山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

欲タガリは満足。でもちょっと・・・

2021年06月23日 | 山菜採り

 「明日どうするの?」

妻から聞かれた。

「まだ、未定。」

そう言えば、明日は夜勤日だから、午前中を自由に使えるのだ。ドクターから禁止されていることを除けば、かなりのことが出来るはず。

 ポクポクポクポク チ~ン

  H川の続き

 あれだけH川からの収穫物を堪能し、その余韻に浸っている身なのに、まだ満点ではないんですね。一つだけ未練が残っているものがあります。それは、『コシアブラ』です。残念ながら、もうすっかり開いてしまい、旬を逃してしまったんです。これは、完全に予想外の出来事でした。

 でもね、転んでもただでは起きないのが『欲タガリ』のマタギです。山菜っていうのは、その成育の仕方にいくつかの条件があるから、その辺を整理して考えていくと災いが福に転じるんです。どういうことかと言うと。

 山菜採りの呼吸

  一の型:気温・降水・日照の蓄積

  二の型:海抜高度

  三の型:発生地の方位

  四の型:斜面中の位置(上下)

  五の型:雪の消え具合

  六の型:土質及び他の植物との共生状況

山菜を思い通りに採るためには、大小取り混ぜて、ざっとこのぐらいの留意点はあると思うんだな。この辺を考えれば、かなり細かいレベルまで発芽や成育の予想を立てたり修正したりすることが出来ます。ただし、このところ、今まで通りには行かなくなってしまうことが増えてきたんです。その要因が、

  七の型:我々山遊び人のマナーの低下

  八の型:人口減少と生活スタイル変化による発生地の荒廃

  九の型:外来種の進入

  十の型:温暖化の進行

 この4つが、最近目だってきた要素で、長期的に留意していく必要のある課題でもあります。ある意味で、全て人災です。自然と共生してきた暮らしが崩れつつある。中でも、現在、自然の秩序を乱す一番の要因になりつつあるのが、『十の型』でしょうね。この変化は、生態系そのものを根こそぎひっくり返して、人の生活をも脅かし始めている。みんなで真剣に考えなければならない。

 さて、今回のH川では、コシアブラだけが例年よりもずっと早く『旬』を過ぎてしまっていた。結果だけ言うと、「地面の山菜よりも頭上の山菜がずっと先に育ってしまった。」ということ。

 原因については、なんとなく『十の型』が関係していそうな気がするんだけど、もう少し様子を見ながら考えてみたいと思います。

 さて、そんな状況を踏まえて今回試みるのは、対処療法。採れなかった「コシアブラ」をどうすれば採れるか。

 ようやく「ポクポクポクポク・・・」の答えです。結論は、

 採り場の海抜高度を上げればいい(主に一・二の型)

 そういうことで、H川よりも更に100mほど海抜の高い(=春が遅い)O川に出掛けました。

 夜明けとともに藪に分け入る。さすがに雪が消えて間もない気配。周辺を見回すと、

       おおっ、食べ頃じゃないの!

       こっちも束になって生えてますね

       これだよ!これ!!

       森の外側では、タニウツギが花盛り

 十分にいただいたので、O川の神様にお礼を伝えて家に向かう。帰宅したのは、何と午前6時!これぞ正真正銘、『THE、朝仕事』になりました。

       しかも、読み通りに食べ頃ですよ

       今回は、我が家で人気の『ナムル』にしました

       (ミズの天ぷらがまだ冷   庫に残ってるんで、今回は天ぷら回避)

 海抜700m台で採れなかったから800m台へ。この考え方で間違いはなかったし、『欲タガリ』としては、満足のいく朝仕事になりました。

 でも、ちょっと引っ掛かりますね。こんなに早い時期に、こんなに高い場所で収穫できてしまったことに一抹の不安を覚えます。

 この課題については、もう少し時間をかけて、自然の様子を見ながら考えていきましょう。