山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

これが最後の山菜御膳?

2021年06月20日 | 山菜料理

 なかなか楽しい山遊びだった。

 いい空気に浸ることができたこと、そして、多彩な山菜を戴くことができたこと。これは、いつも通りの喜びだ。加えて、人に出会えたことは嬉しいハプニング。あの豊かな空間で過ごす喜びを共有する仲間がいる。そのことが分かっただけでも、ちょっと心が浮き立つ。

       今回の収穫物は『雑多』です

 量は多くないのだが、このように多様な山菜を連れ帰ることが出来るのは、採り場が豊かな証拠。そして、季節の巡りが丁度よかったことを示している。

 振り返ってみると、春の訪れとともに、N川、T川、S川と渡り歩いて、今回のH川が終着駅。これまで、その場所その場所で、その時その時の山菜を楽しんできた。山菜採りは、まだまだ続くんだけど、残念なことに、真夏が近づくにつれて、採れる山菜の種類が限定されてくる。こんな風に何種類もの山菜を摘まみ食いのようにして持ち帰る山菜採りは、今回が最後かもしれない(まだわかんないけど)。この『最後』を噛みしめつつ、山菜料理を進めましょう。

 

   アオミズ料理

 ・茎から葉と皮を外してサッと洗います

 ※アカミズのように根元に汚れがこびり付くことはないので「軽く」でOK

 ・4分ほど茹でると

       アカミズよりも透明感のあるエメラルドグリーン

 ・茎の先端に付いていた葉は、衣を着せてサッと揚げます

 ※今回の衣の割合  卵黄+マヨ:冷水:片栗粉:薄力粉 = 1:3:1:4

 ・全体にサッと絡ませて、サッと揚げます

 ※「サッと」がキーワード

       旨いっス 

 食べてみると、アカミズとの違いが分かりません。多分、そのうち比較するかもしれないけど、旨いんだからいいじゃないの。本日もバクバク戴きました。

 ええと、色々作ったんですけど、長くなりそうなので、アッサリ行ってみます。

       フキは茹でて皮を剥く(惚れ惚れ)

       オリーブの呼吸(残りは未定)

       シオデはおひたし(山のアスパラ)

       焼きタケノコ(このぐらい焦げてもOK)

       本日も山菜御膳(全種類食卓にあげるのは無理)

 こんな風に、色々な山菜が食卓に上る季節も、もうすぐお終いになるんじゃないかな。そう考えると、一つ一つの料理に感謝を込めて、じっくり味わわねばという思いが強くなります。

 ひたすら感謝して、いただきます。


イベント中止!だったら

2021年06月19日 | 山菜採り

 ボランティアを予定していたイベントが中止。「コロナ感染予防についての対応が難しい」という判断によるものらしい。

 まあ、仕方がないわ。全国各地から選手達が集う大会な上に、その親戚縁者が、この時期に旬を迎える『サクランボ』が食べたくて一緒に集まってくるのだ。万全な安全体制なんて整えられるわけがないと思う。妥当な判断です。

 お陰様で、すっかり空いてしまった一日。どう過ごすかと言ったら、それはもう決まり。山でしょう(海は禁止ですし)。

 前回、サンカヨウを中心としたお花見の結果、H川の山菜が最盛期を迎えつつあることが分かっていたので、これは千載一遇のチャンスと捉えましょう。向かいの住人に連絡を入れて同行を決定する。諸般の事情により、午前3時半集合出発。到着は、日の出時刻を少々過ぎてしまうだろうが、まあ大した問題にはならないだろう。

 さて、当日、予定していた車止めに着くと、先行者がいて身支度を調えつつある。へええ、ここでも同業者に会えたか。山で遊ぶ者にとっては嬉しい事態だけど、同じ場所で同じ獲物を狙うライバルになってしまっては困る。声を掛けて聞いてみると、奥地を目指すらしい。しかも釣りがメインだって。

 こちらの目的を伝えると、相手も安心できたようだ。お互いの収穫と安全とを祈り、それぞれのペースで山に潜り込む。

 さて、我々の第一目的地、

   ワラビ畑です(カメラ忘れた。スマホで撮影)

