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立花隆 思索ドキュメント がん 生と死の謎に挑む という 番組を見ました

2009-11-24 19:29:59 | 肺がん
昨晩(11/23)
立花隆 思索ドキュメント
がん 生と死の謎に挑む
という番組を見ました。

http://www.nhk.or.jp/special/onair/091123.html

がん治療最前線という番組ではなく
そもそも、がんとはなんなのか、なぜ転移するのか、ということを追求した番組で
とても興味深く、感動すらしました。

世界の最先端の研究者によれば、がんの治療が解明するにはまだ50年,100年はかかるそうです。

どうして沢山の人が研究しているのにそんなに時間がかかるのか...

それはがんが突然変異の異物というだけではなく
人間の生命の仕組みとリンクしてしまっているから...

京都大学で人口多能性幹細胞(ips細胞)の作成に成功した山中伸弥さん(たぶんこの方だと思います)が
ips細胞というのは、再生治療のホープとして期待されているが
実は半分はがんの遺伝子で構成されている
だからこの細胞はがんと紙一重なんです
と説明されていたのがとても印象的でした。

私たちはしっぽが切れても(元からないじゃん^ ^;)とかげのように生える能力を
持ち合わせていないのだけれど、敢えてそのようにプログラミングされていないのでは
ないかというようなことも言われていましたね。

そういう増殖の仕方をしないで
20代ぐらいまでに子どもを生み繁殖することで子孫を増やす仕組みに
なっているので、そういう増殖能力は封印されているというか。

初期の癌は切除という方法で、体から取り除くことはできても
化学療法でなぜ完全に取り除くことができないのかということが
よく説明されていました。少なくともテレビを見ているときは分かったような気がしました。

スーパーカミオカンデで有名な物理学者、戸塚洋二さんは今年の夏に大腸がんで亡くなりましたが
http://fewmonths.exblog.jp/
私はこのブログを読んでいませんが壮絶な抗癌剤治療との戦いを
物理学者らしく研究している様子を他のテレビ番組で見たことを思い出しました。
彼にはやり残した研究もあったし、ひどい副作用があっても命の時間を延ばす必要があったようです。

立花さんは戸塚さんが亡くなる一ヶ月前に彼を取材していました。

がんの末期は一体どうなるのか...
患者としては一番気になるところです。
小規模なホスピスが取材されていて、患者さん達は家で過ごして往診してもらっている方
入院して家族に見守られていた方、痩せてはおられましたが、そこには笑顔がありました。

立花さんの感想だったか沢山の人を看取ったそのドクターの言葉かを失念してしまったのですが
「死ぬまでちゃんと生きられる」という言葉にほっとさせられました。

なお、立花さんは膀胱ガンの手術をして今は落ち着いていますが
医師からは8割は再発すると言われているそうです。
でも、再発した場合、多発性の癌なので化学療法(抗癌剤治療)が標準的な治療になりますが
立花さんは
「私はやりません」と患者が集まる講演会できっぱりと言われていました。

抗癌剤治療を止めることに
私自身、家族や友人の期待を裏切るのではないか、治療の辛さに根を上げた弱虫じゃないか
というストレスにさいなまれていました。
しかし、この番組を見る事によって、科学的にも標準治療とされる化学療法の限界が見えて
そのストレスから解放されました。

ただ、どこの部位の癌か、病期、その人の体質、考え方がありますから
これは私の場合の結論です(肺腺癌IV期、癌性胸膜炎、重度の肺リンパ脈管筋腫症)。

残念ながら、癌治療はまだまだのレベルということを自覚して
病院から提示される治療法に不本意なのに続けるということは避けたいと思います。