難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

新しいタイプのろう者、難聴者

2007年06月04日 09時41分05秒 | エンパワメント
070604_0652~001.jpg筑波技術大学大沼直紀学長が、「これからの聴覚活用を考える~早期より聴覚を活用した重度聴覚障害者本人と両親への実態調査から~」を別掲のトライアングル文庫10で報告している(P151~P161)。
これは教育オージオロジストとしての観点から、補聴器装用の意義を再確認したものだ。

この中で、「音を感じる世界と言葉を見る世界」に適合した、聴覚と視覚の併用する新しいろう者、難聴者の出現を期待を込めて紹介している。

聴覚と視覚の併用は前からしていたと思うが、補聴器の発達で音情報を取得したり、手話を使う難聴者は増えている。バイカルチャーのような聴覚障害者は確かに「新しい」聴覚障害者かもしれない。

それはさておき、こうした新しい聴覚障害者に必要のは、大沼先生の提唱する
①より良く音や音声か聞こえるような障害補償
②より良く話しコミュニケーションできるようになるための障害補償
③たとえ聞こえなくても話せなくても、伝わる代わりの言語手段による情報保障
④たとえ聞こえなくても話せなくても、伝わる代わりの機器による情報保障
⑤聞こえない・話せない障害(者を理解できる社会への啓発)
(同報告、P157)
に加えて、権利意識の獲得と制度の利用と創出が必要だ。

聴覚補償、情報保障の環境の整備は周囲の理解だけでは進まない。
社会やあるいは政治の場にも働きかけないと自分たちの権利は守れない。

子供には子供の権利条約や憲法を教えるように、聴覚障害にも障害者権利条約や憲法を学ぶ(教える)必要があるだろう 
政治家や起業家になることも出来るのだ

ラビット 記



難聴児当事者からの発信 トライアングル文庫10の発刊

2007年06月04日 07時55分03秒 | エンパワメント

トライアングル文庫1トライアングルから、「今を羽ばたく 聴覚障がい者本人が語る」というトライアングル文庫10が発刊された。
乳児期から、同じ難聴児に囲まれて成長した難聴児が成人して、様々な生き方をしている。当事者が自身の受けた教育や聴覚障害の受け止め方を綴っている。当事者からの発信という点で貴重な書物だ。

難聴者のエンパワメントの確立の一助となるだろう。

ラビット 記