ゆめ未来     

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今週の読書! カササギたちの四季/子守唄

2015年10月03日 | もう一冊読んでみた
 今週は、この2冊。

カササギたちの四季/道尾秀介   2015.10.3

道尾秀介の『カササギたちの四季』を読みました。
道尾さんは、ぼくも注目している若手作家のひとりです。
「カササギたちの四季」は、2011年の作品ですから、著者36歳の時の作品になります。
彼の作品は、目につけば、読むように心がけています。

 「泣かなくていい」
 「泣くのはな、宗珍。人が泣くのは、取り返しのつかないことが起きてしまったときだけでいいんだ。だからお前は泣かなくていい。泣いてはいけない。……わかったな?」

 「いいか宗珍。いつか教えたとおり、蜜柑はな、あれは接ぎ木で増やすんだ。うちの畑の蜜柑の木も、枝になる実は温州蜜柑だが、根や幹は温州蜜柑じゃない。紀州蜜柑だ。でも美味いだろう?」
 「考えてみろ、宗珍。その美味しい温州蜜柑の実が、自分の幹や根は温州蜜柑じゃないなんて悩んでいたら、笑い飛ばしてやりたくなるとは思わんか?」


心優しい作品でした。
何時しか話しに引き込まれてしまいます。

  『 カササギたちの四季/道尾秀介/光文社 』



子守唄/カーリン・イェルハルドセン   2015.10.3

 カーリン・イェルハルドセンの『子守唄』を読みました。
「子守唄」という題名からは、どんな内容のミステリーなのか想像出来なかったが、読み終えてみると、その題名がなんとなく納得できるような気がしました。
なんとも切なく悲しい物語でした。
「訳者あとがき」を読んで、「ショーベリ警視が指揮をとるハンマルビー署シリーズ」の一冊であることを知りました。
出来れば一作目から順に読みたかったのですが、読んでしまったので、振り出しに戻って読んでみたいと思います。
悲しく切ないミステリーでしたが、面白かったので、他のシリーズも楽しみです。
刑事達の関係をみると、次に語られる物語のヒントらしきものも垣間見える気もしました。
「訳者あとがき」は、このシリーズの良き案内書になっています、本屋さんで立ち読みでもしてみて下さい。
このミステリーをまだの方は、第一作目から順に読まれることをお薦めします。

 「罪は重い鎖のように、音を立てて後ろについてくる。そいつはからだの一部になる。いつかはあるのも感じなくなる。」

 なんだか……幸せそうだった。人間は決意を固めた時にそんなふうになる。おれはそれを見たことも聞いたこともあるよ。あいつはもう心を決めていたのさ、コニー。俺たちにはそれを変させる術なんかなかった。

  東京創元社のウェブマガジン/Webミステリーズ
  スウェーデン・ミステリの新しい才能が開花する >>>>> ショーベリ警視シリーズ第三弾

  『 子守唄/カーリン・イェルハルドセン/木村由利子訳/創元推理文庫 』

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