保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

嵐山の紅葉風景と出会って17年目に思う。

2011-11-24 23:04:21 | 船頭の目・・・雑感・雑記
保津川下りの歴史は405年。

毎年、この季節になると渓谷を鮮やかな赤色で彩る紅葉風景が楽しめます。

先人たちもこの美しい赤い風景を見ながら、保津川で仕事をしてたのか・・・
と思うと、不思議に感慨深いものがあります。

私もこの「保津川の船頭」という仕事に従事してから、早いもので17年の歳月が経ちました。
ということは、もう17回もこの紅葉風景を見てきたことになります。

この仕事に就いた一年目、早く操船技術を覚えようと無我夢中で身体を動かし
仕事をしていた時期。まわりの山々の風景など眺めている余裕なんかなかった日々でした。
ひたすら川の流れと前方に底岩に気を取られ、水面という下ばかり見ていた頃です。

その秋も深まったある日、急流をすべて終え、緩やかな流れとなる嵐山で、
ふと見上げた山々の紅葉風景に心が奪われたのを覚えています。
それは急な斜形の嵐山の木々が赤、朱色、黄色、黄緑という色とりどりの
色彩を見せ、斑点模様のように混在していたのです。

「なんと、きれいな所なんだろう~」
仕事の疲れも、つらさも忘れさせてくれる美しい風景が目の前に広がります。

その一年間で、もう数百回は下ったでろう嵐山の景色、見慣れた風景に
だと思っていた所で見た紅葉の景色は、私の心を一瞬で奪うほどのものでした。

「ここは間違いなく‘天下の名勝’だ!」と実感しました。

そして、ここから私の自然を見る目、感性が築き始めてきたんだと、
今、振り返ってみて、そう思います。

そして17年目の紅葉。

そろそろ、紅葉の盛りを迎える嵐山と保津峡の色彩はどうでしょうか?

そして、保津川の長い歴史の中で、今年の保津川の紅葉はどのランクに位置付けられるのかな?

今年で17回目の紅葉風景はどんな色彩をみせるか今から、楽しみです。


この写真は昨年の嵐山での紅葉風景です。