Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その11

2007年06月08日 | 制作裏話
デスゴジ編 Part.4


?未塗装状態のデスゴジ、反対のアングルから

 デスゴジの原型を作る際に、注意しようと思った点は3つありました。昨日話した「たるみ」「背びれ」「猫背」です。

 まずは「たるみ」。VSシリーズのゴジラはバトゴジ以降、スーツの造型のせいかややたるみが出始めています。特に下半身です。筋肉質を表現しているせいなのか、太い太もも、膝、足首辺りに見られるようになってきました。よくわからないという方は昭和のゴジラと比べていただければわかりやすいかと思います。VSシリーズゴジラの下半身の大きな特徴の一つです。特にデスゴジはスーツ自体が重いせいか、全身にもやや感じられます。
 Gメモリーズセレクションは「カッコかわいく」がテーマで4~5頭身ですので、全身たるみを強調するとかっこ悪いし、かわいさも半減してしまいます。ですから無理に大袈裟にそこはディフォルメする事なく、下半身だけちょっとそんなイメージで作りました。本当は足首はもっと細くなるはずですが、ウチのゴジラのサイズや造型ではソフビ成型上のヌキの関係で細くはできません。幸いな事に足のスネのたるみを入れる事で気にならなくなるように作る事ができました。

 次に「背びれ」です。これは前にも話したように一番大きい部分をまん中ではなく、上の方に持っていきました。Gメモリーズセレクションでのゴジラはディフォルメなので、背びれの配置や大きさ、比率はかなり本物と違います。前回はキンゴジだったので苦労しませんでしたが、この時は初めて大きめのせびれが3列共なので、配列に気を取られ過ぎたかも知れません。今にして思えばもっと一番大きい背びれを強調してもよかったかなとちょっぴり反省。

 そして最後は「猫背」。これが一番悩ませました。
 まずデスゴジはどうしても口開きタイプにしたかったんです。口開きで猫背にするには顔を上向きにするか、首から上を別パーツにするか、下顎だけを別パーツにするかしなければなりません。成型上のヌキの関係で(ボディ部分は尻尾の付け根から抜くためです)、ウチのゴジラのようなサイズや造型だとどうしても口開きと猫背の両立は難しいんです(私の技術不足、知識不足ももちろんあるでしょう)。
 首からの分割はどうしてもしたくないし、下顎を別に作って接着させるほど時間も予算もこの時はありませんでした。価格を上げれば他の方法も検討できたでしょうが、それもしたくない。
 確かに顔を上向きにすれば、メルトダウンの時のデスゴジのシーンのようになりますが、今後これからいくつかのゴジラを作り続け、並べた時にデスゴジだけ上を向いているのは嫌だったので、正面を向かせたかったのです。
 結局「口開き」と「猫背」のどちらかの選択になりました。もちろん前傾姿勢と言う手もありますが、それではデスゴジらしくありません。それで迷いに迷って「口開き」の方を選び、「猫背」は諦めたんです。
 いつか猫背のデスゴジも作ってみたいと思っています。
 

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