「意識して片脚立ちを!」 東京大大学院教授 武藤 芳照 (毎日新聞より)
「転倒予防に一番効く運動は何ですか?」とよく尋ねられます。答えは簡単です。「片脚立ちを意識すること」なのです。
振り返ってみてください。朝起きてから夜寝るまでの日常生活の間、片脚立ちの動作をたくさんしています。例えば、朝パジャマのズボンからはき替える時、両足同時にする人はいません。靴をはく時も、脱ぐ時も、必ず片脚立ちになります。お風呂に入る時、裸足で滑りやすい床面に片脚立ちになり、浴槽の高さを目で推し量り片脚を上げてゆっくり入ります。「エイヤッ!」と両足同時にジャンプして浴槽に入る人はいません。
階段の上り下りも、一つ一つの動作は、片脚でしっかりと体重を支え、持ち上げ下ろす動作です。下りの階段の最後の一段で、高齢者が転倒しやすいのは、動作が加速されて斜めの動きから水平の動きに変わる瞬間で、体をしっかり支える片脚立ちの能力が要求される場面だからです。
「ステテコ症候群」という言葉があります。男性高齢者が、一人でステテコをはいたり脱いだりすることが出来るうちは大丈夫。もし、それがうまく出来なくなったら要注意という意味です。今はステテコをはく人は、多くないかも知れませんが、パジャマのズボンでも女性のストッキングでも原理は同じです。片脚立ちの大切さを伝えた養生訓ととらえるべきでしょう。
何気ない日常動作の中に、数多くの片脚立ちが含まれているのを見つけるのは、面白いものです。「普段の暮らしが自然な訓練」です。毎日、暮らしの中の片脚立ちをしっかり意識して行うことが、転倒予防に一番効きます。
「転倒予防に一番効く運動は何ですか?」とよく尋ねられます。答えは簡単です。「片脚立ちを意識すること」なのです。
振り返ってみてください。朝起きてから夜寝るまでの日常生活の間、片脚立ちの動作をたくさんしています。例えば、朝パジャマのズボンからはき替える時、両足同時にする人はいません。靴をはく時も、脱ぐ時も、必ず片脚立ちになります。お風呂に入る時、裸足で滑りやすい床面に片脚立ちになり、浴槽の高さを目で推し量り片脚を上げてゆっくり入ります。「エイヤッ!」と両足同時にジャンプして浴槽に入る人はいません。
階段の上り下りも、一つ一つの動作は、片脚でしっかりと体重を支え、持ち上げ下ろす動作です。下りの階段の最後の一段で、高齢者が転倒しやすいのは、動作が加速されて斜めの動きから水平の動きに変わる瞬間で、体をしっかり支える片脚立ちの能力が要求される場面だからです。
「ステテコ症候群」という言葉があります。男性高齢者が、一人でステテコをはいたり脱いだりすることが出来るうちは大丈夫。もし、それがうまく出来なくなったら要注意という意味です。今はステテコをはく人は、多くないかも知れませんが、パジャマのズボンでも女性のストッキングでも原理は同じです。片脚立ちの大切さを伝えた養生訓ととらえるべきでしょう。
何気ない日常動作の中に、数多くの片脚立ちが含まれているのを見つけるのは、面白いものです。「普段の暮らしが自然な訓練」です。毎日、暮らしの中の片脚立ちをしっかり意識して行うことが、転倒予防に一番効きます。