石橋みちひろのブログ

「つながって、ささえあう社会」の実現をめざす、民主党参議院議員「石橋みちひろ」の公式ブログです。

参議院決算委員会で質問に立ちました

2014-05-12 23:30:12 | 活動レポート

事前にお知らせしていた通り、本日(5月12日)開催された参議院決算委員会(平成23年度及び24年度決算、省庁別審査ー外務省及び国際協力機構)で、民主党質問者の1人として質問に立ちました。
 


今日の決算委員会では、特に「政府開発援助(ODA)」をテーマにして、国民の貴重な税金を使って実施されている我が国ODAが、その本来の目的を達しているのか否か、とりわけ、アフリカやアジアの最貧国において、貧困や飢餓の撲滅、国民の大多数を占める小農民の生計・生活向上に貢献しているのかどうかを考えるために、具体的な事例としてモザンビークとミャンマーのケースを取り上げて質疑を行いました。


詳細は、ぜひ参議院インターネット審議中継で録画をご覧いただきたい(委員会のリストから決算委員会を選び、今日の日付をクリックして下さい)と思いますが、質疑の主な内容は以下の通りです(正確な議事録ではありませんのでご了承を)。

 

1. モザンビーク・熱帯サバンナ農業開発プログラム(ProSAVANA-JBM)について

  • 2011年から実施されているモザンビーク北部ナカラ回廊地域における「日本・ブラジル・モザンビーク三角協力によるモザンビーク熱帯サバンナ農業開発プログラム(ProSAVANA-JBM)」は、 ①研究・技術 移転能力向上事業(ProSAVANA-PI)、②マスタープラン策定支援事業(ProSAVANA-PD)、③コミュニティレベル開発モデル策定事業(ProSAVANA-PE)が柱となっているが、その中核をなす「プロサバンナ・マスタープラン策定支援事業」が、当初、2013年3月までに終了する計画から大きく遅延し、現在に至るまで策定のメドが立っていない。まず、その理由を明らかにされたい。
     
  • 市民社会との協議が進んでいるかのような説明があったが、実際、昨年の段階から全く進捗していないのではないのか?
     
  • 3州のうち、2州では協議が行われていると言うが、これらの州でも実際には一部の市民社会グループと何度か会合が行われただけと聞いている。また、ナンプーラ州では、代表組織である市民社会プラットフォームが対話に応じていないはず。そして、モザンビーク最大の農民組織である全国農民連合(UNAC)をはじめとする現地の女性組織、人権組織、環境組織との「対話」も停止してしまっている。この状態について、政府・JICAはきちんと問題を認識しているのか?
     
  • 昨年、5月28日に、モザンビークの地元23団体と世界42団体によって、安倍総理を含む三か国首脳に渡された「事業の緊急停止を求める公開書簡」について、1年経とうとする今もなお、政府は回答していない。この点については、岸田外務大臣も昨年から国会答弁で、モザンビーク政府と協議して早急に対応したいと述べておられたが、今だに棚晒しになっている。なぜ、回答がなされないのか? いつまでに回答するのか?
     
  • プロジェクトの最大の裨益者であり、最も影響を受ける現地小農民の皆さんが文書で示した懸念に、1年以上も回答ぜず棚晒しにしたまま、プロジェクトの一部事業を進めてしまっている。そのことが、信頼関係を損ね、マスタープラン策定事業の進捗をストップしているのではないのか?
     
  • 「公開書簡」への回答がなく、マスタープラン策定のための「当事者との対話」が事実上、ストップしている中で、プロサバンナ事業の三本目の柱である「コミュニティレベル開発モデル策定プロジェクト(ProSAVANA-PE)」が対象地域で進められている事実について、政府・JICAはどのように説明するのか? 当初は、2013年3月までにマスタープランの策定がほぼ終了し、そこからPEが始まるスケジュールではなかったか? PEはマスタープランづくりに必要との説明は、完全に後付けでは?
     
