私のお昼は、だいたいの場合、仕事場の台所で自炊をします。
その食材は、近くのスーパーで買いますが、マイバッグを持っていない私は、多くの場合、1枚5円で袋を買うことになります。
4月から富山県内で始まったスーパーレジ袋の有料化について、考えてみました。
レジ袋有料化は、一般には、
“心配された混乱も無く、概ね成功している”
“CO2削減の効果が絶大”
とされているようです。
私はこれまで、本当にそうだろうか?という違和感を持ちながらも、「時代の流れだから、マイバッグもいいのかな」などと、あまり深く考えずいました。
しかし、落ち着いてこれを考える機会が訪れました。
それは・・・ 先月の朝日新聞(6月5日)、15面のopinion 私の視点の表題「レジ袋有料化」の記事を目にした時です。
なかなか重要な指摘がありました。
それは、有料化の効果を疑問視する大学教授の話です。
「レジ袋はこれまでも、家庭で再利用されて、ムダには捨てられていない」という調査結果を例示していたのです。
持ち帰ったレジ袋をどうしているのかの問いに対して、
・「台所の生ごみを入れる袋に」が 83%、
・「ごみ箱の内袋に」が 80%、
・「便利な袋に」が 43%、
・「利用しないで捨てている」は 0.8%
(関西の2市、420世帯の調査、複数回答)
という結果だったそうです。
なるほどなるほど。
レジ袋の大半がリユースされているのでした。
たしかに、私の自宅でも、そんな感じです。
うちには、ゴミ箱は大小さまざまなものが5つほどありますが、これにレジ袋が使われていることが多い。
それから、1歳の子のオムツ(特にウンチが付いたもの)は、小さめのレジ袋があるととても便利です。口を縛りやすく、匂いをもらさないので。
さらに、生ごみを袋に入れて包んでしまえば、ごみ出し日まで匂いを閉じ込めておけます。
黒河地区は、月曜と木曜が燃えるごみの日です。週2回、この5つのゴミ箱から、レジ袋ごとごみを引き出して口を縛り、大サイズの指定ゴミ袋へまとめ、集積場へもっていく。これが私が責任をもつ家事のひとつです。
ほかにも、保育園の子どもの汚れ物入れとか、泥にまみれたズックを入れるとか、とても汎用性の高い丈夫な袋としてとても重宝しています。
小学校の連絡帳には、時々、「持ってくるもの」の中に「ゴミ袋」「ポリ袋」とありますが、ほとんどの場合はレジ袋の出番です。
コンビニでもらった袋は、間違いなく、車のシフトレバーにくくりつけておいて、車内用のごみ袋になっています。 助手席のグローブケースには3~4袋が丸めて入っています。
私の場合、レジ袋のほとんど100%が再利用。レジ袋はムダに捨てられていない、というのが私の実感です。
有料化されたあとも、私のレジ袋にかかわる行動様式には、変化がありません。
・有料化されていないコンビニでは
「袋は要りますか」と訊かれた場合、「使用済みオムツ入れや生ごみ袋」用にと、積極的に袋をもらいます。
・ホームセンターでは、
購入商品のサイズが比較的大きいため、袋も大きく、これをもらうと「ラッキー」と心の中で叫んでいます。ちょっと大き目のゴミ箱には、これがあると大助かりですから。
・スーパーでは、
よほど商品が少ない場合以外は、これまでどおりレジ袋をもらう。1枚5円を払って。
このようにして、いろいろな用途に利用できる「超ベンリな」袋が、ほどよく自宅に確保されていきます。
では、 もし、
私が、マイバッグを持つようになったら?
Co2は削減されるのでしょうか。
今までレジ袋が活躍していたであろう場所に~ゴミ箱の内袋、オムツ袋用など~、その代用品をどうやって用意するか、という問題が出てくる。
結局、どこかで買ってくるか、もらってくるか、いずれにせよ、レジ袋の代用品として、石油で作られた袋を、調達することになるのです。
だから、私の場合は、マイバッグを使い出したとしても、CO2は減ることはないでしょう。
石井県知事さんが一生懸命推進しておられるところを、あまり突っ込みたくはないのですが、
「スーパーから●●万枚のレジ袋、すなわち●●トンの石油で出来た袋が姿を消した。●●トンのCO2が減らせた」と、善良な県民が錯覚しかねない言い方はやめるべきです。
私は、最近まで、そう思っていたのですから。(なんとなくですけど)
そして、レジ袋をもらう私は、少し後ろめたい気持ちでいました。
でも、今日から、自信をもって、レジ袋をもらおう。
県は、県民をミスリードするようなことがあってはなりません。
たとえば、こう言うべきではないでしょうか。
「スーパーから●●万枚のレジ袋、すなわち●●トンの石油で出来た袋が姿を消しました。Co2に換算すると、●●トン分になります。しかし、これまでレジ袋を再利用していた場所で、その代用品に石油製の袋を使うようでは、まったく無意味です。不便になりますけど環境のために知恵を出し合い工夫をしましょう」と。
県は、「レジ袋、レジ袋」と叫ぶのはやめて、県民に対して、どうやって生活スタイルを見直すのかの具体例を、責任を持って呼びかけるべきです。
私たち消費者も、そこまで踏み込んで考えることが必要だと思います。
私は、レジ袋有料化が無意味だとは思いません。今のところ、一石を投じたという意味で、大きな意義はあると思います。
「賢い」一消費者としての私(たち)は、一体どうすればよいのかを考えていく必要があります。