難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

人工内耳と補聴器のバランスと聞こえ(4)

2009年10月24日 22時50分10秒 | 人工内耳
人工内耳をして何をしたいのか、何を実現したいのか、自分の目標を持つことがポジティブ・シンキングだ。

聞こえることが目標ではなく、その先に自分の実現したい夢や目標を持つこと、持ち続けることが大事だ。
その夢を自分に、家族に、同僚に、仲間に話すことで理解してもらえるし、協力や支援が得られる。もちろん。医師や言語聴覚士にも話しておく。

実際の聞こえはすぐに聞こえるようになるわけではない。
これは、新しい聴覚を身につけるので、聞こえの一進一退は当然、少しずつ聞こえるようになると考えるとよい。

今日聞いた話では、浄瑠璃や能楽を隣のおじいさん、おばあさんは聞いて楽しんでいるが、自分は何を言っているのかチンプンカンプンだったと。やはり、聞いた言葉を知らなければ聞こえる人もわからないのだ。
外国語の習得みたいだが、人工内耳の聴覚訓練は単語や文法覚えたり発音の練習をする必要はないので、ある意味自分の努力で頑張れる。

医療の場で、医師や言語聴覚士の他に、こうした装用者のモチベーションを維持したり、高めてくれる支援者が欲しいものだ。


ラビット 記

※11月から「難聴者の生活goo」
http://blog.goo.ne.jp/hearingrabbit
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国会図書館のデジタルアーカイブ化と聴覚障害者

2009年10月24日 18時10分51秒 | バリアフリー
国会図書館は、資料の保存のためにデジタルデータ化して保存するデジタルアーカイブ事業を進めている。
当初の予算が120億円超もあり、出版事業者や著作権者団体と競技して進めているそうだ。

しかし、書籍や新聞等の紙媒体の資料のデジタルアーカイブ化が優先で、音楽や映像資料は全く手つかずとのことだ。

映像資料にどのような資料があるのかわからないがDVDやビデオ、放送番組などもあるなら、字幕を付けて聴覚障害者にも貸し出しが受けられるようにして欲しい。

国会図書館も改正著作権法の対象になり、第37条2項の字幕や手話付きの映像著作物の貸し出し事業者になることが出来る。

障害者団体の意見を聞いて、視覚障害者の点字化、音声化や学習障害者のDAISY化と合わせて、字幕化もバランスよく進めて、誰もが貸し出しを受けられるようにして欲しいものだ。


ラビット 記

※11月より「難聴者の生活goo」
http://blog.goo.ne.jp/hearingrabbit
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人工内耳と補聴器のバランスと聞こえ(3)

2009年10月24日 13時49分48秒 | 人工内耳
人工内耳を装用すると新しい聴覚に脳が順応しようとして、シナプスを発達させる。
音声言語の言葉を記憶している大人の場合、人工内耳の聞こえはそれまで持っている言葉の記憶と新しい聴覚は一致しないのでノイズとなる。

補聴器と人工内耳に入る言葉や音は信号としては同じだが脳に届けられる信号が異なる。
補聴器側は補聴器と内耳の二重のフィルターを通して脳に届く。
人工内耳側は内耳を通さず人工内耳のフィルターで届く。
だから同じ「今日は晴れたね」と聞いても、違って聞こえる。
補聴器側は「昭和枯れたね」と聞こえたかも知れない。
人工内耳は「チッチギジジッチヂ」と聞こえるかも知れない。

今日は晴れたねと聞こえるためには、既知の言葉を繰り返し聞く必要がある。
「むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんがすんでいました」と誰もが知っている昔話を聞くと、その音オンが向かし聞こえたオンとして記憶されやすい。
本の音読は成人の人工内耳リハビリテーションに効果があるとドナソーキンさんも強調されていた。


人工内耳を装用している時、ポジティブ・シンキングをすることが重要だ。


(続く)
ラビット 記

人工内耳と補聴器のバランスと聞こえ(2)

2009年10月24日 06時45分27秒 | 人工内耳
2007年11月14日が手術日。最初の音入れは12月3日。アメリカではスイッチオンというそうだ。

ピーピー、チチッ、ジジーというのが最初に聞こえた音だ。巷間言われるような人の声には聞こえなかった。でも確かに人の声の強弱に合わせて音は聞こえた。

それから2年。
補聴器から聞こえてくる声を人工内耳の音が邪魔する用な時がほぼ1年続く。この時の言語聴覚士STは人工内耳と補聴器の併用は余り意識していないようだった。

2008年7月、カナダの国際難聴者会議でドナー・ソーキンさんの大人の人工内耳のリハビリテーションについて、講演を聞き感銘を受ける。
帰国後、転院し、新しい言語聴覚士にフリーダムに「スマートサウンド2」をインストールしてもらう。

1年を経過した2008年1月位から人工内耳と補聴器の聞こえが合わさるようになってきた。言葉が立体的に聞こえるようになった。

その後、春くらいから人工内耳と補聴器のバランスが崩れてよく聞き取れない状態が今日まで続く。
バランスが取れないのは聞き取りが難しいのは聞こえの環境が大きい他に、人工内耳と補聴器の電池の減り具合の違いによる影響かと考えていた。

しかし、右耳の聴力の低下にあるかもしれない。今年の夏以降職場でも聞こえていないと思われていたことが最近わかった。
現在、ステロイド剤5mgを毎朝飲用して回復を試みているが2週間ではまだ未回復。

このこともあり、人工内耳だけの言葉の聞き取り検査の結果は人工内耳と補聴器の併用の場合と同等かそれ以上だった。確実に1年前より向上している。


(続く)
ラビット 記
夜の繁華街に突然現れた長い車。ハマー140インチリムジンだ。緑ナンバーだから業務用か。