Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

昭和後期3作ゴジラ その10

2011年12月21日 | 羽沢組的怪獣見聞録


10 まとめ

 長々と書いてきた「メガロゴジラ」「74ゴジラ」「75ゴジラ」について。今日はまとめです。

■いつか「75ゴジラ」も!?
 流用スーツのため、一見そっくりな「メガロゴジラ」「74ゴジラ」「75ゴジラ」。この3つのゴジラについて、使用スーツや違い等を書いてきましたが、調べてみると言っても実際の所、スーツそのものは現存していませんから、映像や書籍に掲載されている写真で判断していくしかありません。書籍等による当時の関係者の証言コメント(数は少ないのですが)を読んでも、多少の矛盾は感じられる事もあります。
 今回の「見聞録」もあくまでも弊社としての解釈や判断もありますので、その点はご了承下さい。
 違い等にあまりこだわらない方やライトなゴジラファンの方々にとって、これらは特に気にするべき事ではないのかもしれません。が、ある程度知っていただければゴジラの世界そのものをもっと楽しめると思いますし、発売する弊社商品でも楽しんでいただけるものと思います。そしてコアなゴジラファンやこだわっている方々にとっては、今後の参考にしていただければ幸いです。

 弊社で発売する「メガロゴジラ」「74ゴジラ」については、これら調べてみた事を参考にしてディフォルメの中で形にしたものです。それぞれの特徴等はまた改めて「こだわり」で書きたいと思います。
 また、将来的には「75ゴジラ」もいつか商品化したいと思っていますので、その際はまた具体的に違い等をこの「見聞録」か「こだわり」で書くつもりです。

 今回の「見聞録」は、3つのゴジラという事で、長々と書いてきました。お付き合いありがとうございます。

昭和後期3作ゴジラ その9

2011年12月20日 | 羽沢組的怪獣見聞録


9 3つのゴジラの違い(2)

 今日も「メガロゴジラ」、「74ゴジラ」、「75ゴジラ」の違う部分について。昨日の続きです。


▲弊社商品原型状態の際に、背びれの比較用に用意した検討用画像です。
弊社の両商品の背びれはディフォルメのため、4枚部分はくっつけて造形しています。
それでも形状の違いはしてありますので、参考になれればと思います。


■もう一つの大きな違いは背びれ
 気がつかない方も多いようですが、「メガロゴジラ」と「74ゴジラ」では背びれが違います。形が違うのではなく、中央の4枚の大きな背びれの形は同じものの、配列が違っているのです。例えば「メガロゴジラ」での上から2番目の一番大きなものは「74ゴジラ」では3番目になっています。
 単なるケアレスミスなのか意図的なのかはわかりません。
 同じものを使っていると思われますが、こうして配列が変えられている珍しいケースです。
 ちなみに「75ゴジラ」の背びれは「74ゴジラ」と同じ配列ですが、若干前の2つより厚く感じるのは気のせいでしょうか。3つのゴジラは同じ型のラテックス成型なのだそうですが、モールドの成型の際に厚くした可能性は否定できないと思われます。
 色はいずれも背びれの先端からそれぞれの背びれの中央にかけてシルバーで塗装されています。3つ以外の他のゴジラに比べて先端だけではなく、広く塗られているのがわかります。特に「74ゴジラ」はシルバーの部分がさらに多く、背びれがほぼ全体シルバーに見えています。
 頭部以外に背びれでも3つのゴジラは区別できる事がわかるのです。

 基本的に他の部分に大きな差はありません。が、表面のモールドは「75ゴジラ」の時にはかなりはげており、足回りや腰の部分では若干のたるみもある事からアップで見ると少々痛々しさを感じます。

昭和後期3作ゴジラ その8

2011年12月19日 | 羽沢組的怪獣見聞録


8 3つのゴジラの違い(1)

