難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

介護実技講習会と難聴者支援技術

2010年08月22日 19時07分09秒 | 社会福祉の学習
介護実技講習会の講義の内容も示唆を得ることが多かった。

介護の現場では国際生活機能分類ICFが現場にまで下りていて、介護サービス利用者のQOLを高める支援のツールになっていることが分かった。

難聴者の支援にICFを取り込む必要性は言われていても環境因子、個人因子を機能障害、活動、参加の難聴者の生活全体を見渡したたものがほとんどない(知らない)。
これは、具体的な難聴者を想定して具体的に記述して書き込んでいかないと出来ないのではないか。

一人一人の難聴者が自己観察して書き込めるように援助し、分析と課題を相互に行うような作業をまずは社会福祉の知識のある難聴者自身が行ってみたい。

介護職には当たり前のことかもしれないが、「介護過程」を学んだ。
これは、一人一人の利用者にとってよりよい生活、よりよい人生と言う目標を達成するための介護実践のプロセスであり、介護アセスメント、課題の明確化、介護計画の立案、介護の実施、評価と修正、また介護アセスメントという循環する過程であり、展開そのものが技術だ。

よりよい介護を提供するためには、「社会福祉援助技術」、「介護技術」、「形態別技術」、「家政技術」、「リハビリテーション技術」、「レクリエーション技術」に加えて介護過程を展開する技術が必要(「介護技術講習テキスト」p31)である。

このアセスメントの過程で国際生活機能分類ICFの「心身機能、身体構造」、「活動」、「参加」に「個人因子」と「環境因子」が双方向に関わり合う情報収集と分析が行われる。
この共通の問題や課題などを個人の生活全般にわたって整理するので「共通言語」と言われる所以ということが理解できた。

こうして考えてみると、要約筆記によるコミュニケーション支援は一つの技術であり、その他の支援技術と相まって、聴覚障害者の「参加」や「活動」が保障されていく。
このように考えることで、社会福祉法第2種事業という理解が出来るだろう。
かつ、リアルタイム文字表記とも違う意味が理解できる。


ラビット 記

要約筆記と手話通訳の介護実技講習会

2010年08月21日 20時07分33秒 | 社会福祉の学習
今日から4日間の介護実技講習会だ。
朝8時半から夕方6時半まで昼を除き9時間。

午前中はオリエンテーションと介護過程、コミュニケーションの講義。PC要約筆記で初めて受けてみた。

午後は、コミュニケーションの演習と移動介護の講義と演習だった。これはグループに分かれたりするので手話通訳にした。

いずれも講義の時は人工内耳が故障しているので、補聴器にワイヤレスマイクをつないで聞いていた。

自分のコミュニケーション情報保障については新しい発見があった。
一つは補聴器の聞き取りはかなり低下していると思っていたが、補聴器だけの聞こえは少し経てばかなり聞こえるようになったことだ。
これは、人工内耳と併用しているときは補聴器側はボリュウムを絞るかスイッチを切ってしまうので、耳に負担がかからなかったので結果的に聴力が温存されたのではないか。

補聴器の方も適切な聴力管理の元で聴覚リハビリテーションを行えば聴力が回復する可能性がある。

もう一つは、PC要約筆記は講義のように話者が一人で話す場合は話を「読める」ので良いかも。読めるように入力されるのが前提だが。


ラビット 記

※会場となった郊外の大学

介護福祉士国家試験 試験科目別出題基準

2010年08月21日 05時42分16秒 | 社会福祉の学習
介護福祉士国家試験の願書の出願受付中だ。


ラビット 記
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介護福祉士国家試験 試験科目別出題基準
http://www.sssc.or.jp/kijun/k_kijun1_1.html

社会福祉概論
老人福祉論
障害者福祉論
リハビリテーション論
社会福祉援助技術(演習を含む。)
レクリエーション活動援助法
老人・障害者の心理
家政学概論
医学一般
精神保健
介護概論
介護技術
形態別介護技術
実技試験

「自己理解」と「他者理解」 難聴者の社会福祉の学習

2010年07月18日 11時57分28秒 | 社会福祉の学習
             【夏の昼間の裏山】

今日は午後からスクーリングだ。
実習ノートの課題を3つ解いてから出席することとある。

早くから夫を亡くし一人で息子を育てたが息子も結婚して家を出て、認知症も発症した女性が介護施設に入所したがカバンを持って出ようとしているのを三田介護施設の職員はこの女性をどう理解し言葉をかけるか、どう介護するかを解う設問だったり、脳梗塞で片マヒになった83歳の夫を76歳の妻が介助していたが長男夫婦の週末の泊まりがけの援助はあるがとみに疲労を感じている高齢夫婦をどのような在宅サービスを提供すべきか、理由を付けて述べよだったり、確かに机上の学習だけでは限界がある設問だ。

