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退任直前、東和銀前頭取が家族に実家など贈与

2008-04-03 20:28:30 | Weblog
退任直前、東和銀前頭取が家族に実家など贈与 2008年4月2日 読売
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080402-OYT1T00819.htm
 金融庁から業務改善命令を受けた第二地銀「東和銀行」(前橋市)の増田熙男前頭取(70)が、過去最悪となる274億円の赤字決算を出して引責辞任する直前、自宅などの不動産を家族に贈与していたことがわかった。
 金融庁の検査中にもあたり、同行関係者は「賠償請求を恐れた資産隠しの可能性がある」と指摘。同行は、経営責任調査委員会の報告書に基づき、前頭取らに計約8000万円の損害賠償を求める方針だが、贈与契約の取り消しを求める訴訟も検討する。
 登記簿によると、贈与されたのは、自宅がある川崎市宮前区の土地(約190平方メートル)、建物(2階建て、延べ床面積約150平方メートル)と、実家がある群馬県沼田市の土地(約1400平方メートル)、建物(同、同約430平方メートル)。
 実家の土地と建物は昨年5月1日、前頭取から長女に、自宅の建物と土地(妻と共有)は翌2日、妻と二女にそれぞれ贈与されていた。取締役会で退任が決まったのは同月11日。所有権の移転が登記されたのは、自宅が同月7日、実家は7月24日だった。周辺の公示地価によると、自宅と実家の土地2筆の資産価値は計1億円相当とみられる。
 調査委は、前頭取と前常務について、債務超過状態の企業に約8000万円の不適切な追加融資をしていたと指摘している。
 増田前頭取は旧大蔵省OBで、現在、川崎市の自宅に住んでいる。読売新聞の取材に対し、「以前からの遺産計画を実行したもの」として資産隠しの意図を否定し、「詳細はプライバシーのため控えたい」と回答している。

東和銀行に前頭取らが8000万円損害与える、調査委報告
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080401-OYT1T00896.htm
 群馬県の第二地銀「東和銀行」(前橋市、吉永國光頭取)が経営の悪化した企業に対する不適切融資などで金融庁から業務改善命令を受けた問題で、同行の経営責任調査委員会は1日、旧大蔵省OBの増田熙男前頭取(70)と側近だった石倉理平前常務(58)が、銀行に約8000万円の損害を与えた民事責任があるとした調査報告書を、同行に提出した。
 同行は近く、増田前頭取らを相手取って損害賠償を求める訴えを前橋地裁に起こす方針。
 調査委は、弁護士ら外部の第三者3人で構成。増田前頭取らの刑事責任追及も検討したが、特別背任罪の成立要件である「自分や融資先の利益を図る意図があった」とする証拠が現段階では不十分と判断した。
 調査委が違法性を認めたのは、飲食店ビルやラブホテルを所有する不動産会社(前橋市)に対する融資。経営者と親密だった増田前頭取らが2004年ごろ、すでに債務超過状態だった同社に対し、資金使途の検証などが不十分なまま、審査部の反対を無視して約8000万円の追加融資を承認した。
 同行は、支払いを凍結していた2人の退職慰労金を支給しない方針だ。増田前頭取らは調査委に対し、「手続きに従って融資しており、違法性はない」と主張しているという。



 東和銀行の増田前頭取と言えば、13年にも渡って第二地方銀行である東和銀行(群馬県と埼玉県が主力市場)の頭取の座にありながら、地元に移り住むこともなく、東京から逐一指示を出していた(本当はどうかは知りませんが、『大蔵官僚としてのキャリアに誇りをもつ増田氏は、東和銀行のような田舎銀行の頭取に天下ったことが不満で、こんなところにいる人間じゃないとよく口にしていた』という噂話もあるようですね)と言うワンマン?振りでも有名な方ですが、銀行が赤字決算を出して、その責任をとって辞任する直前に、自宅や実家のある土地・家屋を家族に贈与していたことがわかりました。
 まあ、これが通常の任期満了や体調不良による引退ならば、別に問題視もされないと思いますが、増田氏と言えば、2007年に増田氏が主導した多数の不適切な融資取引があったとして、金融庁から業務改善命令を受けたばかり。
 しかも、つい先日、経営責任調査委員会が、その増田氏と側近の石倉氏が、銀行に約8000万円の損害を与えた民事責任があるとした調査報告書を提出して、銀行も損害賠償を求める訴えを起こす準備をしていると見られるだけに、このタイミングでの贈与は資産隠しを疑われても文句は言えないのではないでしょうか。
 まあ、法律さえ守っていれば、余程悪質と認められない限りは、明治時代のように『私財を提供しろ』とは中々言えないのが現実だと思いますが、この人。群馬県民や真っ当な取引先からは相当恨まれていると思いますね。


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