アボルダージュ!!

文芸及び歴史同好会「碧い馬同人会」主宰で歴史作家・エッセイストの萩尾農が日々の思いや出来事を語ります。

我ら地球人、いや、「宇宙人」だった。そして、6月5日の二つのデビュー

2022-06-12 | 世情もろもろ
 水の星・地球という。海が多いから、宇宙から見ると、地球は「青い星」だ。
 昔、宇宙を飛んだ飛行士が「地球は青かった」と言ったことを突然、思い出した。きれいな星なのだ。
 そのきれいな星であるはずの地球の上では、常に争いがある。大国が自国の理論で、いや、たった一人の独裁者の偏向した歴史観を大義に掲げて、他国を侵略する。
「他国には手を出さない!」
そんな簡単な事を守れば、争いはないのになぁ―と、詮無く呟く。
 〇〇人、△△人という意識はもう捨てる時期だ。もう、とっくに、〃そんなもの〃は捨てるべきだった。
 太古の昔は、〃そんなもの〃は無かった。「人類」という「種」として、この星に存在していた。
 生けるものすべては、地球に〃間借り〃しているだけだ。だから、本当は、自国の領土も何もない。それを、コロッと忘れてしまうから、戦争を繰り返してきた、愚かな種の人類。けれど、皮肉なことに、戦争のたびに文明は発達してきた。そして、現代、文明は、発達しすぎた。…で、やることが無いから戦争に向かう??(怒!)
 もうこのあたりで、〇〇人やら〇〇国といった意識は放り投げてしまったら、残るのは、「我ら、地球人」―である。
 そんなことをふいと思っていたら、昨日(6/7)の新聞の一面に大きく『小惑星の砂にアミノ酸』という文字が、『生命の源 地球外で初確認』『はやぶさ2 採取 20種類以上』―と、心躍る文字が並んでいた。
 アミノ酸は生命の源だ。
 ということは、生命は、宇宙から来た!?
 夢は否応なく膨らむ。
「地球外生命体は存在しているに違いない」
 そんなSFめいた想像が脳内を巡る(笑)
 それは、ちょっと楽しい空想だ。「宇宙人が攻めてきたら」とは考えない。宇宙人は地球人ほど争い好きではない―と考えたい。
 アミノ酸はたんぱく質を作る物質で生命体に欠かせない。
 太古の地球上でどのようにしてアミノ酸が作られたのか、長い長い間の謎だった。隕石から齎(もたら)されたという説もあった。
 初代はやぶさが小惑星イトカワから持ち帰った試料からはアミノ酸は検出されなかった。
 地球人の生命体の源は、宇宙から来た―と、裏付けるような、今回の結果―。
 それなら、
「我ら地球人は、我ら宇宙人だ」―「我ら銀河系宇宙人」「銀河系宇宙犬」「銀河系宇宙猫」ということにもなる(笑)
「みんな同胞じゃないか、仲良くしろ!人類!」
 
 我らの宇宙は、天の川銀河に属している。お隣(?)に、アンドロメダ銀河がある。お隣と言っても、250万光年の彼方だけど、250万光年という距離は宇宙規模で言えば、近いらしい。
 そのアンドロメダ銀河は時速40万キロで天の川銀河に接近している。そして、40億年後に二つの銀河は交差し、一度は離れるが互いの重力によって引き戻され、天の川銀河は消滅する。それを我ら人類が見ることは無い。この時よりもずっとずっと昔に地球は燃え尽きている。エネルギー不足に陥りはじめた太陽が金星の軌道上に達するほど膨張し、地球は焼き尽くされる。
 そのアンドロメダ銀河は天の川銀河の端(?)にすでに接近していて(?)、肉眼で見えるらしい。天の川銀河のそばに、白い点のように…と、サイエンスBOOKに書いてあった。
…と、壮大な話になったけれど、生命は、宇宙からきた―その確信をはやぶさ2が持ち帰ってきてくれたということ。
「そうかぁ、宇宙から来たのか、だから、みんな、星空が好きなのか?故郷の星が恋しい?」―人類のDNAは記憶していたのか!
 とてつもなく大きなことに想い巡らせ、ふと、我に返ってみれば、手元が寂しい。
 5月終わりの芝居、『熱海殺人事件』(つかこうへい作)のチケットを最後に、6/8現在、concertもliveも芝居も、手元にチケットが1枚もない!これは、結構、寂しい(笑)
 6/9は大阪で舟木一夫コンサート(会員対象の〃ふれんどconcert〃という。東京は7月)。
 その舟木一夫の歩みの始まりが6月5日。
 ようやく、タイトルと文章が一致するところに来た(笑)
 舟木一夫のデビュー曲『高校三年生』が世に出た。
 そして、もう一つのデビュー(デビューというのか?)が、幕末新選組。元治元年六月五日(旧暦だけど)、池田屋事件の日。新選組はその前年文久三年(1863年)にデビュー(?)はしていたが、それは、都(京都)でのこと。その名が日本国中に知られたのは、元治元年六月五日。
 奇しくも、デビューが一緒…と、歳さま(新選組副長土方歳三)と新選組を愛している私は、毎年、6月5日は無理やり(笑)二つのデビューを結んで、想い馳せる特別な日である(笑)。

 早く7月にならないかなぁ。(梅雨が明けたら、灼熱の夏が来ることをふいと忘れて思う)

                                   (2022/6/8)

【追記】はやぶさ2の試料から検出されたアミノ酸は、さらに詳しく調べて、23種類あったと6/10の新聞に載っていた。生物の体は20種類のアミノ酸で作られるが、そのうちの11種が試料に含まれていた―とある。
「やっぱり、我ら、宇宙人!故郷は宇宙の彼方!」
 と、友人Yと、背筋が幾分寒くなりながら、感動していた。
 因みに、彼女も私も、大気圏で燃え尽きた初代はやぶさも、はやぶさ2も大好きなのだった(笑)

                            (2022/6/12)