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未履修10単位 授業350回 ツケ重く課題山積 

2006-10-31 13:16:16 | Weblog
未履修10単位 授業350回 ツケ重く課題山積 2006年10月30日
http://www.sankei.co.jp/news/061030/sha004.htm
 未履修問題で単位不足の生徒は7万人超。「7時間目授業」「春休み授業」でまかなう補習計画を立てた高校もあるが、教える教員や教科書確保など課題も。文科省は補習時間数の軽減など救済策を今週中にまとめるが、大学入試のあり方を含め見直さなければ、安易な救済だけでは、必修科目が「居眠りするだけの授業」に終わりかねないという懸念もでている。
 今回未履修が最初に発覚した富山県立高岡南高校では補習計画をまとめ30日から実施予定。
 世界史A(2単位)の場合、50分授業が70回(コマ)必要で、通常の地理歴史の授業で12回、普段6時間授業の日に「7時間目」を設け10回、土曜など6回、2学期の期末試験後に30回。残りの12回は、冬休みか、国公立大の前期試験後のいずれかを、生徒が選択する。「教員の不足があれば、県教委から援助を受けることになる」という。
 未履修が最も多い、岩手県の私立盛岡中央高普通科特進コースのケース。3年生51で、未履修が世界史、家庭基礎、情報、芸術の4科目計10単位に上り、卒業までに350回の授業が必要だ。
 公私立36校の未履修が判明した岩手県教委は、履修範囲が広い世界史B(4単位)を、近現代史中心の世界史A(2単位)などの科目で代替する措置やリポートで代用することも検討している。
 教科書については、履修していないのに学校側が教科書だけ購入させているケースもあるが、教科書会社には世界史などの教科書の在庫の問い合わせが目立つという。

 「大学の入試は英語と社会1科目。高校時代は理科と数学は教科書を触るだけで単位がもらえた」。有名私大の教員は、文系の学生から入学後にこんな話を聞いた。
 推薦入試の面接を担当した大学教員は「履修していないのに単位がついている生徒を実際に何人もみてきた」と話す。
 伊吹文科相は「今週中に解決策を出したい」とする一方で、「気の毒というだけで情緒的な解決をしたら国家は成り立たない」と安易な救済には慎重だ。
 学力低下の問題などに詳しい東京理科大の芳沢光雄教授は「大学入試のあり方を含め見直さなければ、“居眠りの必修科目”“『世界史』という名の英語授業”など奇妙な授業が横行する。大学入試で5教科すべて課す代わりに専攻分野以外はやさしい問題にするなど工夫のしようはある。高校の教育は逆に活性化し、複雑化した社会をみる目を養う立場からもプラス」と話す。


関連ニュース
履修不足:高3男子告発「学校は潔く認めて」
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20061030k0000m040137000c.html


 この記事には実は画像として、『単位を取るのに必要な授業日数-50分授業を1日6コマ行った場合』として具体的事例が載せてあり、『世界史A未履修の場合、2単位で約12日』、『世界史B未履修の場合、4単位で約23日』『盛岡中央高校の51人の場合、10単位で約58日』(http://www.sankei.co.jp/news/061030/sha004-1.jpg)とあり、世界史Aの未履修ならともかく、盛岡中央高校の場合は原則論ではもはやどうしようもないのは明らか。
 それに仮に強引に土日に授業を行っても、当の受験生は受験科目の参考書を持ち込み自習、教える先生の側も学校側が悪いだけに強く注意できずに黙認になりそうな気がしますね。

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