保津川下りの船頭さん

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秋の京都、奥嵯峨を歩いてみませんか?祇王寺

2018-11-12 14:48:42 | シリーズ・京都を歩く
紅葉の便りが聞こえ出すと京都・嵯峨嵐山には、大勢の観光客で賑わいます。
渡月橋や竹林の径も大賑わい。

でも、少し離れて奥へ足を延ばしてみませんか?

さっきまでの喧噪が嘘のような佇まいがあります。

紅葉の時におススメしたい場所の一つが「祇王寺」です。

平安の時代、平清盛の寵愛を一身に受けた白拍子・祇王。妹と母ともに清盛に邸宅に招かれ、
貧しい暮らしは一転し幸せな日々を過ごしていました。

しかし、その夢の様な時間は清盛の心かわりにより儚く破れます。
清盛の気持ちが年若い白拍子仏御前へと移り、祇王への思いは離れていきます。
祇王は母、妹を連れて嵯峨の寂しい山里の庵で暮らしました。その庵跡が祇王寺です。
人里離れてひっそり暮らしていた祇王に、再び清盛の手が伸び、呼び寄せられます。

しかし、それは以前の寵愛を受けたものではなく、下座での扱いでした。
でも、老いた母親、妹の暮らしの為、涙をこらえ清盛に従ったのです。

~仏は昔は凡夫なり 我等もつひには仏なり いづれも仏性具せる身を隔つるのみこそ悲しけれ~
とその心情を歌いました。
自ら命を絶つことも思った祇王ですが、母や妹の存在が思いとどまらせ、のちに揃って出家しました。
男の身勝手さと淋しくもあわれな女の物語。この寺を訪れると様々な思いが交差し、
詫び寂びを漂わす京都の秋の「真髄」を味わえます。

祇王が舞う白拍子の姿は、毎年、嵐山大堰川で開かれる「もみじ祭」や「三船祭」で
今様詩舞楽会の舞船で再現され見る事ができます。

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