 今日は「メガロゴジラ」、「74ゴジラ」、「75ゴジラ」の違う部分について。


▲弊社商品原型状態の際に、目の部分の彩色検討用に画像ソフトで作った仮のサンプル画像です。
ディフォルメを前提とした彩色検討用ですので、実際のスーツのようにリアルではありませんが、参考までに。


■一番の違いは眼球
 これまで何度か書いてきましたが、「メガロゴジラ」は新規に作られたスーツです。それを流用し一部改修して作られたのが「74ゴジラ」、さらにそれをまた改修して流用したのが「75ゴジラ」です。それらの差や改修部分について書きます。

 大きな違いは頭部と背びれです。まず今日は頭部について。
「74ゴジラ」の頭部は「メガロゴジラ」のものをそのまま改修したと思われます。が、内部のアンコ(スポンジ等)の入れ方が微妙に違うせいか頬や鼻の周りの凹凸加減に違いが見られます。特に目の上のおでこ部分は「メガロゴジラ」の方が若干大きく前に突き出たように感じます。
 表面のモールドでも「メガロゴジラ」の方が細かく荒々しいつき方をしているのですが、アップで見ないとわかりにくいのですが、おでこから頭頂部にかけては比べてみると違いがよくわかります。
 一番の差は眼球です。「メガロゴジラ」は黒目が大きく、瞳はオレンジからブラウン、ブラックと3重の色をしており一部グラデーションになっていますが、「74ゴジラ」では黒目部分はほぼ半円になり、ハイライトも白だけになりました。さらに写真や映像でもほとんど見えないのですが、白目の部分には細かな血管も書き加えられていたそうです。
 眼球そのものが完全に作り直されているので、目の大きさや見えている形も違う事が分かります。
 そして「75ゴジラ」になりますと、頭部そのものが別のものに作り直されています。愛嬌のある顔から精悍でやや怖い表情の顔に変わりましたので、この違いは気がついている方は多いでしょう。
 眼球は若干小さめになった半円の黒目ですが、白のハイライトはなくなりました。

昭和後期3作ゴジラ その7

2011年12月17日 | 羽沢組的怪獣見聞録


7 メガロゴジラと74ゴジラ(2)

 今日も「メガロゴジラ」と「74ゴジラ」が同じであると多くの方が勘違いされている事について。昨日の続きです。

■もう一つの原因はソフビメーカーさん?
 2つのゴジラが全く同じと勘違いされているもう一つの原因は、ソフビフィギュアのメーカーさんかもしれません。
 いくつかのゴジラのレトロタイプソフビを発売されているメーカーさんからは、これまで「メガロゴジラ」が発売されました。その多くが「74ゴジラ」を作っていません。そして「メガロゴジラ」を「メガロやメカゴジラと戦ったゴジラ」として紹介、売り文句にしていたケースが多いのです。中には同時期に「メカゴジラ」も発売していた所もありますので、さらに勘違いをさせてしまう要因を大きくさせたのだと思われます。
 商売のために知っててあえてそうしていたのか、書籍等の情報をそのまま鵜呑みにして「メカゴジラと戦ったのもメガロゴジラ」と思い込んでいたのかは不明です。

 あくまで推測の域を出ませんが、いずれにしてもこれらの2つの原因が多くのゴジラファンの間に浸透してしまい、勘違いされている事が多いのではないかと思われます。
 他にもスチール、ブロマイド、カード等の商品では合成で怪獣の対決シーン等が作られていますが、それらでもゴジラが混合されていたりしていますから、それも要因の一つかもしれません。
 さらに『メカゴジラの逆襲』のマスコミ向けスチール発表の際は、後に本編撮影で使用する「75ゴジラ」ではなく、「74ゴジラ」を使っていたりもしていますから、「75ゴジラ」も含めて3つのゴジラがいろいろと混合されてしまっている印象があるのでしょう。

