射水市は、市内すべての小中学校、保育園・幼稚園の給食を、個々の学校単位で行う調理方式(自校方式)から、共同調理方式(センター方式)へ移行することを考えています。(現在、旧新湊市地区の学校はセンター方式で、旧射水郡地域の学校は自校方式です。)
これは、どうしてもやめてもらいたい。
センター方式にするメリットとは、「経費が削減できる」の一点に集約できるのではと思います。たしかに、「給食を提供する」ということだけで考えれば、全校をセンター方式にすれば人件費を大幅に削減できます。一番手っ取り早い方法です。
しかし、そういう考え方でいいのか!!と言いたいのです。もっと総合的にみる必要がある。
食育の推進に効果的かどうか、地域経済に貢献するかどうか、という視点も採り入れると、単純に経費の面からだけでは片付けられない、ということが想像できるはずです。
自校方式の学校では、校内で子どもたちが「今日の給食は何だろう…」と献立表を見たり、調理室から漂ってくるにおいに想像力をかきたてられたりと、わくわくしながらすごしているはずです(私の子どものころもそうでしたから。)。給食のおばさんが大なべで調理をする場を見て感心したり。
そして、出来たての温かい給食を配膳したり、大好きなカレーに喜んだり、嫌いな野菜がでて悩んだりするわけです。作っている「給食のおばさん」の顔もわかる。食と子どもの距離が大変近い、という感じでしょうか。
理想を言えば、「今日出たキュウリは、あのおばさんの畑でとれたもの」とか、「今朝届けてくれたあのおっちゃんのカボチャだよ」とか、そんな会話ができる給食であればもっといい。農家の人も、学校の子どもたちの顔を思い浮かべながら野菜作りをすると、農薬や化学肥料がなかなか使えなくなる。変なものは作れません。虫にだって食われている見てくれの悪い野菜だったりもするけど。それがまた、本物なのだとわかる。ぜひそういう給食環境を子どもたちに作ってあげたいと思います。これが食育というものであり、地産地消というものではないのか。学校給食をつうじて、地域と学校がつながりあい、農業や産業の活性化にも生かされていく。地域力をつよめていくことになるはずです。いつかはそんな学校給食になればいいなと願っています。
家庭では、コンビニ弁当あり、ファーストフードあり、単調なメニューだったりと、なかなか大変なご時世です。私の家もそういう傾向に流れがちです。残念ながら「せめて学校給食だけは、ちゃんとしたものを」という家庭がかなり多いという現実です。
実際に、射水市の学校給食がセンター方式化すれば、市内の小学校16校、中学校7校、それに保育園・幼稚園21園(HP調べ)が加わって、1万食を超える給食を、一箇所で調理し、学校へ配送することになります。そうしたやり方が本当にいいのでしょうか。
新湊地区では幼稚園、小中学校の3500食分を作っているといいます。一括調理後、学校ごとに仕分けしてトラックで配送しているそうです。一部の学校では、「出来上がってから2時間以内に給食できるように」という基準(食中毒防止のために定められた学校給食衛生管理基準)が守れていないそうです。さらに、揚げ物、焼き物になると、調理に時間がかかるために、早い時間から作らざるをえず、最大で調理後4時間たってようやく子どもの口に入る、という現実さえあるのです。(津本ふみおレポート№38より。07/9/9)
「おいしく、温かく、安全な給食」を願う親の一人として、射水市が進めようとしている全校での学校給食のセンター方式は、どうしても納得できません。市教育委員会や市当局には、考えを改めていただきたいと思います。
そのためにも、多くの市民が、「自校方式の方がいい!」という意思表示を、いろいろな形で、急速に行っていくことが、いま本当に必要だと思います。