あかるいほうへ

       おばあさん魔女への道

山崎富枝さん

2018-12-10 | 読書

目をショボショボさせながら、やっと読み終えた。

恋の蛍

図書館の返却期限明日だった!ギリギリ

 

太宰治と関わった数々の女性の中でも、

一番興味があったのが山崎富栄さんでした。

太宰と心中した女性です。

先日の太宰散歩で、

富枝さんは井伏鱒二さんや亀井勝一郎さんなどから

酷い女だと言われていたが、とても優秀で品格のある優しくて美しい女性だった。

美容師として働いていたけれど、とても腕のある女性で

父親が美容学校を経営していて、後継にとしっかりと仕込まれた女性だった。

もし、心中しなければ、

美智子妃ご成婚の十二単衣の御用をつとめた可能性は大いにあるそうだ。

父親晴弘の生徒が、大役を果たしたそうだから。

その時の晴弘のアドバイスが、

「ただお着せするのではないぞ。すべての動作を優雅に、さらに相手への敬意を込めて、品格あるお姿に着付けること。」

娘が心中してから、多くの非難の中

苦しく生きていく中で

数少ない嬉しかった出来事だろう。

とても立派な父親で、富枝は父親の意思を継ぐために頑張っていた。

太宰と会わなきゃね。

でも、女性としては愛する男性に尽くして幸せだったと思いたい。

心中を決めたのは一年ほど前で、働き者だった富枝は

太宰の肺病が重くなり、そのために仕事を辞め、世話をやいた。

喀血したものの始末や、太宰の体調を心配し

出版社や作家達との間に入って太宰を守ろうとした。

貯めたお金も、もう死ぬのだからと

彼らとの付き合いにお酒やつまみ

それから他の愛人への生活費も代わりに送ったりして使った。

心中は太宰から持ちかけられたものなのに、富枝が悪く言われた。

才能ある太宰の心中を、富枝のせいにしたくなる気持ちも分からなくはない。

井伏鱒二や亀井勝一郎は、富枝を悪く言ったし書いてもいる。

2人は繋がって心中したけれど、見つけられた時

富枝だけは、雨ざらしに放って置かれた。

父親は、自分のコートをかけ、傘をさしてあげた。

 

あとがきにあるが、本当の主人公は父親の晴弘ではないかと。

富枝自身の努力もあったが、人格者の父は理想どうりの娘に育て上げた。

どんなに悔しかったことが。

しかし、奥様や家族の心情を思い、その気持ちは心の中にとどめた。

 

太宰は、心中しなくても、そう長くは生きなかったと思う。

残された奥さまへの手紙の最後に

 

美知様

お前を誰よりも愛していました

 

奥様は、この手紙があったから生きられたそうです。

 

他の女性と心中したくせにね。

 

今度は、太田治子さんの本が待ってます。

愛人から生まれたお嬢さんで、今でもカルチャースクールでエッセイの指導をしています。

若い頃読んだことがある本はどっちだったかな?

 

 

私も若い頃、死んでしまいたかったな。

親のことを思うと、そんなことできなかったその程度だったけどね。

厭世観というか、このまま生きててもいいことなさそう。なんてね。

 

でも、今は死にたくないよ!

元気で長生きしたいので、たくさん歩いたり

まあまあ食事に気をつけて、お酒も控えてます。

 

太宰絡みの本をいくつか読んで

春から再開する三鷹の太宰治文学散歩に臨むのだよ♪

 

 


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