Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その16

2007年06月14日 | 制作裏話
デスゴジ バーニングレッド編 Part.2


?デスゴジ バーニングレッド 別アングルから

 この「バーニングレッド」のボディカラーの彩色はほとんどがオレンジイエローで塗られています。明るめの赤に対して、ファイアーパターンが強調されるカラーという事で選びました。色こそ違えど首筋のラインや目の手間のかかる塗装パターンも「スタンダード」と同様に入れます。
 彩色作業はいつも以上に手間のかかる「スタンダードカラー」と同時期でしたし、この「バーニングレッド」も色数は一つ少ないだけで、手間はほとんど「スタンダードカラー」と変わりありません。やはりスタンダードより小さいソフビに細かめに塗るのは時間がかかります。
 どちらのバージョンも発売ギリギリでなんとか間に合って安心したのは言うまでもありません。もし何かのミスやトラブルが一つあったらこのデスゴジのどちらか、もしくは同日発売したキンゴジの実験カラーは間に合わなかったでしょう。

 この「バーニングレッド」は発売後1時間ちょっとで完売しました。嬉しかったのですが、忙しさと疲労感で実感が薄かったのを今でも覚えています。
 不思議な事に今でも人気があるようですね。当日ゆっくり弊社ブースにいらして買えなかった常連の方々からは「再版は?」と今でもたまに言われます。オクでもなかなか見ないらしいんです。何人かゴジラ好きのお客さんの話だと赤系のデスゴジはやはりみんな大好きなんだそうで、他のゴジラを赤くすると逆に「引く」らしいんです。何だかわかる気がします。
 私の推測ですが、それまでバンダイ系列以外で、レトロ系やディフォルメ系のデスゴジがほとんどなかったことも原因の一つだったのではないでしょうか? 特にバンダイの赤系デスゴジは発売後に転売価格がグーンと上がっただけに、ウチの「バーニングレッド」は慌てて買った人もいらっしゃったのかも知れません。
 再版は今の所予定はありませんが、近日赤系デスゴジがお好きな人のためのカラバリを発表したいと思います。
 

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ソフビ制作裏話 その15

2007年06月13日 | 制作裏話
デスゴジ バーニングレッド編 Part.1


?デスゴジ バーニングレッド(完売)

 昨年夏のワンフェスで「デスゴジ スタンダードカラー」と同時に発売されたのがこの「バーニングレッド」です。
 企画も同時で、デスゴジのカラーバリエーションを考えた時に、「スタンダードカラー」が黒の成型色なので、やはりもう一つデスゴジといえば赤系かオレンジ系の案が浮かぶのは自然と言えます。もちろんこのままの全身真っ赤なデスゴジというのは劇中には登場しません。体表のファイアーパターンのイメージだったり、メルトダウンのシーンのイメージだったりでこういう色のアイディアが浮かぶ訳です。すでにバンダイ系列のソフビでも数種類存在しますし、他のレトロタイプソフビを販売しているメーカーさんも他のゴジラで赤系の物を「メルトダウン(もしくはバーニングとして)」を思わせるカラーリングで販売しています。
 もちろんウチや他社さんが呼称している「バーニング」というのはゴジラのタイプとして東宝さんに認可されているものではありません。ウチの場合はあくまでカラバリの「商品名」です。赤やオレンジの成型色で作ったソフビを「バーニング」とか「メルトダウン」とか呼ぶのはあくまで発売するメーカーによってまちまちで、「商品名」として東宝さんが許可するかしないかです。たまにゴジラに限らず赤い成型色の怪獣ソフビを「バーニングタイプ」等と呼んでいるファンの方がいらっしゃるようですが、誤解のないように。
 この時の成型色は明るめの赤。やや朱色が入った感じです。最初の赤系のデスゴジという事で明るくしたかったのもありますし、「バーニング」の名に合うカラーに、という事で決めた色でした。

