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主水逝く!藤田まことさん死去に思う。

2010-02-18 23:09:07 | 映画・芸能界
俳優の藤田まことさんが今日、大阪府内の病院で亡くなられました。
76歳でした。

コメデアンから時代劇俳優に転進し、素朴ながら存在感のある演技で
テレビ全盛時代のお茶の間を楽しませ人気者だった藤田さん。

また、ひとり、京都ゆかりの名俳優がこの世を去られたことを淋しく思います。

70年代から放送され、人気時代劇の仲間入りをした「必殺仕事人」シリーズは、
二枚目の達人剣士が、悪人をバッタ、バッタと切り捨てるという、それまでの
時代劇の主役スタイルを覆し、日頃は下っ端役人で家では嫁と姑に頭が上がらない
さえない平凡な男。しかし、実は公で裁けない事情の恨みを秘密裏に晴らす
一味のリーダーで剣術の達人というギャップのある役・中村主水を演じ、
一躍人気俳優の仲間入りをされました。

私も小学生の頃、眠い目をこすりながら毎週観ていた「必殺シリーズ」
即日は必ず「♪チャララ~~♪」の「必殺テーマソング」を口ずさみながら
よく友達と「必殺~ごっこ」のチャンバラで遊んだものでした。
中条さんや鮎川さんもカッコよかったですが、やっぱり真打ちは中村主水。
暗闇からさりげなく登場し、仕込み刀の一撃で成敗する姿には、達人の域に
達した者だけがかもし出す鋭さと哀愁の影が上手く表現されていて、
惹き付けられたものです。

俳優としての成功後、一時期、事業家にも転進され、嵐山にも役と同名の屋号の
カフェ・レストランなどを出店し話題となりましたが、また、俳優業に専念され、
後日「はぐれ刑事・純情派」シリーズという名作を残されました。
けしてハードな刑事モノではなく、事件の裏にある人間の悲しい‘性’を
表現した内容は好感が持て、義理人情のあるベテラン刑事役は藤田さんに
ぴったりのはまり役だったと思います。

時代劇でも、現代劇でも、けしてカッコいい主人公像ではなく、親しみ易さと明るさ
ある人情味の厚さの中に、人生の厳しさを知る重厚感が伝わる演技で、
視聴者にいい距離感を持たせてくれた名俳優さんだったと思います。

松竹京都撮影所で制作された「必殺仕事人」は昨年に復活を果たし、
これからも「時代劇のまち・太秦」を盛り上げて下さるであろう
お一人だっただけに、今回の訃報は只々残念でなりません。

藤田まことさんのご冥福をお祈りいたします。

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