昨年の講義や2、3年前の要約筆記者指導者養成事業の対人援助の講義を思い出して、回答欄を埋めた。

yahoo知恵袋で、難聴だがホームヘルパーになって仕事が出来るか心配という質問と回答を見た。
補聴器があるとか、コミュニケーションが必要なのである程度聞こえないと難しいとか、聴覚障害者の介護施設などで働けるのではという回答だった。
一見そうかもしれないが、難聴のヘルパー、介護従事者が普通に働く権利は保障されなければならないし、また対象の高齢者が難聴である場合も多いので働くための環境整備や理解をどう進めるか、行政や介護従事者集団、施設関係者が考えなくてはいけないのではないか。

それにしても、高齢者や障害者の介護が社会の荷物であるかのような政策、予算には頭が下がる。
障害者総合福祉法部会に出された意見の中に、「障害者は家族に介助を依拠しているのではない、依拠しているのは国の制度だ」とあった。

難聴者運動、要約筆記、難聴者の手話学習、障害者権利条約の批准の運動が一本の軸になりつつあるのを感じた。


ラビット 記



【裏山の木漏れ日】

社会福祉演習・実習スクーリング

2010年07月16日 08時54分58秒 | 社会福祉の学習
日曜日のスクーリングに備えて、実習ノートを開けたら大変。

「傾聴」、「自己決定」、「個別化」、「受容」、「自己覚知」の言葉を説明文から選択せよとある。
「共感」、「受容」は説明文が似ている。

あいまいな記憶しかない。すっかり忘れている。
これから再学習しないと。


ラビット 記

難聴者の社会福祉実習10日目終わり。

2010年05月20日 20時43分00秒 | 社会福祉の学習
今日で10日間の実習が終わった。

10日間の実習で感じたことを一言で言えば「なかまは一人一人味があるなあ」ということだ。
ときおり見せる嬉しそうな笑顔、これを見たら、ああみんな同じ人間と思う。

「重い」障害があってもその時々の適切な支援を受ければふつうに生活できる。
毎日の作業と生活の繰り返しを見ながらふとそう思った。

我々の視点で見るのではなく、なかまの視点になって考えれば価値観が違う。
これが施設長のいう「個性」というのだろう。

難聴者の社会福祉実習で得たものは大きい。それが形あるものになるにはまだまだ時間がかかる。


ラビット 記

難聴者の社会福祉実習8日目終わる。

2010年05月19日 09時13分32秒 | 社会福祉の学習
昨日18日で8日目の実習が終わった。

毎日同じようなプログラムを実施しているようでもその中でなかまの成長について新たな発見があり、日々学びの連続だ。

現時点でのなかまの活動の様子を見るだけで判断せず、過去からの成長の途中という視点が必要で、もっと成長するという確信が必要だ。

学校からコーディネーターが実習中の様子を確認に来た。
あと2日。あすは、なかまと一緒に委託事業である清掃作業に同行する。

ラビット 記

難聴者の社会福祉実習6日目終わる、筆談!

2010年05月15日 18時57分34秒 | 社会福祉の学習
土曜日だが、なかまが20人弱バスでホームセンターに出かけた。

バスの車内でAさんが指文字で表しているのを読みとろうとしたが分からない。
書いてとペンと紙を渡すと4人の名前を書いてくれた。
指文字で確認したら合っている。

帰る支度をしているとBさんがペンを貸してというので渡すと「○○○さん へや」と書いてから、いま男性の居室にいると思うから呼んで欲しいと言う。

なかまから筆談してもらったのは生まれて初めてだ。ぶったまげた。リーダー格の女性だがまだ1週間の実習生に気を使ってくれる。

会社の課長にも見習わせたい。


ラビット 記
※写真は、施設内に咲いているツツジ。

難聴者の社会福祉実習6日目、土曜日

2010年05月15日 09時08分22秒 | 社会福祉の学習
五月中旬の快晴の土曜。郊外の山に向かう電車はバックパックを背負った老若男女ハイカーでいっぱいだ。若い外人もいる(若い日本人はいないなあ)。

