ふりかえれば、フランス。

かつて住んでいたフランス。日本とは似ても似つかぬ国ですが、この国を鏡に日本を見ると、あら不思議、いろいろと見えてきます。

自信、もっていますか?

2010-07-14 20:24:08 | 社会
W杯では、日本代表が大健闘。多くの国のサッカー関係者やファンの予想に反して、見事ベスト16進出。日本サッカーに日が昇ることはないと思っていたが、今回の大会でライジング・サンであることが分かった、という感想まで聞こえてきました。4年後は、夢としてではなく、現実的な目標として、自信を持って、ベスト8やベスト4と言えるよう、プレーヤー個人、そしてチームとしてさらなるレベルアップを期待したいものです。がんばれ、ニッポン!

サッカーの将来に関しては、このように明るい展望、自信が持てそうなのですが、話題が政治となるとどうでしょうか。連立もままならず、ねじれ国会で漂流してしまいそうです。必要な政策も宙に浮いてしまうのではないでしょうか。社会保障も、経済の活性化も、財政の立て直しも・・・明日の「日本」に、自信を持てますか?

あなたは、自国の現状について自信が持てますか・・・こんな内容のアンケートを、フランスの調査会社“Ifop”が実施し、結果がジュルナル・デュ・ディマンシュ紙(le Journal du Dimanche)に発表されたと、ル・モンド(Le Monde)の電子版が伝えていました(7月11日)。

「フランスは衰退してきている」・・・こう思うフランス人が実に71%に上ったそうです。5年前に比べ、5%増。ちょっとシニカルで個人主義、そして中華思想。自分や自国に関しては自信満々のように見えるフランス人の70%以上がフランスの衰えを自覚している!

しかも、「フランスは他の多くの国々の目指すべきモデルになっている」と考えるフランス人も、46%と過半数割れ。5年前より13%も減少したそうです。

結果として、「フランスは自信をなくしている」と認める人が62%に上っています。自信喪失気味のフランス・・・

しかし一方、「フランスには誇るべき長所がたくさんある」と考えている人は79%に達し、「フランスは自ら変革をしていくことができる」と改革に自信を持っている人も70%いるそうです。

つまり、フランスは本来素晴らしい長所を持った国であるにもかかわらず、国際化という名のアメリカナイズ、新興国の台頭、ユーロ圏の危機などにより、自信を失い、国力も衰えてきているように見える。しかし、自己変革により、再び世界の大国になることができるに違いない・・・こんな風に考えている人が多いのかもしれないですね。

確かに、自由・平等・博愛、人権、さまざまな文化・・・フランスが創造し、世界に広めたものは多くあります。しかし、21世紀においてもその存在感を誇示し続けることができる国の仕組みになっているのでしょうか。旧態依然としたところの散見できる社会システム。その改革をサルコジ大統領に託したのでしょうが、話題になるのは金ぴかなライフスタイルと失言、そして実行を伴わない大風呂敷。就任から3年で、その支持率は26%とか30%と言われるまでに、失墜してしまっています。フランス人の自信喪失の一因なのかもしれません。

ところで、我が身を振り返れば・・・菅内閣の支持率は? その前のいくつかの内閣の支持率はどうだったでしょうか。失われた10年と言われていましたが、今や失われた20年。韓国や中国、そして他の新興国とのビジネス上の競争、多極化した世界での外交上の立ち位置、さらには政権移行期の混乱という内政問題・・・日本は、自己変革できるのや否や。日本は再び「日出づる国」として輝きを取り戻せるや否や。

あなたは、今の日本に自信を持っていますか。明日の日本に自信を持てますか。

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