   藪ワラビを採る

   極上シオデです(なんだかピンぼけ)

   アオミズがようやく採り頃

   タケノコはちょっとだけ

 急遽だったんだけど、M氏を招待してよかった。写真にはない、その他の山菜も含めて、いい収穫になりました。なんと言っても、この山は、空気が気持ちいいんだよなあ。だからだろうか、帰り道、これから釣りに向かうのだろう2人連れとすれ違った。また人に会ってしまった。

 熊やカモシカに2回出逢ったら驚く。だけど、こんな山中で、人に2回も会うなんて、それ以上にビックリである。

 ま、お互い安全に。そして、山の神様からのお裾分けを気持ちよく戴けますように。

 二人して、山の神様にお礼を伝えて車に戻る。


わたし しってるの(さんぽうた84)

2021年06月18日 | いきもの

  わたし しってるの  ちぇりい くらんぼ

どう?
きゅうと でしょ
こんなにかわいい ふるうつ
いないわよね

ちょっと
あじわってみて
こんなにおいしい ふるうつ
ないわよね

そう
あまくて さわやかな
さいこうの ふるうつ でしょ!

でもね
わたし しってるの

ちいさかったころ
こごえないように 
ひとばんじゅう ひをたいてくれてたことを

きらいなあめに
ぬれないように
おおきなかさをさしてくれたことを

わるものから
さらわれないように
まもってくれていたことを

わたし ちゃんとそだつからね
みんなに よろこんでもらうからね

いままで ありがとう




       「花が咲いたな」と気付いたのが4月の中旬


       「実が育ち始めたぞ」と思ったのが5月の中旬
 そして、6月に入ると、


       シートがかかり、緑の中に赤い点々が見える

       サクランボが実っています。

 マタギがこんなに接近できるのって、ホントは良くないはずなんです。だって、ちょっと摘まんで口に入れたくなるもの。
 多分、人だけじゃなくて鳥も獣もこの時が来るのを待ちわびていたと思うんだよなあ。
 でも、よく見ると、(雨よけのために)天上にシートをかけただけではなく、周りに網を巻いて、誰も侵入できないようにしている所も増えてきたみたいです。網の内側では、



       すっかり食べ頃になっていて、収穫を待つばかりという感じ

 サクランボは、梅雨の頃に実るんだけど、その頃に雨に当たると実が割れてしまうし、悪者からも狙われるので、収穫が近づくとサクランボ農家の皆さんは『チェリー』ちゃんを守るために色々な工夫をしているようです。
 それだけでなく、開花から結実初期の頃にかけて遅霜にやられないように、夜通し火をたいています。多分、放射冷却が進まないように空気を人工的に撹拌しているんだと思います。

 こんなに手間暇をかけて育てられたサクランボがまずいわけがない。皆さん、どうぞ山形のサクランボを味わってみて下さいね。・・・と、いち山形県民からのお願いでした。


春山菜と夏山菜

2021年06月17日 | 山菜料理

 H川の探訪は、山菜採りと言うよりも『お花見』が主目的でした。

       第一目的のサンカヨウ

       逢えると嬉しいニリンソウ

 久々に訪れたブナ林は美しく清々しかったのだけれど、欲タガリがそのまま手ぶらで帰るわけがない。やっぱり、なにがしかの収穫はあるんですよね。

 まずは、久々に持ち帰ったフキノトウ。春の山菜ですが、奥山にはまだ出てるんですね。

       春の香りがします

ついでに言うと、ニリンソウもれっきとした山菜なんですが、マタギは採りません。愛でます。

フキノトウは、例によって、葉と茎に分けて炒め煮にしました。

どちらも、山菜100gに対して、酒醤油みりん各大さじ1の割合で炒め煮にします。違いはと言うと、

       仕上げに炒りゴマ和え

       こちらは鰹節和え

 これだけで、ガラリと違った味わいになります。それぞれ、美味しく出来上がりました。

 それにしても、ここまできて、春の山菜を楽しめるってのが嬉しいです。山だらけの山形だから、こんな風に楽しめるんですよね。この料理の初回が4月上旬でした。今6月中旬ですからありがたい(採り場の海抜が、0mから700mまで上がってきました)。

