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迫る負担 募る不安 児童扶養手当08年度から減額

2006-09-03 08:04:15 | Weblog
迫る負担 募る不安 児童扶養手当08年度から減額 2006年9月2日 琉球新報
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-16805-storytopic-1.html
 児童扶養手当が2008年度から減額されることを受け、各市町村の母子寡婦福祉会が衆参両院議長に対し減額率を配慮するよう求める署名活動を行っている。現受給者の2人に1人、1万人が減額対象者との見通しが県から示される中、ほとんどが低所得者の母子家庭からは「貯金もない状態。これ以上追い詰められたら、どうすればいいのか」などと不安の声が上がっている。
 児童扶養手当は18歳未満の子どもを持つ母子家庭などに対し、子ども一人につき、全額支給だと1月4万1720円が支給されている。
 国は03年、母子家庭対策の方針を経済的支援から自立支援に転換し、母子寡婦福祉法などの関連法を改正。08年度からは、受給資格者に身体上の障害がある場合などを除き、手当の受給期間が5年を超すと、現支給額の2分の1の範囲内で減額することを決めた。
 県福祉保健部青少年・児童家庭課によると、県内の受給者は今年3月末現在で2万416人。7月の県議会少子・高齢対策特別委員会で、現受給者の半数に当たる約1万人が減額対象との見通しが県から示された。
 具体的な減額率は今秋にも決定される見通しで、母子家庭の母親らでつくる各市町村の母子寡婦福祉会では、減額率を抑えようと、児童扶養手当の受給に必要な現況届の提出月の8月に合わせ署名活動を実施した。
 浦添市役所で署名活動をした照屋尚美さん(33)は「7、8万しか稼ぎがない中で小学生を育てている。これから先は教育費もかかる。貯金もほとんどなく、これ以上追い詰められたら大変だ」とため息をついた。
 別の女性(35)は「8年間勤めた遊技場から、店を閉める3日前に倒産を知らされた。児童扶養手当があったからどうにかなったが、減額されるとどうなるのか」と不安を隠さなかった。
 県母子寡婦福祉連合会の亀谷操枝(みさえ)母子部長は「子どもにお金がかかるのと反比例して受給額が減らされ、減額率がたとえ少なくてもダメージは大きい。母子家庭は低所得者がほとんど。たくさんの署名を集めて、声を上げていきたい」と話した。


 こちらの記事は沖縄の話ですが、児童扶養手当の減額の問題は全国に共通する、しかも来年度から発生することが確実視されている重大な問題なのであえて取り上げました。
 記事にもありますが、児童扶養手当は2003年の改正で、2008年度より、受給期間が5年を超えると、現支給額の最大で2分の1減額されることが決まっていますが、これは『5年もあれば、生活できるだけのお給料を稼げるようになっているだろうし、国もいつまでも面倒は見ていられないよ』という、国の児童扶養手当支給総額を増やさないための思惑があります。
 ただ児童扶養手当は現在でも、収入に応じて『10円(!!)単位の減額』が行われていますし、別れた夫から子どもの養育費を受けている場合は、その養育費の8割を収入として算入しなければならない制度が既に導入され、これまでも支給抑制のための様々な手段がとられてきました。それなのにお国はさらに受給者を追い込むような施策を導入しようとしているんですね…。

 受給者の立場から見れば、正社員として就職して安定した収入を得たくても、現実問題として、子どもが小さい場合は、当の企業の側が正社員としての採用に慎重ですし、パート職のままだと、企業の経営が悪化した場合に、正社員より優先して雇用調整の犠牲になり、そうなると別の会社でパートして一から仕事を覚えるしかありません。
 そういった様々な諸事情を考慮しないで、いきなり手当が半額になれば、受給者の生活はますます脅かされることになりますし、せめて減額率を最小限に抑えなければ大変なことになると思うのですが、政府は最初から減額ありきの姿勢です。
 この問題、母子家庭の生活を直撃するだけに本当に厄介ですね。


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