保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

保津川筏の復活プロジェクトを前に船頭が作戦会議

2009-09-03 22:20:11 | プロジェクト・保津川
今月9日(水)に開催される「保津川筏復活プロジェクト2009」を
一週間後に控え、今日18時から保津川遊船企業組合事務所で実行部隊となる
船頭たちによる「筏作戦会議」が、NHK放送局立会いのもと行われました。

会議には、当日に参加する船頭11名が出席し、同プロジェクトリーダである
河原林洋氏から当日の行程計画や筏に乗り込むメンバーなど配置体制の説明
が行われた後、参加した船頭で「筏流しに関する操船技術」についての
話し合いが持たれました。

今年で3年目となる「筏復活プロジェクト」
今回は半世紀ぶりに保津峡の激流に繰り出し嵐山まで流してしまうという、
これまでにない本格的な筏流しを復活させるイベントのなることから、
筏の操船経験のない我々船頭にとっても技術的な事前勉強が必要となります。

毎日、舟を流している保津川とはいえ、筏と舟では操船技術や流すコース
等が異なることから、筏の流れる形状をしっかり踏まえたシュミレーション
を行わなくてはならないのです。

シュミレーションは机上に白紙を広げ、川の流形を書き込み、将棋の駒を筏の連
になぞらえ行われました。

これこそまさに船頭技術講習の真髄!!

私たちも新人の頃、夜、師匠の家に呼び出され、白紙に書かれた川の上に
茶碗やおちょこを岩に、箸立てを舟に見立てて舟の操船技術を学んだものです。

筏のシュミレーションでも同様の方法が取られたことに‘伝統’を感じました。

今回筏を流すコースは保津川下りの航路行程で残り「3分の1」に当たる
清滝川と保津川が合流する落合と呼ばれる場所から嵐山までの間。
比較的流れが穏やかな区間ではありますが、「猿とび」や「奥の段」
保津峡最後の急流「大瀬」などの難所があります。

その難所を「筏ならどのように流せばいいのか?」

参加した船頭みんな、保津川の流し方にはそれぞれ「一家言」持っている者ばかり
「こう流せばどうやろ?」
「いや、筏の場合は舟とは流れ方が違うので、上手くいかないのでは?」
など、喧々諤々の議論が展開されました。

とにかく、今の保津川船頭には初めての筏流しです。
事前に確かなシュミレーションは行われたというものの、やはり最後は
日頃、川を流している‘技術’と‘勘’が一番のたよりだと思います。

当日は私も筏に乗り込み嵐山を目指します。

約半世紀ぶりに嵐山に保津川の筏が姿を現す、歴史的なイベント。
祖父が筏士でもあった私達、一族にとっても感慨深いイベントでもあります。

自分を信じ、仲間を信じて、この歴史的なイベントを
無事に成功させたいと思う次第です。