難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

国際生活機能分類ICFと人工内耳

2010年12月08日 23時04分16秒 | 難聴一般
国際生活機能分類ICFは、人の生活全体を把握するための方法だ。

難聴者におけるICFモデルをどのように適用するかに長いこと考えていたが一つの考え方が浮かんだので記しておきたい。

難聴は、聴覚器官という感覚器の障害であり、身体構造の障害である。
人工内耳を手術すると言うことはこの感覚器への直接的な術式である。

人工内耳を調整したり(マッピング)とそれによる聴覚補償訓練(リハビリ)をすることは、構造改善ではなく、心身機能改善でもなく、「聞く」という活動への支援にあたる。
ICFのモデル図で言うと真ん中の「活動」に働きかけているということだ。
骨折した人や片麻痺になった人が杖を付いて歩くことに当たる。

ここが重要だが、聴覚補償訓練は限定された環境で行われるとしても、聴覚サポートは実際の生活の場で行われなければならないということだ。

杖を付いて歩くのも訓練室で練習することに続いて、実際の部屋からトイレへと歩く訓練、家から近くのコンビニまでと歩く訓練と実生活における訓練が重視されている。
この結果、家の中の排泄の自立、外出の自立が出来ることにより、地域の人とカラオケを楽しむとか、何らかの社会的活動が可能となる。これが「参加」だ。

難聴者は人工内耳を使ってコミュニケーションが出来るようになる訓練、支援が必要だ。
それは、家族との会話や音読するという限定した環境の訓練とテレビを聞く、地域や職場、学校での会話に慣れるという訓練と地域や同僚、教師と同級生などの理解を得るという支援が必要になる。

それが人工内耳を使って、地域で生活する、仕事をする、学校生活を送るという「参加」になる。

人工内耳装用後の実生活における訓練、支援がないのが問題なのだ。


ラビット 記
※喫茶店のカリカリベーコンのペペロンチーノ

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