 余計なお世話かもしれませんが、ご存じなかった方はこの機会に3つのゴジラは、形状が別のものであると覚えていただければと思います。

昭和後期3作ゴジラ その6

2011年12月16日 | 羽沢組的怪獣見聞録


6 メガロゴジラと74ゴジラ(1)

 今日は「メガロゴジラ」と「74ゴジラ」が全く同じであると多くの方が勘違いされている事について。

■原因の一つは多くの書籍
 弊社商品「メカゴジラ」を発売した時に、「メカゴジラと戦ったメガロゴジラも今度作って下さい」と数人の方々から言われました。メカゴジラと戦ったのは「メガロゴジラ」ではなく、顔や背びれが違う「74ゴジラ」です。
 どうやら『ゴジラ対メカゴジラ』に登場したゴジラ(74ゴジラ)は、前作の「メガロゴジラ」の完全流用スーツであると勘違いされている方が多い事がわかりました。
 弊社商品をお求めいただいている方以外にも、これまでも他のゴジラファンの間でもそのような勘違いをされている事が多々あると感じていたのです。

 これらの原因は大きく2つあると思われます。
 まず一つはこれまで発売されてきた多くの書籍、ムック関係で記載されている事。堂々と「『ゴジラ対メカゴジラ』では前作の着ぐるみが使われている」というようなニュアンスなのです。
 当時の東宝からのリリースがそうだったのか、編集者やライターさん達がよく調べないままで書いたのか、改修・変更箇所はあるものの手足や尻尾、ボディ部分だけは共通なので簡単に「流用」としたのか、理由はわかりません。古い書籍でそう書かれていたものをそのまま信じてさらにそう書いたものも多いでしょう。
 もちろんわずかではありますが、正しく書かれてあるものもあります。が、数多いゴジラ関係の書籍では多くがこの2つのゴジラが同じである、もしくは同じと勘違いされても仕方がない表記になっているのです。

 続きはまた明日。

昭和後期3作ゴジラ その5

2011年12月15日 | 羽沢組的怪獣見聞録


5 アトラクションスーツ

 今日は当時使われていたアトラクションスーツについて。にせゴジラ以外にも実は作品の中に登場していました、

■複数存在したアトラクションスーツ
『ゴジラ対メカゴジラ』に登場したにせゴジラがアトラクションスーツであったように、当時はデパートの屋上イベントや企業やお店の催し物等で、複数のゴジラのアトラクションスーツが東宝によって作られていたそうです。
 種類もいろいろあって、にせゴジラで使われたようにサイズ的には本スーツと同じものから、全く動かない展示用もあり、それらはサイズもまちまちだったようです。動けるものも複数あったようで、どれほどあったのかは定かではありません。いずれにしてもクオリティは各作品の本スーツにはおよびもしないレベルのものですが、いろんな動きを要求されるイベント用で子供達を対象にしていた事を考えれば、時間的も予算的にも劇中のものに近くするのは無理だったのかもしれません。

 また、にせゴジラ以外に『ゴジラ対メカゴジラ』ではもう1種類別のアトラクションスーツが使われています。本物のゴジラが沖縄に現れるシーンです。海の中から登場するほんの1~2秒だけ。ゴジラ映画での海用ゴジラスーツは古い作品で使われたものを流用改修して使われるのが定番でしたが、この時はアトラクションスーツ(にせゴジラのものとも顔かたちが違う)が使われました。気がつかれなかった方は映像で再確認されて下さい。
 ちなみに前作『ゴジラ対メガロ』での海用でもアトラクション用のものが使用されています。これはまた更に別のもので、人が中に入らない動かないものだったようです。

