旧・坂本ひろし活動日誌(2005~2014.8)

日本共産党・坂本ひろしの活動や日々のつぶやきを掲載。OCNブログ人サービス停止に伴いgooブログに記録。

「自民圧勝」の不思議は小選挙区マジック

2012-12-20 23:29:00 | 国際・政治
場合によっては有権者の2割余の得票でも当選する。

「不正でも行われない限り、こんなデタラメな(自民大勝という)結果が出るはずもない」

とお思いの方も多いだろうが、

「不正なしでもこんなデタラメな結果がでる」

というのが衆議院の選挙制度、小選挙区制なのだ。

この問題は、国民が今回の選挙を通じてその制度の不条理さを体感するずっとずっと以前から言われ続けてきた事である。

「ケンケンのブログ」より
「4割の得票で8割の議席 ~小選挙区制マジックとは?」2012-12-17 から全文引用します。
http://ameblo.jp/uedaken-ichi/entry-11429034349.html

自民党圧勝に、多くの人びとが衝撃を受けている。ネット上では、不正や陰謀を疑う声も出ている。

投開票過程での不正は、考えにくい。かつて、この国では激しい政争があり、それは往々にして「独裁と民主主義のたたかい」だと考えられた。不正防止の仕組みはいろいろと発達している。



「自民圧勝」の不思議は、すべて小選挙区制効果である。

毎日新聞12月17日付夕刊に、以下のようなグラフが載っている。

http://mainichi.jp/select/news/20121217k0000e010344000c.htm



毎日新聞記事には、こうある。

「今回の衆院選で小選挙区に出馬した自民党候補は、300選挙区の有効投票総数のうち43%の票を得たのに対し、獲得議席数は300議席の79%にあたる237議席と大勝した」



つまり、今回総選挙では、小選挙区制の部分で、4割の得票で8割の議席を得たことになる。



例えば、わが大分1区の選挙結果は



穴見 陽一 自民 84,848(39.9%)



吉良 州司 民主 74,590(35.0%)



桑原 宏史 維新 34,367(16.1%)



山本  茂 共産 9,316(4.4%)



小手川裕市 未来 8,586(4.0%)



染矢 誠治 無  1,149(0.5%)



当選した穴見氏は、4割弱で当選である。

逆に言えは、大分1区の6割の投票者の意思が、衆議院には反映されない。

大分1区と同じような得票分布は、ごく標準的だ。

毎日新聞記事中にあるように、候補者が乱立した選挙区では、3割前後で当選したところもまれではない。



大分1区の投票率は、59.05%。これも全国平均に近いものだ。

穴見氏に投票した人びとの割合は、59.05%×39.9%=23.6%ということになる。これでは、人間関係の範囲によっては、「穴見さんに投票するっていう人なんかいなかったよ」という疑問を持つ人びとがいるのも当然だ。



これが、「自民圧勝」のからくりである。

ここには、投開票過程での不正など必要ない。不公正なのは、法と制度そのものである。

不正や操作がばれたときのリスクを負う必要は、ここでは存在しない。



さて、基本に戻って、小選挙区制とは何だろうか?

一つの選挙区での当選者数(定数)が1人の選挙制度を小選挙区制という。1位の候補者のみが当選し、2位以下はすべて落選。それが小選挙区制だ。

反対語は、大選挙区制となる。一つの選挙区で2人以上の定員があれば、大選挙区制だ。いちばん身近な大選挙区制選挙は、市町村議会議員選挙だろう。例えば、来年2月に行われるわが大分市議選の定数は44人だ。

1993年総選挙まで行われていた、中選挙区制は定数が3~5人のもの。5人以上には原則としてならないので「中選挙区」というネーミング。



1993~94年に、僕は小選挙区制導入反対運動のすみっこにいた。何をできたわけでもないが、運動はしんどかった。小選挙区制の害悪といって、理解されることは少なかった。

1996年総選挙から、5回小選挙区制での総選挙が行われ、かなりつらい思いをしてきた。所属政党は、小選挙区制効果で議席を得られないだけでなく、当選可能性が低いということでも、得票減となり、制度的には関係ないはずの比例代表での得票減と議席減にもつながった。

そのたびに、小選挙区制はおかしい、と声をあげてきたが、理解されることはやはり少なかった。



今回総選挙の結果について、いろいろな人びとから疑問の声があがっている。実感とかけ離れた選挙結果に。



これを機会に、小選挙区制への批判は高まるだろう。小選挙区制導入前からの、僕らの声にやっと耳を傾けてもらえる時代が来た。ようやくである。



これも、反原発・脱原発運動の「成果」だ。

思えば、大きな犠牲を払ったものだ。これから、放射線障害が子どもを中心に広がるおそれがある。犠牲は、まだまだ増える。



国難を社会変革に転化せよ

その障害となる小選挙区制は撤廃せよ