働きながら子育てをするという家庭にとっては、放課後に子どもをみてくれる学童保育は本当に助かります。現在、授業終了後、夕方5時までの保育が可能です。指導員の皆さんも熱心に子どもに接してくれて安心です。この場をお借りして、お礼を申し上げます。
ということで、日頃からお世話になっている、歌の森小学校の放課後児童クラブ(学童保育)の総会に出席しました。総会でいろいろお話を聞き、分かったことがいくつかありました。
一つは、今年度の保育児童数が昨年より大幅にへっていることと、その理由。
もともと、これ以上子どもを受け入れると部屋が満杯状態になって、保育どころではないという事情がありました。確かに、80人近い子どもを小さな部屋に詰め込んでいたのですから、よく分かります。
そこで、苦渋の決断?として、ハードルを高くし、申込者を制限したという事でした。
具体的には、今年から、申し込みの際に「勤務証明書」の添付を義務付けたのです。その結果、昨年比で大幅減になったとのこと。
思わず、「水際作戦ですね」と言ってしまいました。ちょっと皮肉っぽく聞こえたかもしれませんが、お気に障ったようでしたら、すみません。でも、やっぱりそうなんですよね。
これは、申し込みできなかった親御さんにとっては、本当に困った問題です。どうにかして欲しい、とても切実な問題なんですよ。
苦肉の策とはいえ、最初っから申し込めないというのはつらい。申し込んだが、人数制限で順番待ちというのならまだ希望がありそうですが・・・。
★★★例えば、次のような家庭の場合は学童保育には申し込めなかったのだと想像できます。
今春からようやく子どもが小学校にあがるので、これまで専業主婦だった方が、家計を助けるために、4月から働きに出ようとしている場合。
学童保育に子どもを5時まで預かってもらう前提で仕事を探していた。
⇒しかし、申し込みは2月。そして、「勤務証明書が必要」と言われた。
⇒働き始めていないのだから、勤務証明書も当然手に入れられず、申し込みが出来ない。
⇒あきらめるしかない!!
悔しい思いをされた親御さんもおられたのではないでしょうか。
もともと、今回の制限措置以前にも、祖父母がいる家庭は「優先順位」が下げられるなど、いろいろ条件が厳しくて、申し込めなかった家庭、あきらめた家庭もたくさんあったはず。
であるなら、本来、市がめざすべき方向は、「学童を利用したい家庭の願いにできるだけ応えていく」ことを基本にすべきではないでしょうか。なぜ、制限の方向なのか、理解できません。
児童の中で、東太閤山や他の新興住宅のお子さんの割合が増えている現状を考えたとき、今年の学童保育児童数の「大幅減」は、裏返せば、涙をのんだ家庭が相対的に、大幅に増えたということになるのは間違いないでしょう。
このへんの事を、市はどう受けとめているのでしょうか。
「勤務証明書添付」という新しい手法で、問題が解決したとは考えていないと思いますが。国の基準の問題などが絡んでいるのでしょうか。いわゆる「行革」が影響してきているのでしょうか。
もう一つ分かったこと。
「せめて保育時間を6時までに」の希望がかなえられない、その理由です。
働く親としては、5時までに子どもを迎えに行くというのは、なかなか至難の業です。4時ごろには退社できるような仕事でないと、正直無理!
この点は、小学校入学前の説明会の際に、思っていたことです。
せっかくの総会という場なので、
「延長保育はできないのでしょうか」
「せめて夕方6時までの保育が出来ないでしょうか」
「小矢部では6時までやっていると聞いていますが」
と、質問をしてみました。
結論は、丁寧な説明でしたが、要は「なかなかこれは難しい問題なんです」というもの。
というより、「そりゃ無理です」と言われているような印象でした。とても残念です。
その理由は、一言で言えば、ハード面の問題でした。
部屋が学校から独立していないので、トイレなどは学校のものを使わざるを得ない
⇒ということは、開校時間にしか保育はできない。
⇒学校は5時で終わるので、当然ながら学童保育も5時まで、となる。
保育児童数を減らさざるを得ないのは、部屋が狭いからということですが、これもハード面がネックになっている。
ということで、
結論:希望者が学童保育に入れるようにするためには、
学校から独立させた、大きい部屋をつくることが必要です。
そうです。力をあわせて。家庭も、指導員の皆さんも、学校も、PTAも。
学校から独立した部屋をつくろう!!
学校サイドも、あきらめずに積極的に提案していただきたい。
知恵も出してもらいたい。
市へも要望をどんどん上げて欲しいものです。
ところで、
一体どれだけの人が、学童保育の利用をあきらめているのか、という数字がおよそ想像できるような資料がありました。
射水市のHPを調べると、放課後児童教室の利用希望者と実際に利用している数が出ています。(「射水市次世代育成支援行動計画」というものの中で、H16年に調べた数字として掲載されています)
※数字は全学年もの、( )は1年生のみの数字。
①放課後児童教室を…
・週4日以上(平日)利用したい 14.5%(32.8%)
・実際に週4日以上利用している 9.4%(25.7%)
その差は、5.1%(7.1)
②放課後児童教室を…
・週に1~3日利用したい 10.3%(14.4%)
・実際に1~3日利用している 2.9%(3.1%)
その差は、7.4%(11.3)
③放課後教室を…(=①と②を合計してみる)
・利用したい 24.8%(47.2%)
・利用している 12.3%(28.8%)
その差は、12.5%(18.4%)
割合から見ると、1年生(低学年)ほど、入りたくても入れないという児童の割合が多いことが分かります。
“希望はするが学童保育には入れない”という方が、どのくらいの人数になるか、単純に計算してみると、次のようになります。(あくまで、計算してみたというだけです。参考程度に。)
射水市全体で、全学年でみると人682人。
射水市全体で、1年生に限ってみると、262人。
歌の森小の1年生(60人として)で、17.28人。
(同資料によると小学生の児童数は射水市全体で5456人ですから、単純に率を掛けてみると、「希望しているのに、利用していない」人は、全学年(12.5%)で682人。5456人を6で割って1年生を909人と仮定したなら、28.8%を掛けて、261.7人。となります)
結構な数の家庭が「あきらめている」という現実があるのです。
H16年の2~3月の調査の数字です。08年の今年、制限が強化されたわけですから、入りたくても入れなかったというご家庭の数は、この計算の数字よりもさらに増えていることでしょう。
住んでいて良かった、子育てしやすい射水でよかった、そう言える市政のために、学童保育の問題を前向きに解決していかなくてはなりません。
この記事を書いていて、その思いをさらに強めました。
(長いお話にお付き合いいただきありがとうございました)