昭和後期3作ゴジラ その4

2011年12月14日 | 羽沢組的怪獣見聞録


4 にせゴジラ

 今日は『ゴジラ対メカゴジラ』に登場したにせゴジラについて。「74ゴジラ」本スーツと無関係ではないのです。

■にせゴジラはアトラクションスーツ
「74ゴジラ」が登場した『ゴジラ対メカゴジラ』にはにせゴジラが登場します。ウルトラマンや仮面ライダーでも偽物が登場したように、こういった展開はヒーローものの定番でもあるので、よりゴジラの「正義」側がはっきりした表現でもあると言えるでしょう。
 そのにせゴジラは、メカゴジラが化けて(?)いるのですが、シーンによって複数のスーツが使い分けられています。出現する所から本物のゴジラが現れるまでは「74ゴジラ」の本スーツが使われています。本物のが現れてからは、アトラクション用スーツ。明らかに別物と子供もでもわかる作りです。顔もややしまりのない(ごめんなさい)表情ですし、背びれは一つ一つがかなり太く厚いものです。体表のモールドも大きく、迫力がありません。物語の途中でにせゴジラの「顔が変わった!」とゴジラに詳しくない方でも一目でわかります。
 直接対決の時は、にせゴジラでも両方のスーツで撮影されているので、本物のゴジラか悪者のゴジラかは鳴き声や熱線(ビーム)で判断するしかありません。
 いずれにしてもアトラクションスーツを使わざるを得なかったのは、どうやら予算の都合が原因のようです。2体並ぶためとはいえ、その点は少々残念な所です。

 余談です。劇中ではにせゴジラの腕の一部がはげて内部のメカ部分が見えてしまっているシーンがあります。これはアトラクションスーツの方です。「74ゴジラ」の本スーツのフィギュアの腕だけをはげた形状にして、にせゴジラとして作られた他社商品もありましたが、物語の流れという事でその点は多めに見ていいと思います。ただ、無版権・無許可で改造されて販売されていたものもいくつかあったようで、それは違法です。個人で改造して楽しむ分にはかまわないと思います。

昭和後期3作ゴジラ その3

2011年12月12日 | 羽沢組的怪獣見聞録


3 劇中スーツの流れ(2)

 昨日の劇中スーツの流れの続きです。今日は「メガロゴジラ」から流用された「74ゴジラ」と「75ゴジラ」について。

■「74ゴジラ」と「75ゴジラ」
「メガロゴジラ」に続いて登場したのが「74ゴジラ」です。
 こちらはほぼ同じ形状でありながら、頭部(特に眼球)や背びれを変えている流用スーツです。「メガロゴジラ」に比べて、子供達の目から見るとより親しみのわく表情になっている事からさらに「正義の味方」感が増したと言えます。特に敵は武器が満載の強さを前面に出したメカゴジラですから、勧善懲悪がよりわかりやすくなっている事がわかります。
 この『ゴジラ対メカゴジラ』には、にせゴジラも登場します。これも本物の「74ゴジラ」に関係するのですが、これについては後日改めて。

 そしてラストは「75ゴジラ」です。「74ゴジラ」に似てはいるものの、顔が違うので多くの方がご存知の事と思います。基本的には頭部以外は、ほぼそのまま「74ゴジラ」の流用のようです。背びれも基本的には同じ配列です。
 その顔はやや精悍な表情に変えられました。敵が更にパワーアップしたメカゴジラだけではなく、チタノザウルスも現れているので、ゴジラを強く見せたいからという説と、単純に「74ゴジラ」がかわいすぎたから怖さを増すためという説がある等、複数の理由があり真実はわかりません。これらは各書籍で書かれている事が違うので、今度中野監督にお会いした時に聞いてみようと思います。
 顔以外は「74ゴジラ」の時のままのようですが、体表の細かなモールドがかなりくたびれてはげてしまっています。比べてみるとわかりますが、「メガロゴジラ」の時と比較して全体的にたるんでしまっている感がよくわかるボディになっています。顔は改修されているので気になりませんが、ボディそのものはアップで見ると少々痛々しさをも感じてしまいます。2年の歳月が感じられる部分です。

 続きは明後日。

昭和後期3作ゴジラ その2

2011年12月11日 | 羽沢組的怪獣見聞録


2 劇中スーツの流れ(1)

