ユリイカ - deep breathing

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SFと生物のイメージと作品

2007-01-29 11:46:18 | 考える
1月も末になり、冬のバラの大苗も発送の最終時期に入り、頼んでいたもの以外にももう少し注文しちゃおうかと、心が動くがぐっとこらえる。どの品種を買うか考えるのも楽しみだから、来年にとっておくことにした。昔はバラ苗を通販で買う事はなかったが、今ではネットで老舗のナーセリーで買えるようになった。作り方などにこだわりがあり、大株も扱っているし、やはり丈夫なようだ。来年はそういうところで頼もっと。

さてと、前置きが長くなったけれど、最近SFにちょっとはまっている。今は『プランク・ゼロ』(スティーヴン・バクスター)。特にストーリーは面白くないが、文中にでてくる、植物のような鉱物のような生物の描写が面白い。身の回りにある植物はある種の戦略を持って、種を残そうとして生長している。私たちはその各段階に単に「美しさ」や「たくましさ」を見いだすのだが、こういうSFを読んでいると、彼らがもっと動的な存在で『ジャックと豆の木』のように動き出すような錯覚がおこる。SFはガラス質の素材の描写も多くてイメージをかき立てられる。次の展覧会は本にインスパイアされた作品になる?

バラ愛好家たち

2007-01-26 21:30:09 | 考える
庭を観察してみると、春の兆しはあちこちにみつかった。モグラが持ち上げたフカフカした土の山が点々と。実家に行ったら、なんとユキヤナギの花が咲いていた。バラの芽も開こうとしているものもある。バラは完全には冬眠しなかったみたいだ。

それはそうと、クラシックローズ(オールドローズやイングリッシュローズ)とモダンローズなど昔からバラ愛好家のHPは見比べてみると違いがある。やはり昔からバラを育てている方は栽培知識やパーゴラ設営などの力量(気合い?)がすごい。クラシックローズの愛好家(流行以後の)は雰囲気重視という感じで、花の雰囲気がある程度まとまっているので、服で例えていえばこのセレクトショップで買えば、なんとなくコーディネートが様になるというか。この辺りと香りと丈夫さが人気の理由のようだ。

実家に植えてあるとにかく丈夫でよく咲く朱赤バラ(ラ・セビリアーナ)を、数年ぶりに手入れしたら相当株が老化していた。春になって良いシュートが出てくれるといいな。でも、余り庭にはまらないようにしないと。彼女たちの魔力は相当なものだもの。

春が近い!

2007-01-25 10:38:32 | 日常のこと
先日、バラの大苗を注文してあったナーセリーから通常3月に発送していた苗を今年は暖冬の為、早めに2月から送ることにした、という内容のメールが届いた。もうすぐ、芽が動き出すのだ。梅も桜も開花が早いという。春がやってくる!実際家のバラも芽が動き出しそうな気配がある。例年ならこれから一番寒い季節を迎えるのに気分がウキウキしてくる。このところ、命にはかかわらないが、家族も私も病院通いだった。気分が沈むはずのシチュエーションなのだが、春が早いというだけで、心が動いている。不思議なものだ。『グラン・ヴァカンスー廃園の天使<1>』というSFを読んでいた。感覚の描写が優れた小説だ。グラン・ヴァカンスはAI達の永遠に続く夏休みなのだが、メインキャラクターの一人が春にあこがれるというくだりがある。わかる。さて、早めの春の準備をしないと。花木に肥料やるとかね。

SFのよいところ

2007-01-17 14:56:46 | 考える
少し前から気になっていた『老ヴォールの惑星』を読んだ。4篇入っている。しばらく読んでいなかったSFというジャンルだが、読んでよかったあ。解説には「環境と主体の相克を描破した」とあるが、難しくなく読む人が感情移入できるし、最後に希望がある小説だった。どれもよかったが最後の「漂った男」に感動した。環境といっても、今世の中でいわれてる環境は自然環境をさしていることが多い。エネルギー問題や廃棄物の問題を技術やデザインでかっこよく乗り越えていこうという流れがメディアでは主流である。でも、環境ってそういう問題だけじゃなくて自分の周りにいる「人」も環境である。環境問題は現実の世界だと卑近な問題ばかりで、つい「これって一時代前の◯◯の言い換えじゃない」とか「本当に未来のことを考えている専門家はいるんだろうか」といった突っ込みを入れたくなってしまう。それに対してSFのよいところは小説という自由な立場を生かして、もっと根源的な問題をきちんとついてくれて、考えが広がるというか、多くの可能性を示してくれるところだ。大きな視点で自分もしくは自分達を見る事ができる。著者の小川一水さんは1975年生まれ。これからの作品の展開も更に楽しみ。安部公房のような袋小路に入らないでね。

バラの生き方

2007-01-14 12:04:41 | 考える
新しい年になった。私は1月生まれなので誕生日も祝ってもらい、本当に新年になった気持ちがした。さて、バラの話。今回はよりすぐりのバラを贈ってもらった。これは切り花として最高のものだった。ところで、最近特に女性に人気なのは、オールドローズという古い品種のものや、その性質を残して品種改良したイングリッシュローズといわれるものだ。これは、庭植えのバラとして人気のもの。切り花としては市場に出回るものは非常に少ない。茎が短く、花持ちが悪かったりするからだ。それでも人気なのは丈夫で香りが良いものが多いこと、ふっくらした花の姿や葉、とげすらも個性的で魅力があるからだと思う。久々に切り花として最高のバラを見て気がついたことがある。昔はバラは7分咲きぐらいでとまり、芯まで見えるのは嫌だなと感じていたが、今は最後まで力強く咲ききって欲しいと願っていることだ。逆に以前植えた庭のバラで花びらが薄くて枚数が多く、湿度の高い日本では花びら同士が貼り付いて開かないことが続き、とてもストレスを感じた。パンパンにつぼみが膨らんでいるのに開かないのって、あまりにせつない。男性がバラに要求するのはコンテストバラのような完璧さ、女性がバラに求めるのは不完全でも個性的にと願う自分自身の思いや生き方なのかな。