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ソフビ制作裏話 その14

2007年06月12日 | 制作裏話
デスゴジ スタンダードカラー編 Part.2


?デスゴジ スタンダードカラー 別アングルから

 体全体に使用する色をいろいろ考えた上で決定したのですが、他にもやってみたいことがいくつかありました。
 その一つが目の塗装です。多くのメーカーさんのレトロソフビの目はほとんどシンプルに塗られています。地色(白目にあたる部分)に円形で黒で塗るだけと言うパターンが主です。中にはキンゴジのような半円しか見えないはずのゴジラでも黒目を真ん丸に塗ってあるものもあったりと、ちょっと残念だなぁと思うものもありました。目にもそれぞれのゴジラの特徴はある訳です。できる限りデスゴジはデスゴジらしくというのを考えたかったのです。
 昭和のゴジラはほとんどが形こそはそれぞれですが、地色にシンプルに黒目で塗っても違和感はありません。ウチもキンゴジはそうしていますし。でも平成のゴジラは実物ははっきり3重の色になっています。例えばビオゴジからモゲゴジまではアイボリー系の地色にオレンジ系の瞳、中央に黒の円で作られています。他社さんはともかく、ウチの平成ゴジラの目は3重にしたいと思いました。さらにオレンジ部分は円形でのグラデーションカラーに見えます。それも表現したかったのです。
 マスクもキンゴジよりも遥かに多くなりますし、塗装の手間も倍以上です。これが大変でした。
 目以外にしたかったのは首筋等に見られるファイアーパターンのラインです。バンダイ製のソフビにはなくて寂しかったので、ウチのは付けたいなぁとずっと思っていました。しかし、これが悩みました。実物のスーツを映像やムック本で何度も見ましたが、シーンによってそのラインがまちまちです。劇中のものは複数のスーツを使用しているのですが、全部ラインの位置や太さ、本数が違うのです。ウチのゴジラはディフォルメですのでリアルに細かくラインを入れると違和感があるし、さらには時間的にそんな余裕はありません。ですから商品のラインの位置はあくまで羽沢組の解釈なのです。最低限のラインだけにしようという事でこのようなパターンになりました。ちなみに1体1体フリーハンドです。ですから全く同じものはありません。その点はご理解下さい。

 こうしてデスゴジの全ての色は決まりましたが、いざ塗装作業になるともう大変の連発!! ボディのファイアーパターンも細かく位置が決まっているので、スプレーするのは意外に大変です。スタンダードサイズぐらいあればもっと塗りやすかったのですが、小ささにこんなに苦労するとは思いもよりませんでした。さらに黄色系のワンポイントもあるし、首筋のラインもあるので、ボディや背びれだけでもかなり時間がかかります。そして目の塗装。
 それまでのキンゴジの塗装に比べて倍以上の時間や手間がかかってしまいました。発売後、何人かのメーカーさんから「塗装、凝り過ぎだよ」なんて笑われてしまいましたが、大変だった分できた時の喜びは大きかったです。「羽沢組の代表作」というお客さんもいらっしゃって、たくさんの方にお誉めいただきました。嬉しかったですね。この時のカラーリング、塗装は本当にいい経験になりました。

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ソフビ制作裏話 その13

2007年06月11日 | 制作裏話
デスゴジ スタンダードカラー編 Part.1


?デスゴジ スタンダードカラー(完売)