 3作のゴジラについて調べてみた事。今日は時系列を追いながら、これらのスーツの流れを簡単におさらいしてみます。

■メガロゴジラの登場
 まずはこの3つのゴジラの前のゴジラ。『怪獣総進撃』(1968年)で新たに作られた劇中スーツは、『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』(1969年)、『ゴジラ対ヘドラ』(1971年)、『地球攻撃命令 ゴジラ対ガイガン』(1972年)と、4作で流用・改修されて使われました。
 その次が『ゴジラ対メガロ』(1973年)なのですが、それまで使っていたスーツの損傷が限界であった事や変身ヒーロー全盛の時代背景によるターゲットの低年齢化等の理由等で、あらたにコミカルで愛嬌のある外見の新規ゴジラのスーツの作成となったようです。

 この「メガロゴジラ」から始まる3作流用スーツのゴジラは、それまでのゴジラに比べて表情の怖さが軽減されて愛らしい顔になりました。後に昭和後期のシリーズを締めくくる訳ですが、「ゴジラは怖い存在でなければならないという大人なファン」に残念な思いをさせたと言われています。が、当時の子供達にとってはゴジラに対してより親近感が湧き、愛着を感じ、ゴジラが身近な存在と思えるものになったのは言う間でもありません。
 円谷プロのウルトラシリーズのヒットに代表されるように、当時はヒーローもの全盛。玩具や文具等でもヒーローや怪獣がたくさん見られ始めていた時代です。やや便乗感がありましたが、東宝でもテレビシリーズ『流星人間ゾーン』をスタートさせたのも1973年です。
 ここにゴジラもゲストで登場(他にガイガン、キングギドラ等)。映画館でしか見られないゴジラがテレビでもみられる喜びは当時のゴジラ好きの子供達を夢中にさせました。と同時に、対メガロでの立ち回り同様にゴジラの「正義の味方」の印象をより強く、ほぼ(当時としては)確定させたのは事実と言えるでしょう。

 続きはまた明日。

昭和後期3作コジラ その1

2011年12月10日 | 羽沢組的怪獣見聞録


 1月発売予定の「メガロゴジラ」、2月発売予定の「74ゴジラ」を前に、いくつかそれぞれのゴジラの特徴や劇中スーツ(着ぐるみ)の流れを弊社なりの解釈で調べてみました。さらに同じ流れの流用スーツという事で、「75ゴジラ」も含めてのものです。
 詳しく知らなかった方にはぜひ参考にしていただければ幸いです。


1 調べてみた事

■3つのゴジラの呼称
 まず、弊社では『ゴジラ対メガロ』(1973年)に登場したゴジラを「メガロゴジラ」、『ゴジラ対メカゴジラ』(1974年)に登場したゴジラを「74(ななよん)ゴジラ」、『メカゴジラの逆襲』(1975年)に登場したゴジラを「75(ななご)ゴジラ」と呼称しています。
「メガロゴジラ」は一般的に多くのファンがそう呼んでおられますが、他の2つはファンの間では呼び方は様々なようです。
 もちろんこれらは版元の管理する正式名称ではありません。Gメモリーズセレクションとして発売する「メガロゴジラ」「74ゴジラ」は、東宝様に許諾いただいた弊社の商品名です。その点はご理解下さい。

 この3つのゴジラは、年号でもわかるように続けて作られた作品でのゴジラです。そして皆さんがよくご存知の通りゴジラの劇中スーツは流用で使用され、それぞれ一部を改修して映画に登場しています。
 弊社のようにゴジラ商品を扱う所や造形に深く興味がある方にとっては、流用スーツとはいえ、違いや共通部分、改修箇所等、ゴジラの造形そのものの詳細を知っておきたいという希望があります。
 特に立体化して商品にする訳ですから、ディフォルメとはいえ嘘をつくわけにはいきません。ごまかしてもゴジラに詳しいファンの方々にはすぐバレちゃいますから。
 今回似ている3つのゴジラのうち、2つを商品化するので、原型の制作前から現在の生産中の今に至るまで、可能な限り資料や映像でこれらを調べてみた事、気がついた事を書いていきたいと思います。

