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地方自治の危機(追記61)“誤解を与えたとするならば謝りたい”という表現

2020-05-03 16:23:54 | 地方自治
  多くの人に未曾有の「新型コロナウィルス禍」に関連して、4月23日放送のニッポン放送オールナイトニッポンで、岡本隆史氏が「コロナが明けたら可愛い人が風俗嬢やります」などと発言した。
 27日に、ニッポン放送が、「女性の尊厳と職業への配慮に欠ける発言があったが、放送を聴いて不快に感じられた皆様にお詫び」する、という趣旨のコメントを発表した。これを聞いて、『不快に感じられた皆様に』ということは、「不快に感じなかった皆様には謝罪しない」という事かと違和感を感じた。

 「不快に感じられた皆様に」という所に引っかかりを感じたのは一寸大袈裟かもしれないが、次のような経験があったためである。過日、県の福祉関係部門に協賛する、あるボランティアグループに対して、県の準職員が「こんな活動のどこが面白いか」と発言した。真意を確かめた所、「不快な思いをさせてしまったなら、申し訳ありません」という釈明があった。グループ活動は高齢者が健康維持や社会参加のために自主的に活動しているもので、普通の会話として、「何が面白いか」と言われて、いい気持ちの人はいない。「不快な思いをさせてしまったなら」が、ニッポン放送の「不快に感じられた皆様に」と響き合った。

 最近のEテレ「100分de名著」で放送された、チェコのハヴェル著『力なき者たちの力』の第3回(2020年2月17日放送)に出てきた司会者のコメントに、上記に近いことがあった。すなわち、「政治家などは、『誤解を与えたとするならば謝りたい』とよく口にする。これは常套句だけの謝罪はするが、責任は取らないというシステムである。」「個人なら責任を担えるが、近代の権力は技術者に過ぎないので、罪を担うことがない。」先ごろ、日本の国会でも『~したとするならば謝りたい』という表現を使う政治家がいて顰蹙を買っていた。

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