言の葉

気の赴くままに、ひたすら詩を綴っています。

ローラント

2009年09月09日 | Weblog
そこに彼は一人で立っていた

雨の日も風の日も関係ない
ただ毎日ひたすら立ち続け
心が壊れていることにすら
気付かずに立ち続けていた

いつか歩き出せると信じてか
柔和な笑みを浮かべながら
いつか来る日を待ち続けていた

ふと我に返れば足は棒
こんな足では踏み出せないと
泣く彼の頬の筋肉は
既に笑みしか刻まれず

途方に暮れた彼は自ら
心を手放すことにした

だから今日も彼は一人で
あの場所に立ち続けている



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