 続きはまた明日。

平成ゴジラのいろんな思い出 その12

2011年10月25日 | 羽沢組的怪獣見聞録


VSシリーズを振り返って

■まだまだ奥が深いVSシリーズ
 連日に渡って書いてきた平成VSシリーズの思い出巡りですが、まだまだ書ききれない催し物、商品、現象、影響等はたくさんあります。地域的限定、数量的限定等あまり知られていなかったものも多数あり、私自身もおそらくは一部しか把握していないと思っています。
 それだけゴジラ映画の中だけではなく、日本の特撮界に多大な影響を及ぼしたシリーズと言えるでしょう。
 日本の経済事情や時代の流れというものも多大に影響しているとは思うのですが、決して昭和のシリーズが低迷という事ではないとは思うのです。が、VSシリーズはタイミングや方法、アプローチの仕方でもファンの心をつかみ、企業や団体を動かし、新たに映画全般としても興行的にも一つの成功パターンとして確立させたものと言えます。

 本当はいくつかの私が行った事のある催し物の写真や、多少なりともコレクションしている珍しいグッズを写真に撮って掲載したかったのですが、写真もグッズも奥にしまい込んでいて取り出すのに大変だったので、今回は少ししかお見せできませんでした。また、機会がありましたら紹介させていただきたいと思いますし、エピソード等もまた書きたいと思います。
 今回は仕事で24時間ほとんど頭の中がゴジラだった時があったので、いろいろと公開当時の事が思い出されこうして書かせていただきました。あらためてVSシリーズの熱や当時の自分の思いもまた思い出した私です。
 これからまた年末に向けてデザインの方でどっぷり平成VSシリーズのゴジラに浸かる予定ですので(笑)、また時間を作って何か書きたいと思います。

平成ゴジラのいろんな思い出 その11

2011年10月24日 | 羽沢組的怪獣見聞録


その他のゴジラ商品

 平成ゴジラの思い出巡り。今日は珍しいゴジラ商品について。

■いったいいくつあるんでしょう!?
 これまでここで書いてきたように、平成VSシリーズのヒットは多種に渡ってたくさんの企業・メーカー・団体が関わるようになり、多くの催し物、商品、企画、現象が生まれました。
 その中の関連商品ですが、特撮作品に関連するものとして玩具、書籍、文具、キーホルダー、貯金箱、カレンダー等はそれまでにもよく見られたものです。しかし、そういった通例的商品以外にもゴジラ商品は数多く展開されました。

 中には大変珍しいものもあります。時計、灰皿、陶器各種、歯ブラシ置き、カーテンフック、電灯の紐、文鎮、クリスタルオブジェ、フィギュアタイプのペン立て、香取器、消臭スプレー、スタンドライト、スリッパ、パジャマ、マッチ、ライター、ルアー……。生産数が少なかったり、告知をほとんどしていなかったりしたものも多かった事から、今でも多くの方に存在を知られていないものもあると思われます。
 例えば時計でも複数のメーカーが企画し、VSシリーズタイプのゴジラだけでも腕時計、目覚まし、壁掛け、卓上とそれぞれまた複数種類があるので、いったいどれぐらいの数があるのか把握できていません。懸賞のもの、アーケード景品も加えると更に種類は増えます。時計一つでもこれほどですから、「ゴジラ商品」というくくりにしたら大変な数になる訳です。
 メジャーなものからこういったマイナーなものまで、全て持っておられる方はいらっしゃらないとは思いますが、コレクターにとってはかなり奥が深い世界と言えるでしょう。