 さて、この日記は『記録』も兼ねてますから、今回の収穫物を一通り並べておきます。以下は夏山菜。

       タケノコは1㎏強ありました(茹でて待機)

 

       アカミズは茹でておひたし 

 そして、

       ミズの葉の天ぷら 

 これがたまらなく美味しいのですよ。葉っぱの「パリッ」と茎の「トロッ」を楽しみます。したがって、揚げ時間は、短時間です。

 ※葉っぱが薄いので、すぐに浮いてきます。すぐに裏返して間もなく完成。秒単位で仕上がるはずです。

      本日の晩餐です 

 使ってる山菜は、ミズとタケノコ(前回収穫分)だけなんだけど、十分満足できました。

 

 H川の山の神様、もう少しだけお世話になると思います。どうぞよろしく。

 


今年も間に合った

2021年06月16日 | 日記

 先週の山業で今年のS川訪問は終了。次に向かうのはH川となる。

 ただ、このH川の山菜採り場、S川よりも300~400m標高が高いので、季節の進み具合が2週間ぐらい遅れるのが常である。だから、今週はのんびりしていてもいいはずなんだけど、どうしても出逢いたいもの、時を逸したくないものがあって出掛けることにした。

 日の出の時刻が4時10分台となったこの時期。ここから逆算すると、午前3時出発となる。

 予定通りに車止めに着き、行動開始。この山中にも、以前からの山菜採りだかイワナ釣りだかが残した踏み跡があるのだが、一時期の源流釣りブームが下火になると、道も荒れてきた印象。

 予想していたよりも季節の進みは早いようで、残雪は殆どなく、頭上の山菜であるコシアブラも開き加減だった。

 3本の沢を渡るとH川の流域となる。目標の広場には、ランドマークと言うか、ご神木とでも言えるような巨木がそそり立っているので、そこをめざして谷を降りればよい。

 

       ブナ林の先に巨木が待つ

 巨木の周りは広場になっていて、色々な山菜が採れるんですが逢いたいのはそれらではないんです。広場に入って暫く歩くと、「!」  白い点々。

「あれかな?」近づいて見ると、

       咲いていました

サンカヨウです。

       朝露に濡れたガラス細工の花

 辺りを見渡すと、この辺だけにしか咲いていません。よく見るとここだって、

       多くの花が花びらを落としていました

 ああ、最後の花だったんだ。

 一昨年は間に合いませんでした。去年は、雨の中を強行して訪れ、出逢うことが出来ました。今年はどうなるかと心配していたのですが、かろうじて間に合ったようです。よかったあ。これで目的達成だぜ!

 残りの時間は、山菜採りを楽しみましょう!!

       ちょっとした竹林でも侮るなかれ

 親木から『わき芽』が出ていたら、タケノコが出ている証拠です。

 

       やっぱり出てました

 あれ?

       フキノトウだ

 フキノトウも食べ頃じゃないですか。さすがは奥山。こちらも少々戴いて帰りましょう。

 サンカヨウに山菜。ダブルの満足で思い残すことはありません。山の神様にお礼を伝えて帰ることにしましょう。

       ブナの森に朝日が差し込む

 帰り道、不思議なことに気付いた。日が差す前の往路で聞こえてきたのは、アカショウビンの「キュルルルル・・・」という囀りと、キツツキのドラミングの音ばかりだった。ところが、森の中に日が差し始めた復路を歩くと、エゾハルゼミの合唱が勢いづいてくるのが分かる。この辺の住み分けの理由も、考えてみると面白そうですね。

「もっと楽しんでいっていいんだぞ。」

どこからか声が聞こえてくる。

「ありがとう。でも、今日はここまでにしておきます。」

無理はできないからね。

 セミの合唱と新緑の空気の心地よさに後ろ髪を引かれながら森をあとにする。