 この「デスゴジ スタンダードカラー」はGメモリーズセレクションのデスゴジの第1弾として昨年夏のワンフェスから発売しました。
 デスゴジのカラーリングを考えた時に当然と言えば当然ですが、まず最初は劇中の着ぐるみスーツに近いものをすべきだろうと言う事で考えました。映像やムック本等で何度も見直してどの色を使うのか決めるのは毎回の事ですが、いざ「スタンダードカラー」と言う事になると数種類考えられたのです。
 劇中のデスゴジの背びれは尻尾の付け根まで先端がオレンジの発光色になっています。尻尾のヒレは前作のモゲゴジ同様のホワイト系になっているのです。さらに手の爪は黄色系なのに足の爪はホワイト系という配色です。ガレージキットを作られているメーカーさんや原型師さんの完成品を模型イベントや本等で見るとほとんどがそれにこだわらず、背びれも尻尾のヒレも同じオレンジ系で統一し、爪も黄色系で統一しているケースがほとんどです。その方が私もかっこいいとずっと思っていました。しかし、劇中とは違います。どちらにしようかギリギリまで考えました。
 またボディのファイアーパターンですが、配色にもいろいろ候補がありました。赤、朱色、オレンジ、メタリック系…、これらに黄色系でワンポイントをつけたいとずっと思っていたので、その組み合わせをどれでいくかで悩み、何度も調合し、いくつかサンプルとして作ってみました。
 いくつかの組み合わせもやって見たいものでしたが、たくさん「スタンダードカラー」のバリエーションばかり作ってもしょうがないので、検討した結果商品のようなカラーリングで決定した訳です。そして背びれや爪は劇中に近くする方をチョイスする事にしました。
 と、同時にやはり爪の色や背びれの先端の色を統一したパターンも作りたい、ボディのファイアーパターンも違うバージョンで作ってみたいという願望は消せません。後の通販版カラーでやろうと決めたのはご承知の通りです。
 こうしておおまかな色が決定したカラーリングですが、まだまだああしたい、こうしたいがいくつもありました。続きはまた明日。


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ソフビ制作裏話 その12

2007年06月09日 | 制作裏話
デスゴジ編 Part.5
「デスゴジカラバリ計画」について



?左・デスゴジスタンダードカラー(完売しました)、
 右・デスゴジ レッドバーニング(こちらもすでに完売しております。ご了承下さい)


 今日はデスゴジの配色・カラーリングの話をします。
 Gメモリーズセレクションでデスゴジを作る事に決めてすぐ、カラーバリエーションを考えました。どんどんアイディアは出てきます。すぐに思い付いただけで30ぐらいはあったでしょう。
 元々レトロタイプやディフォルメタイプのソフビの成型色や彩色は、何も劇中のスーツに近くしなくてもかまわないと私は思っています。他のメーカーさんもいろいろなカラバリで商品を発売していますものね。全然実物の怪獣と違う色で作られていても違和感がない場合は「さすが!」と感心してしまいます。
 実物に近いもの、劇中シーンのイメージを思わせるもの、実物にこだわらず造型に合ったもの…。いろいろ考えられます。
 私自身デスゴジの色のポイントはやはり体表のファイアーパターンだと思うのです。「熱」「炎」「発光」、これらを表現しようと第一に考えました。ウチのソフビはディフォルメですので、「カッコかわいく」のテーマからはずれないようにリアルすぎず、かと言って安っぽくならないようにと。
 そしてたくさんある色のアイディアを全部やっても売り上げや採算を考えると無理が出るので、枠を設ける事にしたんです。これが「カラバリ計画」です。
 羽沢組が考える所の劇中のデスゴジのカラーイメージでやっていこう、という事にしたんです。
 もちろん絶対的なこだわりではありません。多くの方がご承知の通り、バンダイさんからはこれまで多くのカラバリでのソフビデスゴジが発売されました。いずれも人気商品でしたから、ウチのゴジラをお求めの方でも「バンダイ風のカラーで」と望まれる方が複数いらっしゃるのもわかります。全く同じカラーリングはできませんが、イメージだけを参考にさせていただいて、ウチの「デスゴジカラバリ計画」に合うような色にして制作も視野に入れる事にしました。
 現在、この「デスゴジカラバリ計画」で8種類のデスゴジを発売しました。あと少しだけ続けるつもりです。中には「作り過ぎだよ」と言う方もいらっしゃるかもしれません。日頃コンプして下さっている方にはメチャメチャ感謝しているんで、そう思われると本当に申し訳ないんですが、コンプできない方でも自分の好きな色をチョイスして買える楽しさを感じてくれれば幸いです(いつかコンプして下さっている方には何らかのお礼企画を考えなくちゃなりませんね)。
 と言う事で(どういう事だ?)今後ともウチのデスゴジたちを可愛がって下さいませ。

