忘備録の泉

思いついたら吉日。O/PすることでI/Pできる。

誘導(案内)形式による集団療法のための指針

2016-08-27 09:03:29 | Library
原則
協働、喚起、自律性の尊重という基本的原則に加えて、集団に適用する場合の具体的な可能性について考慮する。

陥りやすい落とし穴を避ける
集団的状況に取り組む場合、複数の個人的相談にのってはならない。
あなたがた専門家が質問し相手が答えるという状況を避ける。

黄金律(忘れてはならないこと)
目標を覚えておく
全員をまとめて一つの話題に集中させ、相互に援助できるようにする。
個人の物語を主題や他者の経験に結びつける。参加者の物語の本質を引き出して、それを幅広く用いる。熟練した司会者は参加者の話に割り込んで中断し、違う視点から物語を再構成することもあるだろう。
発言の少ない人を励まし、声の大きい人や長々と話す人を控え目に押しとどめる。例えば、発言の少ない人には集団療法中の討論を部分的に要約するよう求め、その人自身にとってその要約がどのくらい適切かを尋ねることもできる。話好きの人には、自分の主張を要約してもらい、グループ全員に対して質問の時間をとる。
否定的な相互作用を最小限にする。参加者は、過剰な助言をしたり、明らかな否認や変化を避ける言い訳に直面させようとしたりする可能性がある。否定的な相互作用を拡大させない。共感的・支持的であり続けながらも、集団療法の過程が否定的な方向に向かっている時には即座に行動をとり、コントロールを取り戻す。「私にとって効果的だったこと」を、他者への助言という形式で発表するよう参加者に求める。
集団療法の焦点を、変わろうとする動機の強化、希望の促進、および変化がもたらす苦悩の低減に当て続ける。その集団療法を、探求的心理療法、あるいは不平不満の言い合いにしないようにする。

主題と戦略
過去の成功
参加者が達成した事柄に焦点を当てることは、自信を回復させ、現在の変化に関連した創造性を刺激するのに役立つ。
両価性
変化についての参加者の両価的な気持ちに焦点を当てることは、心理的防衛を軽減しつつ、変化の開始を退歩の予防に備えるための役に立つ。
価値観
現在の行動が、どのように自分の中核的価値観に適合しているか検討するよう勧めると、変化への動機を強化し、現状維持に傾きやすい場面でも確固とした内的方向性を見出すのに有益である。
未来をみつめる
より良い未来を思い描くように援助するほうが、過去の失敗をイヤイヤながら認めて分析するより、変化への苦闘に対して良い影響を与えることができる。
長所や能力を探す
自分の長所や能力に気がつくと自己評価が高くなり、現状を変えるのに有益な内的資源を見出すことができる。成熟した人々の集団であれば、指導者は互いの長所をわかちあうよう促すこともできる。それは非常に強力な支持的経験となるであろう。
変化の計画
一人でも、夫婦でも、大集団であっても、変化を計画するための話し合いやワークシートの記入は、曖昧な動機を具体的な計画に変換し、変化を開始して維持し続けるために有用である。大きいが不明瞭な計画を立てるより責任をもって実現できる小さな変化について話すように励ます。次回の面接で、その小さな変化が実現したかどうか尋ねる。
重要性と自信の探求
変化の計画の関係を検討するために重要性と自信の尺度を用いるのは、その人自身の認知と感情が変化への取り組みを促進もすれば阻害要因にもなるということを理解するために有益である。