施設もなかまは半分だ。
初日から一緒のなかまの女性と絵を描きっこして仲良くなった。

昨日はこちらがうとうとしている間に次々と絵を描いてくれた。手を形どって書いたり、だんだん書く絵が具象化してきたのには驚いた。小さいときに行ったのか最近行ったところなのか分からないが観覧車らしい絵、乗り物の絵は遊園地らしい。
いつも巻き毛の髪を触っていて、シュシュを左右に分けた髪にしている。髪の毛の長い女の子は自分だという。
とうとう紙がなくなってしまって筆談ボードに書き始めた。今度はよく見るとバイキンマンだ。

こうした絵は深層心理を反映しているだろうが意味まではつかめない。


ラビット 記

社会福祉実習5日目終わる。難聴者運動の「権利擁護」

2010年05月14日 19時06分40秒 | 社会福祉の学習
今日で社会福祉実習の10日間の半分が終わった。
長いようで短い。

重度の聴覚障害の他に知的障害や視覚障害を合わせ持ったなかまが入所あるいは通所している身体障害者更正援護施設だ。

今日は午後の作業の代わりにリラックスタイムで自由時間を過ごした後、お小遣いを一人一人に渡し、利用者氏名と受領サインをもらっていた。
これは、今日が金曜日で自宅に帰るなかま以外は明日市街地のホームセンターに買い物に行くためのお金だ。

昨日は誕生会後の給料支払いの際に、工賃変更を説明した紙を名前を書いて一人一人に渡し、手話とわかりやすい言葉で説明していた。
説明の理解が困難ではないかと職員に聞くと、たぶん理解できる人は一人もいない、でもきちんと説明することは重要と言う。

説明してもどうせ分からないから説明しないのではなく、出来る限り分かるように説明して、権利を自覚できない人に対する権利擁護(アドボカシー)の立場で決定したことを守ると言うことだ。
これは、社会福祉に関わるものの原点だろう。

難聴者運動でも聞こえないからある程度コミュニケーションはちっとくらいおざなりでかまわないということではなく、あらゆることについて説明は説明する、情報は情報として出すことが大事だ。


ラビット 記
※写真は実習終了後駅舎から見た夕焼け。

身体障害者更正援護施設の実習4日目終わる。

2010年05月13日 19時02分20秒 | 社会福祉の学習
初日から、4時からの男性の入浴の支援をしている。

浴場は居住棟の端にあり、夕方通所の仲間を見送った後、自室で着替えやシャンプーをかごに詰めて、浴室の前で皆列を作って待っている。

みな談笑しながら入浴している。入り方もまちまちだ。A君は一番早い。B君は入浴前のトイレに10分くらいかかる。C君はゲームをやってから来るので遅れる。Dさんは終わった後電気剃刀でひげ剃りを支援する。
何人かは身体を洗う支援をするがまだ浴室内には入らず、脱衣場だけで皆の様子を見守っている。


今日は誕生会と給料の支給日だった。
給料は役所や公園などの清掃作業、パンの製造、陶芸品の製造などが収入の原資だ。
施設の経営は厳しいが、なかまの作業で得た収入は自分たちのもので経費を除いて全部分配する。清掃作業などを担当する回数が多いとそれだけ「高給」になる。勤務表を見て配分を調整し、一部夏のボーナスに回される。

なかまは洗剤とかシャンプー、リンスは自分の給料から購入している。
自販機の飲み物の購入代金も管理規定があり一人一人に説明する。

昨日も工賃の変更について案内文書を配布してなかま全員に説明して「了承」を得ていた。
きちんと説明することがなかまを一人の人として扱うことになっている。


ラビット 記
※写真は、施設の畑で取れた里芋をふかした「キヌカツギ」。

身体障害者更正援護施設の実習3日目終わる。

2010年05月13日 09時21分14秒 | 社会福祉の学習
3日目でだいぶなかまの名前を覚えたが特徴や作業の様子をメモすることにした。
コミュニケーションや特徴が分かってきたと言っても、なかまの方から見ればまだボランティアやお客さん。

Aさんからは何度も自分でやる、あっち行ってと言われた。発達障害を持っていても少しでも自我があるということはそれを尊重しなければならないことを気づかせてくれた。

B君からは入浴の準備のために部屋に行ったら大事そうにしている箱の中身を見せてもらった。彼の宝物はトラックのサイドランプだった。とても良いねえと誉めたら「好き」と何度も言う。がそれ以上は道対応して良いか分からない。

