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日銀に情報漏洩された松江の酒屋が倒産 明治安田生命でも内定者の情報漏洩発覚

2008-11-09 14:43:11 | Weblog
日銀松江支店の情報流出:「風評被害」松江の酒店、資料流出で破産 2008年10月30日 毎日
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20081030ddm041040039000c.html
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/081030/crm0810301134010-n1.htm
 日本銀行松江支店(松江市)の内部資料が3月、ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」の暴露ウイルスでインターネット上に流出した問題で、資料に「破綻(はたん)懸念先」と実名で記された松江市内の酒店が松江地裁に破産を申し立て、手続き開始が決定された。「風評被害で資金繰りが悪化した」として、日銀側と進めていた補償交渉が進展しないまま経営破綻した。負債総額は1億5000万円。
 関係者によると、資料流出後、酒店は卸業者から取引中止や取引量を制限されるなどして、売り上げが減少。一部卸業者からは以前の取引量に戻す条件として、保証金約3000万円を求められるなどし、経営を断念した。
 酒店の経営者は、破産手続きをしたことで自宅や土地に抵当権を設定され、アパートを借りる資金もない。経営者は「提訴も視野に入れている」と言う。日銀松江支店の臼井正樹次長は「交渉の内容は話せない。ご迷惑をおかけした企業には申し訳ない」と話している。
 資料は3月下旬、松江支店の男性職員(4月に自主退職)がデータを持ち帰って私有パソコンで作業し、暴露ウイルスに感染、流出した。

明治安田生命、採用試験受験2千人の個人情報がネット流出 2008年10月27日 読売夕刊 
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20081027-OYT1T00266.htm
 生命保険大手「明治安田生命保険」(東京都千代田区)の採用試験の受験者の個人情報が、ファイル交換ソフト「ウィニー」を介してインターネット上に流出していたことがわかった。
 流出したのは、主に関西地方に住む女子学生のデータで、約2000人分の入社希望者の氏名や住所、電話番号、採用試験の結果などがネット上で見られる状態になっていた。内定者45人分の写真や氏名、出身大学が記載された文書なども流出していた。
 同社によると、大阪職域FC営業部(大阪市西区)の男性社員が内部規則に反して個人情報を持ち帰り、ウィニーのウイルスに感染した自宅パソコンから流出したとみられる。
 明治安田生命保険の話「当社社員から流出したことは大変申し訳ない。ご迷惑をかけた方々には誠意ある対応をしたい」

明治安田生命、個人情報の流出拡大 就職希望者9000人に 2008年10月31日 日経夕刊
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20081031AT1G3101L31102008.html
 明治安田生命保険に就職を希望する大学生の個人情報がファイル交換ソフト「ウィニー」を通じてインターネット上に流出した問題で、同社は31日、流出の規模がこれまでの約2000人から約9000人に拡大したと発表した。さらに拡大する恐れがある。
 これまでに流出が確認されたのは2009年4月に同社大阪本部に就職を希望する大学生らの個人情報だったが、30日深夜になって新たに05―08年4月の入社希望者についても流出が確認された。氏名、出身大学に加え、一部には住所、電話番号、メールアドレス、面接結果が含まれている。
 09年4月の就職内定者45人については顔写真も流出したが、新たに39人分の顔写真の流出も確認された。



 ファイル交換ソフトのウィニーによる情報漏洩事件については、つい先日も明治安田生命が採用試験を受験した女子学生2000人の個人情報を、名前だけでなく、住所や電話番号・採用試験の合否まで漏らしてしまうという、企業の信用と言う意味では致命的なミスを犯しました(厳選して採用した45人も大半は学生の方から内定辞退して、採用選考のやり直しを迫られることになるでしょう)が、日銀が『破綻懸念先』とした資料を日銀職員によって漏らされてしまった松江市内の酒店は、取引先から無理な取引条件の変更を求められ、とうとう風評被害による経営破綻に追い込まれてしまったようです。
 酒店の経営者は年金だけで暮らしていて、『補償の交渉がまとまらなければ訴訟もありえる』と話しているそうですが、零細企業であればあるほど、一取引先から取引条件を迫られてしまうだけで、ぎりぎりで運営していた資金繰りが回らなくなり、経営破綻に追い込まれてしまうことも少なくありませんし、それだけに決して他人事には思えないのですが、あれだけ陸海空の自衛隊や先の日銀職員によるウィニーによる情報漏洩のリスクが指摘されながら、一部の金融機関では未だに情報漏洩がなくならないことには危機感さえ感じます。
 まあ、明治安田生命の大阪職域FC営業部の男性社員は、責任を取らせる意味でも、正式に解雇されるか実質的にクビに追い込まれると思いますが、そもそも仕事を自宅に持ち帰らせない(ただ就業規則等の規定で書いておくだけでなく、職員の1人1人に意識啓発させることが不可欠です)、どうしてもその必要があるならば、ネット接続させない(家族が誤って利用しないためにも、ネット接続設定も解除した方がベター)古いパソコンで作業を進めた上でパスワードロックは最低限かけるなど、もし自分が取り扱っている情報が漏洩したら社会的にどのような影響が出るのかという社会人として基本的なことを、うるさいくらいに従業員の1人1人に教育していく必要があるように思います。

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