サラリーマン生活を辞めたのは8年前である。その後やりたいことをやる(生活のための仕事はあるが)生活になったのは良いが、毎日が日曜日ではなく、毎日が月曜日のような感じになりつつある。
身体も、だんだん下降気味であり、いつの間にか身体に疲れがたまりがちである。この一カ月そんな感じであったが、昨日風邪で寝込んでしまった(熱はなかったので大したことはないようだが)。病気もちょっとした休養で、時間に余裕があるときは有難いものだ。
さて、師走となり、忘年会の本格シーズンだ。その中で、8年前には考えられなかったメンバーの忘年会が一つある。それは、地元のボランティア仲間の忘年会。
8年前会社を辞めて、生き甲斐の心理学を応用する仕事を始めようと福祉・介護の世界の門をたたいたことがある。その時、まずは勉強と資格でもと、某福祉専門学校の試験を受けた。その時の作文の課題がボランティアだった。
まったく、ボランティアの経験がなかったので作文もうまく書けなかったことがショックだった。試験で落ちたあと、公的機関で勉強することになったが、ボランティアについては、それからときどき考えたりした(仕事として福祉・介護を始めたが)。
ボランティアとは何か?特に日本では、災害のボランティアを契機に変わりつつあるものの、かつては世界的に見て、異常なほど活動が少なかった。
その理由は、何か良く分からなかったが、日本文化の特徴と心理学者エリクソンの人格形成理論から考えてみると、すっきりする。
35歳から60歳は世話、生殖性、停滞感の時代といわれる。当然ながら世話がキーワードだ。しかし、日本は甘えの構造(土居健郎著)で、会社等で無償の世話(ボランティア?)が行われていることが大きく、それが欧米型のボランティアを阻害していた。
しかし、欧米型のマルチナショナルな企業文化(終身雇用ではなく)の影響を受け始めたり、少子化等の社会の変化の中で、世話の対象が少しずつ変わってきているように感じる。身近な自分が所属する世界以外に飛び込む人が増え始めてきているのではと思う(東日本大震災の被災地ボランティアなど)。
ついでながら、欧米のマルチナショナルな企業文化を語る人は多いが、欧米のNGOやNPOについて知る人は少ない(ベルリンの壁崩壊後のNGOやNPOは?私も良く知らないが)。最近読んだ本に感動したものがある「職業は武装解除」(瀬谷ルミ子著 朝日新聞社出版)。
中年の停滞感で悩む時に、きっとこの本は何かやくにたつと思う(何も武装解除の仕事が良いとは言わないが)。
中年の危機と世話 5/10