ひろ主任のひとり言2

宝物の愛犬ラッキーとの穏やかな毎日。

ブログもマイペースでのんびりと。
どうか見てやってください^^

「身の上話」/佐藤正午

2011-11-25 07:21:13 | 
昨日久しぶりに小説を読破。
兼ねてから狙っていたある長編小説を
とうとう購入。
各賞こそ取らなかったものの、読書界から絶賛を浴びており、
読書家であった故児玉清さんもお薦めしていた本。

ハードカバーだとなかなか手が出なかったんだけど、
先日コーチャンフォーで文庫本新刊コーナーにて発見。
めでたく昨日ゲットして熟読したというもの。
456ページにも及ぶ長編ながら、読み始め午後1時で
途中睡魔にも襲われたけど一気に午後6時には完読。
最終章の衝撃が未だ余韻として残っている状態であり、
これからの季節、もしじっくりと本を読む時間があれば
ぜひお薦めしたい一冊となったのがこちら。



「身の上話」 佐藤正午

物語は、主人公の書店勤務平凡なOL古川ミチル23歳について、
やがて結婚して夫となる「私」が告白調で語って行くもの。
最初は何気ないOLの打算的な日常が淡々と綴られているのだが、
ある出来事をきっかけに、物語がジェットコースターの様に
動いていく。それが、書店仲間のおつかいとして頼まれたものの、
そのまま失踪したので忘れていた宝くじ。これがなんと...

等2億円の当たりくじ当選!

ここからの構成が素晴らしい。もう次を読まないと止まらない状態。
そして怖い。人間のエゴ、お金に対する悪意、そして信頼など
あらゆる面で本性を見せてくる。
同時に主人公ミチルの、ごく平凡である女性の内面に秘める
強い意志など、ちょっとミステリーとはかけはなれた怖さが
じわじわと読者を襲う。
語り手である「私」がなかなか登場しないのだが、
ある場面をきっかけに物語の中心に躍り出て来る仕掛けがまた上手い。
これはかつてのアガサ.クリスティの名作「アクロイド殺人事件」を彷彿させる
というか、語り手がある意味鍵を握るのも面白い。

最後はまさかの結末。身の上話という題名が、
ここで一気に納得のこととなる。
ミステリーなのでこれ以上は控えるけど、
佐藤正午さんの最高傑作と呼ばれている作品です。

そして、現実に高額当選者だけに贈られる
「その日から読む本」というのもあるらしい。
この小説で初めて知りました。
これもある意味怖い現実。
物語のところどころにその一節が登場。
年末ジャンボ宝くじ発売の今、これを読むと
少し気持ちが変わるかもしれません。

身の上話、お薦めです。
お近くの書店で、ぜひ手に取ってみてください

人気ブログランキングへ 
ランキングに参加してます。ポチッとして頂けると嬉しいです。
人気ブログランキングへ

にほんブログ村 地域生活(都道府県)ブログ 北海道情報へにほんブログ村
こちらもよろしく