保津川下りの船頭さん

うわさの船頭「はっちん」が保津川下りの最新情報や、京都・亀岡の観光案内など、とっておきの情報をお届けします。

スズメ蜂の巣にご用心!

2005-10-12 23:21:20 | 船頭
今年はスズメ蜂が大量に発生し
全国で多くの被害例が報告されて
いるようです。

保津川の岩場にも、今年は例年になく
スズメ蜂の巣がたくさん造られている
様に感じます。

スズメ蜂はその毒針で刺されると
死にいたる事もあることから、
自然、特に山の中で仕事をする者には
細心の注意が必要です。
特に巣に子を持つ今の時期は、熊などの
天敵の襲撃を受けやすく、攻撃性を増して
いるので、最も危険な季節なのです。

もちろん巣は峡谷の岩壁に作っている
ので、船の航路からはかなり距離があり
お客さんへの被害は心配ないのですが、
私達、船頭が川作業やゴミ掃除の時に
山の中に入る時が危ないのです。

先日の雨で川の水位が増え、ゴミが多く
上流から流れて来ました。

秋の観光シーズンを前に早く掃除に掛か
りたいのですが、今はスズメ蜂の大量発生
と巣の位置がわからず、計画が
立てられない状態です。

それでも川作業は躊躇できないので、
山に近づかねばなりません。

山の木の根っこや、低い木の枝に作って
作られている巣。

これは最高に危険です。出会って近づくと
間違いなく襲撃されます。

以前保津峡の山でハイカーが刺され、
走行不能となり、ヘリコブターで運ばれる
出来事がありました。

最悪刺された時の危機マニュアルだけは
考えなければいけないですね。

刺されたときは素早くその刺し口を
口で吸い取ったり、絞り毒を出します。
そして水で洗い流し、薬を塗りましょう。

それでも気分が悪くなった場合は、
無線で助けを呼ぶ事です。

1分、1秒の遅れが命とりになるのが、
自然界でのトラブルの怖さです。


そんなスズメ蜂ですが、一つ役に立つ
ことがあるのです。

それは、その年の降雨量を予報してくれる
ということです。

保津川では、その年のスズメ蜂が作る
巣の高さで、その年の大体の降雨量が
わかるのです。

春の5~6月に降雨量が少ない時は、巣は低い
場所に作られてます。逆に春から雨が多かったり
台風の当たり年には、かなり高い位置に巣を
作るのです。

ほぼ、間違いなくその年の降雨量を当てています。

まさに自然が与えた知恵というか、直観力とは
凄いものですね。

スズメ蜂と付き合うのも自然の中で
共生する私達の仕事なのかも知れないですね。