Cさんは、1日目と打って変わって表情が豊かになり、顔を見てこっちに近づいてきて手を握って跳び跳ねて喜んでいる。作業は他の班で他の支援員が担当しているのでこうした対応が介入?になるのか分からない。

まだまだ学ぶことが多いと気づかされる。

2日目が終わってから勤務先の月末処理に行ったので、帰宅が遅くなり、へろへろ状態。
帰宅すると眠気が襲ってきて寝てしまい、夜中に目が覚めるなど睡眠が安定しない。


ラビット 記
※写真は、朝の電車の運転席から。単線だ。

身体障害者更生援護施設の社会福祉実習2日目終わる。

2010年05月12日 19時35分31秒 | 社会福祉の学習
※写真は、実習に通う時間の居住地の駅(午前7時45分頃)
1日目は乗り換えにどのくらい時間がかかるか分からず早朝の電車に乗ったので早く着きすぎた。今朝は1時間遅らせて乗ったら満員で乗り換えも混雑で倍くらい時間がかかった。

なかまと少しでもコミュニケーションできるようになることを今日の実習目標にしたが2日目ではまだまだ。
言うまでもないが皆個性がある。人格というか性格というか障害の違いを越えて、みなユニークさがある。
ユニークというのは、面白いというと言うようなことではなく、味わいのある個性と言うようなものだ。

A君は出所して最初にコミュニケーションしたなかまだ。ずいぶんと落ち着いた感じなので職員かと間違えたくらいだが何かと話しかけていたら入浴後ありがとうと言われた。何か分からないが嬉しい。

B君は昨日の作業中はほぼ寝ていたが今日は雨の中外に行こうとする。バスのドライブ中臨席で手をつないでいた。男性かと思っていたが女性のようだ。

Cさんは天然パーマのような巻き毛にお気に入りのシュシュをした女の子だ。似顔絵が気に入ったようで催促された。筆談ボードで字の書きっこをした。指文字を読みとって字が書ける。

Dさんは年輩の方だ。バーコードに興味があるという。実習用ノートを取られそうになったが生徒の認識用のバーコードが貼ってあったのだ。見るだけで気が済むらしい。

こうして仲間と接すると聴覚障害者はコミュニケーション支援だけでは解決しないことがよくわかる。
コミュニケーション支援=通訳ではないはずだ。


ラビット 記

身体障害者更生援護施設で初めての社会福祉実習、1日目

2010年05月11日 08時11分29秒 | 社会福祉の学習
※写真は、施設から歩いて15分の最寄りのバス停。
1日目の実習が終わった。

実習先はろうの他に知的障害などを合わせ持つ「なかま」が入所、通所している施設だ。
聴覚障害者当事者が支援しているという意味でも同じ人権を持つと言う意味でも、利用者のことをなかまという。

初日の学習目標は「なかまとのコミュニケーション」においたが、手話や身振りを日本語に置き換えるとわからない。音声言語に頼らずに考えなければならない。

みな、支援員にサポートされながらも朝の起床から洗面、着替え、朝食、居室の掃除、昼食を挟んだ作業、入浴、自由時間、夕食と規則正しい生活をしている。

その様子を見て驚くことがたくさんあった。

施設は、作業棟と生活棟が一体になって建っている。
障害者自立支援法の施設に移行すると、生活と就労の場を離さなければならない。離すというか、生活はあくまでも地域の中にあるべきだと言う考えからだが、同じ法人で別々の施設を持つのは管理費も余計にかかるので経営を圧迫しないか、懸念される。


ラビット 記

今日(10日)から社会福祉実習です。

2010年05月11日 07時56分47秒 | 社会福祉の学習
昨年受講できなかった必修科目の「社会福祉実習」が今日から10日間の予定で始まる。

介護福祉士の資格を取るには介護関係施設での社会福祉実習と2回のスクーリングによる演習が必須になってい
る。

何か記入して送付しておくようには学校から言われていたが何か届いていたか封筒を探したがそれらしいものはない。
箱で送られていた実習ノートに昨夜になって気が付いて見ると事前学習も実習の目標も書かなくてはいけない。
たまたま事業計画書を見つけてあったので急いで調べて記入した。

それにノートには事前に実習履修費を払うとあるが払った記憶がない。
払っていないのではと心配になった。

介護の現場は初めてなので緊張する。


ラビット 記