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ソフビ制作裏話 その11

2007年06月08日 | 制作裏話
デスゴジ編 Part.4


?未塗装状態のデスゴジ、反対のアングルから

 デスゴジの原型を作る際に、注意しようと思った点は3つありました。昨日話した「たるみ」「背びれ」「猫背」です。

 まずは「たるみ」。VSシリーズのゴジラはバトゴジ以降、スーツの造型のせいかややたるみが出始めています。特に下半身です。筋肉質を表現しているせいなのか、太い太もも、膝、足首辺りに見られるようになってきました。よくわからないという方は昭和のゴジラと比べていただければわかりやすいかと思います。VSシリーズゴジラの下半身の大きな特徴の一つです。特にデスゴジはスーツ自体が重いせいか、全身にもやや感じられます。
 Gメモリーズセレクションは「カッコかわいく」がテーマで4~5頭身ですので、全身たるみを強調するとかっこ悪いし、かわいさも半減してしまいます。ですから無理に大袈裟にそこはディフォルメする事なく、下半身だけちょっとそんなイメージで作りました。本当は足首はもっと細くなるはずですが、ウチのゴジラのサイズや造型ではソフビ成型上のヌキの関係で細くはできません。幸いな事に足のスネのたるみを入れる事で気にならなくなるように作る事ができました。

 次に「背びれ」です。これは前にも話したように一番大きい部分をまん中ではなく、上の方に持っていきました。Gメモリーズセレクションでのゴジラはディフォルメなので、背びれの配置や大きさ、比率はかなり本物と違います。前回はキンゴジだったので苦労しませんでしたが、この時は初めて大きめのせびれが3列共なので、配列に気を取られ過ぎたかも知れません。今にして思えばもっと一番大きい背びれを強調してもよかったかなとちょっぴり反省。

 そして最後は「猫背」。これが一番悩ませました。
 まずデスゴジはどうしても口開きタイプにしたかったんです。口開きで猫背にするには顔を上向きにするか、首から上を別パーツにするか、下顎だけを別パーツにするかしなければなりません。成型上のヌキの関係で(ボディ部分は尻尾の付け根から抜くためです)、ウチのゴジラのようなサイズや造型だとどうしても口開きと猫背の両立は難しいんです(私の技術不足、知識不足ももちろんあるでしょう)。
 首からの分割はどうしてもしたくないし、下顎を別に作って接着させるほど時間も予算もこの時はありませんでした。価格を上げれば他の方法も検討できたでしょうが、それもしたくない。
 確かに顔を上向きにすれば、メルトダウンの時のデスゴジのシーンのようになりますが、今後これからいくつかのゴジラを作り続け、並べた時にデスゴジだけ上を向いているのは嫌だったので、正面を向かせたかったのです。
 結局「口開き」と「猫背」のどちらかの選択になりました。もちろん前傾姿勢と言う手もありますが、それではデスゴジらしくありません。それで迷いに迷って「口開き」の方を選び、「猫背」は諦めたんです。
 いつか猫背のデスゴジも作ってみたいと思っています。
 

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ソフビ制作裏話 その10

2007年06月07日 | 制作裏話
デスゴジ編 Part.3


?彩色前の黒で成型した状態のデスゴジ

 今日はデスゴジの造型の話をします。
 デスゴジとはご承知の通り『ゴジラVSデストロイア』に登場した時のゴジラを指します。多くのファンがそう呼びますが、ごく一部のソフビメーカーさん(一部のファンも)は「バーニングゴジラ」と呼んでいるところもあります。羽沢組では「デスゴジ」と呼ぶ事にしています。
 主に『ゴジラVSビオランテ』から『ゴジラVSデストロイア』までは「平成VSシリーズ」と呼ばれていますが、この6作品に登場するゴジラはそれぞれの呼び名をファンはつけて区別しています。もちろん東宝さんが認可している呼称ではありませんが、覚えやすいと言う事でウチでも今後この呼び名で通していきたいと思っております。(ウチで販売している「デスゴジ」は、正式キャラクター名としてではなく、あくまで羽沢組の商品名としては東宝さんから「デスゴジ」として許可をいただいております)

