つぶされたとニュースで聞き、

ショックを受けたことを覚えています。

その当時シンポジュウムで流されたVTRのコメント、

「東京の表参道のようなまちをめざした。」

表参道を支えているのはその裏の通り、ショップなのに。

表面的なところだけをみて、まねしてしまったように思え、

非常に残念で、当時、まだ院生だった私も

「ただどっかから持ってきた箱庭のようなまちづくりは違う。」

と意見したのを、覚えています。



柳澤さんからは、建築家の観点から。

スケール、寸法のミスマッチは、絶対、統一の街並みが生まれない。

また、イタリアのヴェニスを例にした話しがありました。

(私が1人で2ヶ月ヨーロッパを歩いたとき、

まちとして、一番衝撃を受けたのは、そのヴェニス(ヴェネツィア)でした。)



ヴェニスには都市計画がない。

市民それぞれがつくっている。

その精神性から連帯感が生まれ、きれいなまちをつくっている。

松本の連帯感とは一体何か?



また、修景計画で全国的に有名な小布施を例に、

まちの大きさについて話しがありました。

私は、小布施と松本は、まず町の大きさが違う。

と思っていました。

都市として大きい松本でのまちづくりは、

なかなかうまくいかないと。



小布施の修景計画は、3haという決して大きくない街区で、

その計画からはじまり、現在までつながり広がっている。

とのことでした。



大きければ、小さくすればいい。

都市、まちが大きければ、小さく適当に分ければいい。

そのコミュニティーで考えればいい。

実例として東京でも日本橋の人形町界隈などある。

向こう三軒両隣が広がっていく感じで、

それぞれとのちょっとした関係からまちに広がっている。

松本にも確かにそれがあると思う。

町内からはじめればいい。

まちづくりを実践するのは、市民、町内。

自分たちで、癒しの場所を少しずつ増やしていく。

なにが自分にとってを考える。

今町に起こっていることと自分の距離を、

常に測っていくことが重要。



まちづくり、今は災害対策ももちろん大事になっています。

ハードもありますが、地域の繋がり、コミュニティーが着目されています。

その器としての町。

その町は人がつくるもの。

愛着もてる町も、もてない町も、そこに住んでいる人次第。

やはりまずは一人一人の意識、ちょっとした気遣いが大事だと思います。



こんな時に、まちづくりとはとも思いましたが、

こんな時だから、まちの意味、人とのつながりの意味を、

今までと違う感覚で、考えることができたように思います。







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