  • 結局、そもそもの問題は、最初の段階のボタンの掛け違いではないのか? JICA環境社会配慮ガイドラインに基づいて、プロジェクトの企画段階から当事者(ステークホルダー、特に直接の裨益者となる小農民及びその代表組織)の参加・参画が確保されてきていれば、このような事態にはならなかったのではないか? まずは、1年間棚晒しにしてきた書簡に早急に、かつ真摯に回答し、その上で、ステークホルダーとの信頼関係を取り戻すため、真摯に対応して欲しい。
 
2.ミャンマー・ティラワ経済特区開発事業に係る住民の非自発的移転問題について
  • 5月1日に現地を訪問し、住民の生活環境、そして移転先の環境を実際に視察してきた。まず、移住対象となった住民グループからJICA田中理事長宛に送られた書簡(過去6回)に対し、未だ文書による回答がなされていない。その理由を説明して欲しい。
     
  •  では、住民グループからの再三の要請にもかかわらず、昨年10月15日以降、JICAが住民からの直接対話に応じていないことに対しての合理的な説明は? 「ステークホルダーから指摘があった場合は回答する」とのJICA環境社会配慮ガイドラインに抵触していないか?
     
  • JICA環境社会配慮ガイドラインでは、非自発的移転の対象となる住民について: ①以前の生活水準や収入機会が少なくとも回復または改善されること ②対策の立案、実施、モニタリングには当事者の適切な参加が確保されること、 ③苦情処理メカニズムが整備されていること、などを規定しているが、すでに移転した住民について、これらが適切に確保されているとJICAは評価しているのか?

  • 現在の環境について、第三者による評価を住民の参加も確保して実施するべきだと考えるが、実施する考えはあるか?
     
  • すでに現状において、①生計手段の問題、②水の問題、③子どもたちの学校の問題、④雨期対策の問題など、喫緊の課題がある。これらにどのように対策を講じるつもりか?
     
  • これから協議が行われる2000ヘクタールでは、実際の移転はまだ数年先になる可能性があるにもかかわらず、(1)すでに2年前から灌漑用水設備が止められて乾期の農業が出来なくなり、農民の収入が激減しているし、(2)今年から農業を停止せよと政府が言っているなど、農民は深刻な不安を訴えている。今回面会したティラワの住民たちは、「今回は、日本が支援するプロジェクトだからきっといいモデルを作れると思って協力してきた。しかし今の状況は、到底納得出来ない」と言っている。政府として責任ある対応をすべきだ。外務大臣、ぜひ大臣が責任を持って対応して欲しい。

(以上)


ミャンマーでの嬉しい出来事

2014-05-12 00:01:57 | 活動レポート

ゴールデンウィークにミャンマーへ視察に行ったことはすでにお知らせした通りですが、実は、最終日に大変嬉しいことがありました。それは・・・。
 

 
ミャンマーの労働組合ナショナルセンター、FTUM(ミャンマー労働組合連盟)本部にお邪魔して会談を行ったときのこと。同席した執行委員の中に、「あれ、以前、どこかで会ったことがあるな~」という女性が・・・。「さて、どこで会ったっけ~???」と考えていたら、「あっ~!!!」と思い出したのです。

11年前、ILO国際研修センター勤務時代に、ビルマ(ミャンマー)の民主的労働運動育成支援のための研修プログラムをバンコク郊外で実施したのですが、その時、ミャンマー国境沿いのメソトから参加してきていた女性活動家だったのです! もちろん、彼女も私のことを覚えてくれていて、再会を喜びあいました。

彼女は、当時まだ20歳ぐらいで、「こんなに若い女性が民主化運動のために祖国を離れて頑張っているのか」と感銘を受けたわけですが、その後も活動を続け、2年前に帰国を果たして、今はヤンゴンで、FTUMの主要メンバーの一人として頑張っています。かつて、自分のプログラムに参加してくれた研修生が、その後、活躍してくれているのを見るのは本当に嬉しいことですね。

ミャンマーの未来のためにも、FTUMの活動は大変重要です。今後の活躍を応援していきたいですね。