 ビオゴジ……『ゴジラVSビオランテ』(1989年公開)
 ギドゴジ……『ゴジラVSキングギドラ』(1991年公開)
 バトゴジ……『ゴジラVSモスラ』(1992年公開)
 ラドゴジ……『ゴジラVSメカゴジラ』(1993年公開)
 モゲゴジ……『ゴジラVSスペースゴジラ』(1994年公開)
 デスゴジ……『ゴジラVSデストロイア』(1995年公開)

 この6つのゴジラは外見的にもよく似ています。特にビオゴジとギドゴジはよく似ているし、他の4つもバトゴジからは同じ型から作られていると思われ、かなり似ています。シーンによってはそれぞれ前作のスーツを流用しているシーンもある事から、ワンカットだけを見てもわからない場合もあります。その中でもラドゴジとモゲゴジの区別はなかなかつけられません。
 そしてデスゴジですが、以前「G雑感」の「ゴジラは背びれが命」の所でも書きましたが、元はモゲゴジのスーツを改修、アレンジしたものらしいのです。じゃあモゲゴジとデスゴジはほとんど一緒なのかというと、そうではありません。実はかなり違う事がわかります。
 ソフビ原型を作るためにいつも本の写真を書き集めて調べたりするのですが、違いはたくさんでできます。デスゴジの一番の特徴は体表のたくさんの発光部分なのですが、その装置をつけるためにかなり重くなったそうです。そのため全体的にそれまでのVSシリーズのゴジラに比べてたるんだ感じが見受けられます。さらに発光装置の位置の関係でいつもは背中の中央についていた一番大きな背びれは、デスゴジに限って上の方、つまり肩の辺りになっています。これらの影響なのでしようが、それまでのゴジラに比べてかなり猫背のゴジラになっているのです。
 結果的にこれらの特徴「たるみ」「背びれの位置」「猫背」は作品の中のメルトダウンに向かって暴走するゴジラにはよくマッチしていたと私は思います。(余談ですが、バンダイ系列のたくさんのソフビは元のモゲゴジ状態の物をベースに作られているのかも知れませんが、この3つの特徴は表現されていません。後で気がついたのかも知れませんが、たぶん時間的な問題だったのでしょう)

 そしてこれらの3つの大きな特徴を考えながら、ウチのデスゴジの造型に入りました。
 ところがこの3つのうちの「猫背」が大きなネックになってしまったのです。この悩みの話はまた明日。

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ソフビ制作裏話 その9

2007年06月06日 | 制作裏話
デスゴジ編 Part.2

 「デスゴジ」を作るヒントになったもの。それはプロレスラーの「グレートムタ」!!
 私は子供の頃から怪獣に負けないぐらいプロレスが大好きです。大人になってからも変わらず会場テレビ等で見続けているんです。デザイン業務やら知り合いのツテでいくつかの団体やプロレス雑誌の仕事に関わるようになって、今でもプロレスは身近な存在です。
 ある時たまたま雑誌を見ているとグレートムタが載っていました。知らない方のために説明しますと、グレートムタは武藤敬司選手の化身で、もうひとつのキャラクターとして存在します。姿はほぼ毎回おどろおどろしく様相を変えて、マスクにペイント。ファイトスタイルもいつもの武藤スタイルとは違い、毒霧は吹くは上手く反則はするはお客さんの私物ですら凶器にしてしまいます。それでいて人気は絶大なので、彼の反則に拒否反応を示すファンはほとんどいないという特異なキャラクターでもあります。
 そんなムタを見ていて、こういうイメージの怪獣ってあったら人気が出るだろうになぁ…。ゴジラ映画にもそんな感じのがあれば……ん、待てよ、一番近いのって「デスゴジ」じゃん!! という事で「デスゴジ」にしようとひらめいたのです。
 ムタとの共通点はいくつかあります。「デスゴジ」は体内の核融合に異常をきたし、いつものゴジラとは違い、暴走し誰も手がつけられない状態です。いつもの武藤選手とは違う暴走ぶりはムタの特徴でもあります。また「デスゴジ」はそれまでのゴジラと違い、ボディには赤・オレンジの発光が見られ、シーンにもよってカラーのイメージはいろいろと考えられます。バンダイ製のソフビでも多彩にカラバリがあったように、ウチの「カッコかわいく」のテーマの中でもいろいろとカラーの展開はできるんじゃないかと思いました。ムタだって全身ほぼ毎回姿を変えているのでそれが魅力の一つになっています。カラバリの展開のヒントにもなりました。
 さらに付け加えると、それまで「デスゴジ」の塗装済完成品ソフビはバンダイ系列のメーカーさんからは大小多くの商品が出ましたが、レトロ系のソフビメーカーさんからはほとんど作られていませんでした(中には他のゴジラを赤系の成型色で「デスゴジ」っぽくしているものはたくさんありました)。こういった事も作る理由の一つだったのです。
 こうしてGメモリーズセレクションのシリーズ第2弾は「デスゴジ」に決定したのでした。

