16日投開票された朝日町町長選挙で、大差で脇しげおさん(無所属、前日本共産党町議)が初当選を果たしました。写真真中(北日本新聞より)
脇しげお 5,067 (新)
魚津龍一 3,897 (現)
共産党員首長は、富山県内でも初。全国9人目とか。
現職町長は、かねてからワンマンの町政運営で有名で、町民の間には相当大きな批判が渦巻いていたのでしょう。それがこの大差に現れています。
町の親御さんたちがぜひ町にも学童保育をつくってほしいと要望したら、現職町長は、そこまで言うのなら学童保育をやっている他の町に引っ越したらよいなどと発言をする始末で、およそ町長という立場の人が使う言葉ではない、まあデリカシーのない人だったのです。
(というか、学童保育をやってない町ってどんなところだよと思います。これじゃあ人口減は食い止められない)
役場では企画書も町長が気に入らないと投げ捨てられる事も多々あったようで、町の職員も町長の顔色をうかがいながら仕事をするのが常だった。
町民の願いを請願署名に託して提出したら、町長の命令でその名簿をもとに町当局が一人一人の調査をした、とか。こんな事、憲法違反ですよね。(こうした話は書けば山ほど出てくるのですが、この辺にしておきます)
こんな町長のやり方をどうしても変えたいという思いがあちこちに広がって行く中で、保守系の人々の中で今度の町長選に誰か出る人がいないかという検討が始まった。しかし、町長選に打って出る勇気ある人がなかなか現れなかった。(もし負けたら、その後が怖いですから)
そこで、最後は共産党の現職町議(2名)のどちらかに出てもらえないかという打診が、共産党側へ行われた。党としては2名の議員は8月に予定されている町議選に再選をめざして準備をすすめており、当初は受け入れるのは困難だと考えた。しかし、その後、侃々諤々の議論の末、町政の流れをどうしても転換してほしいという町民の強い要請を断わるわけにはいかないという判断を下した。そして、選挙1ヶ月前という直前の決断で、脇さんが町議を辞して今回の出馬に至った。支援者は、党派をこえた幅広い人々で「会」を結成。
脇さんが立候補を決意する経過はだいたいこんな感じでしょうか。
脇さんが町政運営をしていくうえで大事なのは、対立した現職町長を支援・支持した人や団体であっても、町をよくするという立場=町民が主人公の精神でともに手をつないでいけるような環境をを作り上げていく事だと思います。そして、開かれた町政というイメージですね。風通しのよい町をスローガンに掲げていたのですから。
射水夏野市長がやっているような「ようこそ市長室へ」みたいな、いや、もっと気軽にできるようなものを、例えば町長室を一階に置いてガラス張りにして町民なら誰でも入れるようにするなど大胆にやったらいいですね。町長への手紙とかメールとか、直接町長へ意見が届くような工夫もやっていただきたいですね。学童保育、中学3年までの医療費無料化など、できるところからどんどん手を打って、「町政が動いた」と実感できるようなスピード感ある運営を期待します。
朝日町の実情をご存じない方面からは、共産党員が町長になって朝日町はもう終わりだとか、真っ赤に染まるとか、北朝鮮みたいになるとか、怖いとか、ヤバイとか、いろいろな思いが語られていく事でしょう。しかし、庁舎に赤旗が立つわけでもないし、国旗掲揚しないわけでもないし、それは心配ご無用ですよということを実践してくださるでしょう、脇新町長さんも。
共産党員町長で、長野県御代田町に茂木さんという町長がおられます。長野の藤岡さんが茂木町長の部屋を訪ねた際に見た光景について、記事にしておられますので、リンクを張っておきます。なーんだ、共産党員なのに、皇室、創価学会、大企業まで何でもOKなのかって感じです。
そう、そういう幅広さが町長には必要なのであって、共産党員だからといって共産党の主張だけをするということはあり得ないのです。