ゆめ未来     

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星屑/村山由佳 

2022年09月19日 | もう一冊読んでみた
星屑 2022.9.19

村山由佳 『 星屑 』 を読みました。

面白くて、一気読み。
登場人物のすべてが、人格者ばかりで意地悪な者は誰もいない。
こんな人たち、みんなに支えられ励まされれば、才能がありまともな者なら誰でもグングン伸びるだろうと感じた。
この浮世も生きやすくなる。
紆余曲折はあっても順風満帆。ドンドンのし上がっていく。
読んでいて気持ちがよかった。



 笑え。
 何があっても笑え。
 それができる者だけが生き残れる、のではなく、とりあえず生き残りを賭けた闘いに参戦できるというだけの、厳しくむなしい虚構の世界だ。


 「人間、好きが高じたら何をしでかすかわかりゃしないんですから」
 「そうかしら」
 「そうですよ」


 <一人前の歌手になるための条件ってか?>
 ずっと前に、上司の峰岸が口にした言葉を思いだす。
 <そりゃお前、きまってるだろ。帰る場所がないことだよ>


 「最後の最後まで儲けのことばかり考えて動くような輩は、生身の人間に関わっちゃならんのだよ。歌い手たちは一人ひとり、おのれの人生を賭けて舞台に立ってるんだ。僕たちが関わっているのは商品じゃない。音楽の女神ミューズに愛された選ばれし者たちであって、僕らはつまるところ、彼らへの奉仕者に過ぎないんだからね」

 「椅子取りゲームなのよ、芸能界は。個性がどうとか言ったってね、その個性ですら相対評価なの。そら恐ろしいほどの才能を持ってる人が、同じくらい才能のあるライバルの何倍の何倍も努力することでようやくトップの座を守ってる、それがこの世界なのよ。わかる? っていうか聞いてるの?」

 「いつまでも自分を責め過ぎちゃいけないよ。度の過ぎた反省は、自分を憐れんで可愛そうぶるのと同じことだからね

  『 星屑/村山由佳/幻冬舎 』



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