 では明日は「デスゴジ」の造型の話をする事にしましょう。
 

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ソフビ制作裏話 その8

2007年06月05日 | 制作裏話
デスゴジ編 Part.1


?デスゴジ原型(あまり原型を見せるのは本当は好きじゃないんだけど、今回は特別)

 今日から何回かに分けてソフビ「デスゴジ」の制作裏話をします。
 この「デスゴジ」は「キンゴジ」に続くGメモリーズセレクションシリーズの第2弾として企画しました。その第1号は昨年夏のワンフェスから販売を開始しました。
 「キンゴジ」を販売した後は、多くの方から「次は初ゴジかモスゴジですか?」と聞かれたのですが、今だから言いますがその2つは候補の一つではありましたが、かなり確率としては低いと考えていました。この2つをすでにガレージキットとして販売していた事もありますし、第2弾からは他社さんがあまりやっていないゴジラがいいなぁという気持ちの方が強かったんです。初期の昭和ゴジラはこれまでも実に多くのメーカーさんがレトロタイプ・セミレトロのソフビを作っています(今もなおいくつかのメーカーさんが作ってますね)。ウチとしてはワンフェスに合わせて新作を作っていこうというペースで考えていたんですが、ワンフェスになると特にガレージキット等でも初代ゴジラ、キンゴジ、モスゴジ等多くのメーカーさんやアマチュアがたくさん売っています。怪獣ファンの中には「ワンフェスのゴジラは初ゴジ、キンゴジ、モスゴジばっかりでお腹いっぱい」という声もありました。ウチもとりあえずこの3つはあるので、違う目線でゴジラを作りたいという気持ちがありました。
 で、どれにしようか候補をいくつか上げましたがなかなか決まりません。私の場合「次はこれにしよう!」と決めても次の日にはコロっと変わって「やっぱりこっちだな」と日々違うんです。だから準備を始める直前に思っていたものに決まるケースが多いのです。
 この「デスゴジ」の場合、制作の決定的理由になったヒントが実はひょんな所にあったのです。
 続きはまた明日。

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7/1は!?

2007年06月04日 | 代表羽沢のG雑感
 7月1日は弊社も参加するスーパーフェスティバル(東京・科学技術館)が行なわれますが、同日には東京おもちゃショー(東京ビッグサイト)があります。イベント内容がだいぶ違いますが、多少は客層がかぶってしまいます。いつもスーフェスに参加しているメーカーさんでも、今回はおもちゃショーの方に参加される所もあるらしいです。
 お客さんの中には早朝スーフェスで限定品を購入して、すぐにおもちゃショーに行かれる方もいらっしゃるでしょうね。
 おもちゃショーは前日6月30日もあるそうですが、やはりこういった日程のバッティングはファン泣かせです。9月30日もスーフェスとトイフェスがかぶるらしいし、調整できるシステムがあるといいのにとつくづく思う今日この頃です。
 私自身もメーカーではありますが、コレクターでもあります。違う日にしてくれると羽沢組が参加しないイベントには個人としてゆっくり見て回って楽しめるんだけどなぁ…。

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雑誌掲載報告

2007年06月03日 | ニュース


 7月1日発売の「ミレゴジ ファイアーバージョン」に関する情報が雑誌各誌に掲載されましたのでお知らせします。

 HOBBY JAPAN 7月号(ホビージャパン)
 電撃ホビーマガジン 7月号(メディアワークス)
 ハイパーホビー 7月号(徳間書店)
 フィギュア王 112号(ワールドフォトプレス)
 Quanto 7月号(ネコ・パブリッシング)

