ゆめ未来     

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「万引き家族」 を見ました

2018年07月05日 | ゆめ未来
映画と讃岐釜揚げうどん  カラフルタウン 2018.7.5

家族で、今話題の映画 『万引き家族』 を見てきました。
家族揃って映画に行くなんて、何年ぶりかです。
映画は、評判通りの素晴らしさでした。

こんな内容の映画でした。

 東京・下町の片隅でひっそりと、しかし楽しく生きる家族の物語。父親と男の子がペアで万引きしたり、祖母の年金を不正受給したりして生活費の足しにしている。そのため。「犯罪者を擁護している」などと批判を浴びた。しかし、映画は、罪の意識が芽生えた時の男の子の哀しみをきちんと繊細に追っている。(朝日新聞 2018.6.25)

一度目覚めれば、もう後戻りは出来ない。
少年が、たばこ屋のおじいさんに気づかされた他人へ心遣いと素朴なやさしさ。
そのことは、少年のことを兄のように慕う少女への思い、心の変化を生じさせてしまう。

映画の初めは、この家族関係が分からなかった。
家族の理解が進むにつれて、この物語の世界に深く引き込まれてしまう。

お昼は、 『丸亀製麺』 の 「牛とろ玉」 をいただく。


トッピングは、「野菜かき揚げ」、「さつまいも天とえび天」。


朝日新聞 2018.6.25/世の中は 分かりやすくない  2018.7.5

 「万引き家族」でカンヌ最高賞 是枝裕和監督インタビュー

第71回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールを獲得した「万引き家族」。
社会から見捨てられた人たちの生きざまを丁寧に描いたこの映画、内容への高評価とともに、SNSなどで展開される“場外戦”も話題を呼び、正式公開から2週間で178万人が見るというヒットになった。
是枝裕和監督が“場外戦”も含めた現在の思いを語った。


「万引き家族」は、21日現在で興行収入21億7千万円に達した。
福山雅治というスターが主演し、是枝映画で最高の32億円を上げた2013年の「そして父になる」を上回るハイペースだ。


「観客の年齢層が広いのがうれしいですね。10代から80代まで来てくれている。最近は、ターゲットを狭く設定した映画が多いから、こういう映画があるのは、いいことなんじゃないでしょうか」

    「祝意」辞退で話題

パルムドールを受賞して以降、SNS上で「文化庁の補助金を受け取っていながら、日本の恥部を描く反日映画を作った」と攻撃されたり、政府の「祝意」を受けることを是枝監督が「公権力とは距離を保つ」と断ったりした。
そんなニュースをマスメディアが拡散することで、映画の知名度が大きく広がった。


「炎上商法じゃないよ(笑)。僕がトロフィーを持って文部科学省に出向き、大臣と写真を撮ったりして“大人”の対応をしたとすると、それは日ごろ僕が言っていることとは真逆の行為だから」

    ( 略 )

SNSが浸透した現代社会では、意見を同じくする人たちにしか響かない言葉ばかりが勢いよく飛び交っている。
意見を異にする人たちに伝えるにはどぅすればよいのだろう。

「僕は意図的に長い文章を書いています。これは冗談で言っていたんだけど、ツイッターを140字以内ではなく、140字以上でないと送信出来なくすればいいんじゃないか(笑)。短い言葉で『クソ』とか発信しても、そこからは何も生まれない。文章を長くすれば、もう少し考えて書くんじゃないか。文字数て大事なんですよ」

是枝監督は以前から、現代のメディアが陥りがちな「分かりやすさ至上主義」に警鐘を鳴らしていた。
彼の映画も、説明しすぎないことが特徴になっている。


「だって、世の中って分かりやすくないよね。分かりやすく語ることが重要ではない。むしろ、一見分かりやすいことが実は分かりにくいんだ、ということを伝えていかねばならない。僕はそう思っています」  (聞き手 編集委員・石飛徳樹)


2018.7.10 朝日新聞読書欄の記事を追加しました

朝日新聞 2017.7.7
ひもとく/是枝映画の源流
本社編集委員(映画担当)/石飛徳樹


    複雑な現実を 複雑なまま

単純化を嫌い、複雑なまま世界を提示する。
これを徹底的に実践するのが是枝映画だ。
「万引き家族」は犯罪を擁護する映画でもなければ犯罪を撲滅する映画でもない。
社会的弱者を持ち上げたり、たたき落としたりもしない。
複雑系の映画だ。

是枝は年金詐取事件を報じた記事に着想を得たという。
複雑な事情を抱える家族が起こした事件を新聞記者が圧縮・単純化し、それをまた、是枝が複雑な実寸大に戻す。
こうして「万引き家族」は生まれた。

この作風を彼は多くの先人から学び取った。
ここでは、その中から脚本家の山田太一を挙げたい。
山田がホームドラマの作家であり、近年、是枝が撮る映画の多くがホームドラマの形式を取っているからだ。

是枝は、山田の「想い出づくり。」が「大学時代に観たドラマでいちばん好き」と語る(『是枝裕和対談集 世界といまを考える 1』 PHP文庫)。
『想い出づくり』はその脚本を収める。
3人の若い女性の物語であり、それぞれの家族を描いた三つのドラマの集合体でもある。


    家族の両面描く

山田が描くのは「家族だからわかりあえる」でなく「家族だからわからない」だった。
是枝は『映画を撮りながら考えたこと』でそう分析する。
そしてこう続ける。
「『かけがえがないけど、やっかいだ』。
その両面を描くことが、ホームドラマにとってはとても重要だと考えています」

今回の受賞は、山田や向田邦子らが育んできた日本のホームドラマが初めてカンヌの頂点に立ったということでもある。


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