旧・坂本ひろし活動日誌(2005~2014.8)

日本共産党・坂本ひろしの活動や日々のつぶやきを掲載。OCNブログ人サービス停止に伴いgooブログに記録。

夏野市長の黒河地区出前講座感想

2012-05-16 01:23:18 | 活動報告

5月12日、夏野射水市長の出前講座(黒河コミュニティセンター)に参加しました。 行政改革、その中での射水市庁舎建設についての市の考え方を聞き、住民からも質問を出して意見交換を行うというものです。 何と言っても、射水市統合庁舎を大島地区に建設にするという市の方針について、多くの市民が懸念し、反対しているもとで行われるわけで、市長の説明がどの程度市民の理解が得られるのか、また市民の意見を市長はどういうスタンスで受け止めるのか、が注目されました。

2009年の市長選マニフェストでは、「統合庁舎を建設する」という現職相手候補の姿勢に対し、候補者であった夏野市長は「統合庁舎は建設はしない」としていました。様々な事情はあるにせよ、現在は、建設をすすめる立場になっています。

市民、とりわけ夏野市長を支持し応援してきた人々にとっては「裏切られた」という感情がとても強く、小杉地域をはじめとして市民の強い反発が起きています。

市長は、「当時のマニフェストでは統合庁舎建設反対とは言っておらず、建設を一度白紙に戻すという主張だった」「ただし、表現としては建設反対と受け取られるものであり、誤解を生じるような表現であったことは申し訳なかった」と説明しました(発言の趣旨)。講座の前と後に2度、そのような発言をされたことから、マニフェスト問題は非常に気にしている様子にみえました。

庁舎建設のコストについていくつかのパターンを挙げて比較をし、その結果大島に統合庁舎をつくるのが一番安上がりだとの説明がありました。統合庁舎建設の方が、今後30年で2億円ほど安いとの事。(下記画像参照)

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しかし、統合庁舎を造らない場合、現庁舎を耐震化工事することになりますが、私たちの知る資料によると、工事費用が異常に割高に設定されているという問題が存在します。

津本二三男市議の調査によると、㎡当りの耐震化工事単価は、長野県庁は11.1万円、松本市庁舎6万円、諏訪市3万円、となっているのに対し、射水市の現存庁舎の場合は17万円となっておりとても割高な計算です。さらに現存小杉庁舎単独でみると、実に35.1万円(中川守男氏資料)もかかるとされています。こうした工事単価をもっと現実にみあったものに見直す必要がありそうです。

また、庁舎の寿命を50年として計算していますが、これは会計上のそのように寿命を設定しているという、いわば「通例」での計算ですが、実際にはコンクリート建造物はきちんと使えば100年は持つという専門家の意見もあります。 もし、こうした現実的な計算(=建物を長持ちさせて使う)をし直せば、統合庁舎建設よりも既存庁舎活用の方がより安価であるという結果が出る可能性が高いのです。そういう市民側が示した資料が存在して居る以上、きちんと判断ができる資料を市として出してもらいたいものです。

出前講座に参加した一般市民はほとんどが素人ですから、 行政のプロやコンサルタント業者が作ったプランを、このような会場で突然提示されて説明を受けたところで、反論なり問題点の追及なりをすることはほとんど不可能でしょう。

市長も市当局も、「統合庁舎を造らねばならない」、「統合庁舎が最も合理的なのだ」という確信があるのなら、堂々と市民の知りたい情報を、しかも市民レベルまで目線をおろして、開示するべきと思います。

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上記の資料(画像)のとおり、「一番経費のかからない方法で整備」と言っているわけですから、そして行政改革というなら、「50年で庁舎の寿命が尽きる」という通例などにこだわっていないで、専門家の科学的知見に真摯に向き合って「100年を持たせる」立場で努力をすれば、おそらく経費は劇的に安くできるでしょう。

そして、比較対象がもっとわかりやすく提示され、文字通り市民的な議論が行われてはじめて、多くの住民が納得できる選択が可能になるのではないかと思います。

「もし統合庁舎を建設したいというのならば、次の市長選挙でもう一度マニフェストで堂々と建設を掲げて戦って、それで当選すれば私たちもすっきり納得できる」(参加者の意見)

マニフェストと違う道にすすんでいるのなら、次の選挙で再度ボタンを掛け直す必要があるというこの意見はもっともな意見です。

もし、 「それはできない。住民の意志を反映している議会で決まったことだから庁舎建設を進めます」ということで通されるなばら、現状では住民間のしこりを残したままに新市のあゆみを進めることになるでしょう。

私は、いずれは統合庁舎的なものが必要な時期がくるとは思っていますが、住民感情の溝の深さなどの現実を考えれば、今は急ぐべきではないと思います。  もっともっと率直な議論が必要だと思います。