Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その103

2009年03月24日 | 制作裏話
制作裏話「キングギドラ スタンダードカラー」編 Part.2

■作りたかったのは「初代キングギドラ」

 新作造形を作る際は、まず最初にいつも登場作品のDVDを見て、持っている関連書籍やムック本等を何度か読み直します。キングギドラの時も同様です。
 文章の中であったり、画像や写真を比較したりして初めて気がつく事が多々あるのはいつもの事ですが、私にとってキングギドラではそれがゴジラに比べて実に多かった事が印象的です。

 前にも書きましたが、キングギドラの最初と言えばあのブルーのものが世に出た最初のギドラだと思われます。マスコミへのPR用に登場したそれは、全身が金色ではなく、ボディは青で翼は青と白と濃いめの赤の3色です。直立した姿勢はより翼を大きく見せ、頭の形もそれぞれ小さく逆三角に近い形でした。この時撮られた写真は後に劇場ポスターに使われ、ボディの青い部分だけが金色(に見える色)に加工されています。
 しかし、実際の『三大怪獣 地球最大の決戦』劇中のキングギドラは全身金色です。そしてブルーの時のようなカッコ良い姿勢ではありません。ブルーの時ほど足も長くはありませんし、翼の形も違います。中に人が入るのではなく、操演での怪獣なので、飛んでいる時以外は、常に前傾姿勢です。良く見ると顔の形も違う事がわかります。
 色の違いは一目でわかりますが、形や姿勢の違いは何度も映像を見て確認し、本類はできる限り写真の掲載されているものを集めました。
 もちろん他の昭和のキングギドラ登場作品も同様に確認しています。

 他人のディフォルメの先入観が無意識に入ってしまうので、いつも原型を作る際は、他社さんの同じキャラクターのソフビはほとんど参考にしないようにしています。ただ、造形的に参考にする事はほとんどないのですが、上手で合理的な成型のための抜きの方向やパーツの組み合わせ等を知りたく、他社さんのもののパーツ部分だけを参考にする時があります。
 キングギドラはそれまで作ってきたゴジラと違い、パーツの数から形状までまるで違います。Gメモリーズセレクションでは、いつもゴジラは7~8パーツですが、キングギドラはどうしても最低12パーツは必要です。
 羽ものも初めてですし、3つの首や、たくさんある頭の角や突起等をどうやって作りたい形を維持したまま成型時に抜けるように作るか、いつもより考え込みました。
 他社さんのキングギドラもこの部分で参考にしようと思ったのですが、正直な所、直接的な参考にはならなかったのです(下手だとかカッコ悪いからと言うようなネガティブな理由ではありません……誤解のないように)。
 なぜかと言うと、弊社が作りたいのは、スチールのかっこいい姿勢の物ではなく、他の作品に登場したものでもなく、あくまで『三大怪獣 地球最大の決戦』で見られる前傾姿勢でゴジラ達と戦ったちょっとくたびれた感じの「初代キングギドラ」だからです。

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