忘備録の泉

思いついたら吉日。O/PすることでI/Pできる。

質問する(4)

2016-08-24 10:04:53 | Library

「鍵となる質問」とは、責任を持って変わろうとするクライエントの決意のほどを試す質問である。
鍵となる質問の真髄とは、「次は何か?」ということである。
その例を以下に挙げる。
「では、現在、このこと全てについてどう思いますか?」
「では、この時点で喫煙についてどう考えていますか?」
「あなたは自分が何をなさると思いますか?」
「あなたにとっての第一歩とは、どのようなものでしょうか?」
「もし、あるとすれば何をなさる計画ですか?」
「何を目的とされておられますか?」
これらの質問に対する通常の答えはどれも、決意の言葉となることに注目したい。
クライエントによって表現される決意の確かさは、変わる可能性を予測させる。
決意が曖昧であれば、その面接、または次の面接において、さらにDARN(願望、能力、理由、必要)を検討する必要があるだろう。
調査研究によれば、人々が行動を変える可能性は、自分の意図を、何を、いつ、どのように、といった具体的な言葉で表現する時に、はるかに高くなることが明らかにされている。
しかしクライエントに準備ができていないことについて、無理矢理決意させようとしないほうが良い。
その人が今、何に対して準備ができていて、意欲的で、実行する能力を持つかということが大切である。

質問する(3)

2016-08-23 08:39:44 | Library

利益と不利益という話題について話し合う時には、変わることに対して確信がないと思われるクライエントに特に有益な、一連の鍵となる誘導(案内)形式の質問を用いて尋ねることができる。
それは、両価性を探求するための良い機会である。
それはまた、自分の内的動機を自由に表現できる受容的な雰囲気のなかで、クライエントが自分の不確かな気持ちにきちんと向き合う時間でもある。
これは正しくMIの核心であると言える。

まずクライエントに現状の良い部分について尋ねる。
これを尋ねると、現状維持の良くない部分について尋ねるための弾みがつく。
喫煙に関しての最初の質問は「あなたが喫煙の何が気に入っているのでしょうか?」かもしれない。
この質問が、非難や皮肉を少しも含まないことに留意したい。
声の調子が「喫煙に好ましい部分などあり得ない」ということをほのめかしていたら、防衛を引き出してしまうだろう。
その質問は、喫煙を続けた場合に利益となるであろうと思われることに対する、誠実な関心と好奇心をもってなされる。
行動の好ましい側面に対するクライエントの認識を引き出したら、さらに第2の質問を続けよう。
たとえば「では、あなたにとって不利な面とは何でしょうか?喫煙のあまり好ましくないところは何でしょうか?」
この会話を終了するための有益な方法は、できる限りクライエントの言葉を用い、その行動の利益と不利益についての彼らの説明に対するあなたの理解を端的に要約することである。
「ここまでの話し合いについてどのように思われますか?」などのような鍵となる質問は、しばしばクライエントに、もう一歩前進し、人生の変化の主人公であるように、促す。

質問する(2)

2016-08-22 08:36:55 | Library

2、定規(尺度)の使用
1~10までの定規、あるいは評価尺度が役に立つことがある。
クライエントが感じる痛みの程度について、主観的尺度を尋ねる場合など、ヘルスケアではすでに用いられている。
MIの尺度には2つの目的がある。
それは、クライエントの動機について教えてくれるばかりでなく、チェインジトークも引き出す。
1~10までの尺度は、準備状態、願望、ないし決意など、様々な動機の側面について尋ねるのに用いることができる。
ほとんどのクライエントは、この質問を、言葉によるやりとりだけで理解することもできるが、1枚の紙に線を引き、両端に1と10と書いて、その線を見ながらクライエントに質問することが有用な場合もある。
第2の段階は、その特定の数字を選んだ理由を、クライエントに尋ねることである。
たとえば5であるとしたら、それ以下の数字でないのはなぜかを尋ねる。
この質問に対する答えはチェインジトークである。

3、重要性と自信の評価
最も実りある質問は、クライエントにとっての変わることの重要性と、その変化に成功する自信についての、単純な2つの質問である。
ここでは尺度が非常に役立つであろう。
これらの質問を、理解を深めてチェインジトークを引き出す基礎として用い、変化を最も必要とする領域に、効果的にエネルギーを集中させることが目標となる。
あなたとクライエントの関係が良好で、あなたが真心からの関心をもって質問するのであれば、話し合いのなかでクライエント自身の動機がたやすく生じてくるだろう。
重要性と自信という側面からクライエントを評価することは、面接の貴重な時間をクライエントの要求に最大限一致した形で使うことを可能とする。

質問する(1)

2016-08-21 08:47:19 | Library
閉じられた質問
閉じられた質問は、具体的な情報を集めるための効率的な方法である。
閉じられた質問に対して期待される答えは、簡単なものである。
どちらにお住まいですか?
どこが痛みますか?
お酒を飲む時は、通常どのくらい飲みますか?

開かれた質問
開かれた質問は、返答の余地をより多く与える。
閉じられた質問は、質問者が重要と考える具体的な情報について尋ねるが、開かれた質問は、返答者が自分にとって重要な事柄を述べるよう勧めている。
開かれた質問を用いることは、クライエントの経験や認識を、あなたが理解するのに役に立つ。
あなたの今の生活について話してください。
どのようにして痛みが始まったのか、最初のころから今までのことを話してください。
お酒を飲んでいるときの典型的な1日について話してください。
開かれた質問とは、招待である。
「…をお聞きしてもよろしいでしょうか?」という質問は、クライエントの要求を満たすように設計された援助の、敬意に満ちた特質をよく表している。

MIの誘導形式のなかで、質問はどのように用いられているか。
1、DARN
単純な指針の一つは、チェインジトークで答えが返ってくる可能性のある、開かれた質問をするということである。
D(願望):「何を望み、何を好み、何を願い、何を期待するのか?」
A(能力):「何が可能か?何ができるか、何をなしうるか?何をする能力があるか?」
R(理由):「なぜこれを変えようとするのか?具体的な利益とは何か?どのような危険を減らしたいのか?」
N(必要):「この変化はどのくらい重要か?どの程度それをする必要があるのか?」
以下は、変化に関する同様の質問である。
「そのように変わりたいのはなぜですか?」(願望)
「そのように変わるとしたら、どのように行いますか?」(能力)
「そのように変わることによって得られる、最も重要な利益とは何だと思いますか?」(理由)
「そのように変わることは、あなたにとって、どのくらい重要なことですか?」(必要)
「あなたはどのようなことをするつもりですか?」(決意)
「健康であるために、今までにやってみたことは何ですか?」(行動に移す)

チェインジトークの組み合わせ

2016-08-20 08:29:34 | Library

6つの形のチェインジトークは、どのように組み合わせるのだろうか?
その過程は、決意の前段階から始まっている。
人は、はじめに自分がどうしたいか(願望)、なぜ変わりたいのか(理由)、どのようにできるか(能力)、それがどれほど重要なのか(必要)ということについて話をする。
変わることに対するクライエント自身の願望、能力、理由、および必要を呼び覚ます時、あなたはその人の変化のエンジンを刺激していることになる。
それらの動機が言葉にされるにつれ、決意が次第に強化され、その人が変化に向けた最初の一歩を踏み出す可能性が高くなる。

変わろうとする議論をすべきなのはクライエントであり、あなたの仕事はチェインジトークを集めることである。