Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その14

2007年06月12日 | 制作裏話
デスゴジ スタンダードカラー編 Part.2


?デスゴジ スタンダードカラー 別アングルから

 体全体に使用する色をいろいろ考えた上で決定したのですが、他にもやってみたいことがいくつかありました。
 その一つが目の塗装です。多くのメーカーさんのレトロソフビの目はほとんどシンプルに塗られています。地色(白目にあたる部分)に円形で黒で塗るだけと言うパターンが主です。中にはキンゴジのような半円しか見えないはずのゴジラでも黒目を真ん丸に塗ってあるものもあったりと、ちょっと残念だなぁと思うものもありました。目にもそれぞれのゴジラの特徴はある訳です。できる限りデスゴジはデスゴジらしくというのを考えたかったのです。
 昭和のゴジラはほとんどが形こそはそれぞれですが、地色にシンプルに黒目で塗っても違和感はありません。ウチもキンゴジはそうしていますし。でも平成のゴジラは実物ははっきり3重の色になっています。例えばビオゴジからモゲゴジまではアイボリー系の地色にオレンジ系の瞳、中央に黒の円で作られています。他社さんはともかく、ウチの平成ゴジラの目は3重にしたいと思いました。さらにオレンジ部分は円形でのグラデーションカラーに見えます。それも表現したかったのです。
 マスクもキンゴジよりも遥かに多くなりますし、塗装の手間も倍以上です。これが大変でした。
 目以外にしたかったのは首筋等に見られるファイアーパターンのラインです。バンダイ製のソフビにはなくて寂しかったので、ウチのは付けたいなぁとずっと思っていました。しかし、これが悩みました。実物のスーツを映像やムック本で何度も見ましたが、シーンによってそのラインがまちまちです。劇中のものは複数のスーツを使用しているのですが、全部ラインの位置や太さ、本数が違うのです。ウチのゴジラはディフォルメですのでリアルに細かくラインを入れると違和感があるし、さらには時間的にそんな余裕はありません。ですから商品のラインの位置はあくまで羽沢組の解釈なのです。最低限のラインだけにしようという事でこのようなパターンになりました。ちなみに1体1体フリーハンドです。ですから全く同じものはありません。その点はご理解下さい。

 こうしてデスゴジの全ての色は決まりましたが、いざ塗装作業になるともう大変の連発!! ボディのファイアーパターンも細かく位置が決まっているので、スプレーするのは意外に大変です。スタンダードサイズぐらいあればもっと塗りやすかったのですが、小ささにこんなに苦労するとは思いもよりませんでした。さらに黄色系のワンポイントもあるし、首筋のラインもあるので、ボディや背びれだけでもかなり時間がかかります。そして目の塗装。
 それまでのキンゴジの塗装に比べて倍以上の時間や手間がかかってしまいました。発売後、何人かのメーカーさんから「塗装、凝り過ぎだよ」なんて笑われてしまいましたが、大変だった分できた時の喜びは大きかったです。「羽沢組の代表作」というお客さんもいらっしゃって、たくさんの方にお誉めいただきました。嬉しかったですね。この時のカラーリング、塗装は本当にいい経験になりました。
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