 一部掲載内容で彩色、成型色に関して誤解を招くような文章がありました。「ミレゴジ ファイアーバージョン」は、この当サイトで以前お知らせしたように、成型色はエンジ色で、全身を薄らとメタリックオレンジで凹凸を強調するように塗装しています。背びれは明るめのオレンジで彩色しているものです。画像の中でボディががどうしてもデジタルのせいか、エンジ色にメタリック系でスプレーしているせいか赤く見えてしまっています。実際の商品は真っ赤ではありませんのでご了承下さい。

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エキストラ Part.3

2007年06月02日 | 代表羽沢のG雑感
 エキストラ話まだ続きがあります。
 同日、自衛隊役の撮影後、他のシーンの撮影もありました。参加したのはマスコミ役と野次馬役です。
 マスコミ役は新宿に現れたUFOを取材しているシーン。エキストラが大勢いてテレビクルーとその他の記者と2つに分かれ、私は後者でした。
 一眼レフカメラ(あくまで小道具なので実際には使用できなくしてありました)を渡され、他の台や脚立等は自由選択。私はせっかくだからと誰も触れようとしない一番大きい脚立を選びました。たぶん撮影場所まで自分で運ぶ事になるのでみんな敬遠したのでしょう。大きい脚立と言う事はたぶん画面の端っこか後ろに回されるだろうと思いつつも、ちょっとでも映ればもうけもんかぐらいの気持ちでした。ところが、逆に全体の前の方のどまん中に立つように指示されたんです。
 ビルの爆破でみんながのけぞるシーン、引いた絵でかなり小さくですが1秒ほどでしたがちゃっかり映る事ができました。画面の中央で高い脚立の上にいる赤いシャツが私です(これも本人しかわかんないかも…笑)。
 このシーンは長いバージョンの劇場予告でも使われていたので、公開前に偶然見て感激したのを覚えています。

 もう一つの野次馬役は端にいたため見切れてカットされていました。芸人のデンジャラスが写っているシーンです。使われると思って友人と小芝居していたんですが…(笑)

 帰りは深夜でしたがかなり思い出深い楽しい一日になりました。そして「怪獣大好き少年」に戻れた日でした。いつかまたやってみたいです。「逃げる人」もね。
 ちなみにその後、何人かの友人との酒の席でこの日の話題になると私は「これからはオレの事をムービースターと呼んでくれ」と言っても誰も呼んでくれません。ん~なぜだろう!?

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エキストラ Part.2

2007年06月01日 | 代表羽沢のG雑感
 エキストラ話の続きです。自衛隊役の時のエピソードです。
 この映画にはフジテレビの笠井アナウンサーが出演していて、彼のレポートシーンは同日の夕方。が、彼は昼からロケに参加してみんなに混じってわからないように逃げる人(我々が誘導)をしていました。私、リハでは彼とぶつかってしまいました。だから覚えていたんです。
 で、彼が出演しているテレビ番組の「とくダネ!」でこのロケ風景を紹介すべくそっちのレポートを空き時間に収録していました。それは、我々自衛隊役の人達が待機している所で撮っていたんです。ちょうど私の横で始めたもんだから、撮られていたのはわかっていたんですが、放送を見てびっくり。かなりアップで何度もテレビに映ってしまい、放送を見てちょっと恥ずかしかったです。
 また劇中で我々が突入するシーンは、ヒロインの西田さんらもビルから避難しています。当然ですが、我々が突入する部分とはカメラ位置を変えて別に撮影していました。また声は声だけでその場で改めて撮っていました。なるほどです。
 ちなみに私のいた突入部隊第2班には破李拳竜氏がいらっしゃいました。「ゴジラ」ではどんなエキストラでも頼まれればギャラ関係なく時間が許す限り参加しているとおっしゃっていました。すでにスーツアクターとして参加しているのに一般に混じってすごいです。本当に好きなんですね。
 とにかくこの日は楽しい自衛隊役でした。

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