チコの花咲く丘―ノベルの小屋―

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ADHDとともに「君の星座」第14章 鋼鉄の意志を その33

2014-07-19 19:29:24 | ADHDとともに「君の星座」
 アルバイト探し。方針が固まって動き出してからは、ハローワークのツジムラさんともうまくかみ合うようになって。応募するものの、採用には・・・。四月が目の前になって、焦りが増していく。
 今日は、発達障害者支援センター。先月と同じく、お母さん同伴。私が頼んだんじゃない。お母さんが勝手に。まあ、お母さん自身の不安のためだ。
「こんにちは、お世話になります。」
もう、慣れっこな感じのイワキさん。すみません、連絡もしないで。いえいえ・・・
 まずは、私からメモを差し出す。
「現在の、就職活動の状況です。」
公立学校図書室が不合格だった、ほか、二件が書類審査待ち。そして、面接に行ったゲームの検査の仕事。これが現在結果待ち。
「うんうん・・・これ、預かっていいかな?」
「はい。」
 やっぱりというか、今日はお母さんのカウンセリングみたいになり。一生懸命答えているイワキさん。
「うん、就職ってのはね。必ずしも能力だけで採用しているわけでもないんですよ。例えば、職場の人員構成的に男性のほうがよかったとかね。」
私はもう、何回も聞いてきた話だけど、なるほどって顔のお母さん。
「うちのセンターもそうなんですよ。男性でないと対応できない利用者さんもいますからね。男性スタッフがほしいんですけど、男性の募集が本当にないんです。」
そうなんだ。
 世間一般の仕事の話から、私個人について。
「小さい時から育てにくい子だとは思っていましたが、本当にもう、親としましては・・・まさかこの子に障害があるだなんて。それで仕事がうまく行かないなんて思いもしませんでして。」
「いえ。すんだことは仕方がないですから。ハルカさんみたいなタイプは、当たりだせばどんどん上昇していかれるんだと思うんですけどね。」
「でも私、ずっと下向きの負のスパイラルばっかりですよ。」

歩み出したけれど、これを上に向けるには、どんな道を進めばいいのだろう?

「ひょっとしたら、ハルカのためと思いながら、親の私がしたい仕事を押し付けてきただけなのかしら・・・」
お母さんがこんなこと言うの初めてだ。
「あ、そうだ、イワキさん。母の前で言いにくいんですけどね、二月の面接会の前の日に母が、障害者手帳なんか取らさなくても、一緒に老人ホームに入れたらいいって。」
「アハハハハ!」
「え?あら、そんなこと言ったかしら?ウフフフフ。」
 ありがとうございました・・・面談の最後、またお母さんがイワキさんに質問をぶつけた。
「あの、時間としてはこれで標準なのでしょうか?」
「はい。発達障害の場合、診断、自己分析、障害者手帳、ジョブマッチング、の順で時間がかかっていくんです。大体皆さん、ここを利用して就職まで一年ぐらいかかられます。ここの利用者さんで、障害者手帳を取って就職していかれた皆さん、一件も苦情は来ていません。本当にうまく行かれていますよ。」
 

 


2 コメント

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こんばんは (ytakei4)
2014-07-19 20:35:43
アルバイトでも見つかりますように。
こんばんは (チコ)
2014-07-21 12:45:52
>ytakei4さん

ありがとうございます。
そうですね。ハルカ、決まってほしいですね。アルバイトでも採用されたら、大きな自信になりますね。

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