アボルダージュ!!

文芸及び歴史同好会「碧い馬同人会」主宰で歴史作家・エッセイストの萩尾農が日々の思いや出来事を語ります。

ずっとあとに思い出す歌  (萩尾)

2006-09-26 | 音楽
飛浪が音楽のことを書いていたので、私も音楽について、ちょっと、触れてみようか―と。
私もいろいろな音楽を聴いてきた。
絶対にコレ!・・というものはなく、大体、何でも聴くのだけど、ヘタな人が歌うのは、悪いけど、聴いていることは苦痛。
・・などと偉そうに言っているが、私は、人前で歌うことはできない。
カラオケは苦手。
嫌い・・というのではなく、あの騒々しさがたまらない。
随分前、高校のクラス会が卒業以来、初めて開催された。
かなりたくさんの人が集った。当時の担任の先生も参加。先生は若かった。
・・で、この時初めて知ったのだが、先生は、私たちの担任となった時、22歳だったということ!つまり、4~5歳しか離れていなかったわけである。
・・で、そのクラス会の二次会でカラオケスナックに行った。実はこれが、カラオケ初体験。
クラスの誰かの店らしかったが、「誰のお店?」などと、あのうるささの中で聞けるものではない。
卒業以来、初めて、会う仲間もいたので、実は、話をしたかった―と、半分くらいの人から、あとで聞いた。カラオケ現場(?)は話をするには、絶対に不向きである。
初体験のカラオケだったが、やはり、苦手なまま、次に行ったのは数年前、これは、仕事関係だったので、断ることも出来ずに、我慢していった。
歌った。松山千春を・・。
上田成幸(歌手・舟木一夫さんの本名)作詞作曲の『蜃気楼』に挑戦したかった。曲もあった。が、あれは、難しい!ものすごくいい歌だけど、優しさと温かさに、ふいと涙がこみ上げてしまうほどのいい歌だけど、何しろ、難しい。諦めて、「果てしない大空と広い大地の・・」(これも本当はむずかしいけど)と歌った。
しかし、やはり、カラオケBOXは好きななれずに、2回目の体験も終った。
歌は聞いているほうがいいのだろうなぁ・・と、思う反面で、この年になって(笑)、時々、童謡やら、小学校で歌った歌を一人、口ずさむ。
それは、数年前、舟木一夫さんが童謡を歌うのを聴いたからかもしれない。
その時、何かを思い出した。遠い日の事だろう、あまりに遠すぎて、思い出したそのものさえ、何か、わからないくらいに・・。それでも、心の扉がノックされて、涙がボロボロ。
「静かな静かな里の秋~」
「あした浜辺をさまよえば、昔の~」
「うさぎ追いしかの山~」
・・等々、その昔、自分が子供だった頃には、歌わされなければ(つまり、学校の音楽の授業で)歌いもしなかった童謡やら唱歌(というのかな)やらを聴いて、「涙滂沱状態」・・これは、何だろう?舟木さんの染みとおるような声のせいだけではないだろうなぁ・・。
何があっても子供の頃はよいものなのかもしれない。ここまで 歩いてきてしまうと・・ねっ!(これが、結論・・か?)
・・で、秋になった今、一人口ずさむ「静かな静かな里の秋~」

それで、少し、心配。
最近の小学校の音楽などでは、これらの歌は教えないのだろうか?
その子達が大人になり、長い人生のデコボコ道を歩いて、そうして、ようやく、ふぅ~と溜息をついた時に、ふいと思い出す歌を伝えておかなければいけないのではないだろうか。