 当時私がこういった珍しいものを買えた時は、ほとんどがスーパーやデパート、雑貨店等で偶然発見したもの。情報を先に入手してから買ったものはごくわずかでした。中には海外製のものもありますし。
 今でも見つけた時には買ってはいるのですが、未だに「ゴジラでこんなのもあったんだ」とイベント等で発見することがたまにあります。そういう時はたいていVSシリーズの時に発売されていたものだったり、その後の発売商品でもモチーフがVSシリーズのゴジラだったりする事が多いのです。
 知らないゴジラ商品はまだまだありそうです。困ったもんです(笑)。

平成ゴジラのいろんな思い出 その10

2011年10月22日 | 羽沢組的怪獣見聞録


食玩・景品

 平成ゴジラの思い出巡り。今日はスーパーやコンビニで見られる食玩と、メーカーやイベント主体の景品について。

■全ての数は未知数!?
 バンダイをはじめ複数のメーカーから食玩が続々と発売され出したのもVSシリーズからと言えます。
 ゴジラのパッケージの小さな商品が、スーパーやコンビニで売られるようになりました。塩ビのミニフィギュアシリーズ、指人形タイプのソフビ、ちょっとした組み立て式のフィギュア等、怪獣カード等子供向けのものが中心となっていたようです。
 大人としても安価なので、シリーズ物をまとめて買うマニアやファンの人達の「大人買い」もできましたし、その食玩のシリーズがある程度続いていた事から売り上げは良かったと思われます。

 また、メーカーとのタイアップやイベント関連とのコラボでも景品や応募でゲットできるゴジラグッズがいろいろと登場し出したのもVSシリーズからと言えます。
 企業戦略としてもゴジラのイメージや人気は効果があると考えられた訳ですから、VSシリーズのおかげでよりゴジラというものが世間に浸透していった事の表れでしょう。
 そういう意味では実に様々な企業が関わったことになりますから、経済効果も計り知れないものになったと言えるでしょう。モスラ三部作やミレニアムシリーズもその恩恵に授かったことになります。

 私も買える食玩はだいたい買えましたが、景品となると手に入れられなかったものも多数あります。近年になってもVSシリーズ関連で「こんなのもあったのか」と知る事すらあるぐらい、情報がなかったものもあります。
 当時、存在を把握していた景品でもゲットできなかったものもいろいろあるのですが、今では高値がついて手が出ないものもあるので、その辺が辛い所です。
 限られたアミューズメント施設での限定品や地方のイベント等で用意されたものの中には、フィギュア系だけではなく小さなシールやステッカー、カード等もあったらしく、数や規模も少なかったと思われるので、まだまだ広く知られていないものはこれからも発掘されるかもしれませんね。

平成ゴジラのいろんな思い出 その9

2011年10月21日 | 羽沢組的怪獣見聞録


関連書籍

 平成ゴジラの思い出巡り。今日はムック本や関連書籍について。

■シリーズ毎に各社から発売
 ゴジラが復活!という事で『(84)ゴジラ』が話題になり、VSシリーズが続けられた事で、各出版社からたくさんのムック本や関連書籍が発売されました。
 それぞれの映画公開に合わせて、講談社、小学館、学研等の大手から中堅どころ、映画関連を中心に発売している出版社まで多数ゴジラ映画の特集号が発売されました。
 モスラ三部作、ミレニアムシリーズでも続いたのですから、それだけ部数が売れたという証拠です(後半は減少していきましたが…)。
 こういったパターンもVSシリーズがきっかけと言えます。
 実際にVSシリーズでも後半になればなるほど、東宝でも使用できる(貸し出す)写真の点数を多くキープしている事から、そういったニーズに応えるべく用意していたと言えるでしょう。(ですから『VSビオランテ』は『VSデストロイア』に比べれば現存している写真というのは遥かに少ない訳です。おそらくは出版社独自でストックしているものも同様と言えます。)

 これらの関連書籍やムック本が多く出回るという事は、それだけゴジラや特撮映画に関連した編集者やライター等も多く排出した事でもあります。現在多方面で活躍されている方々の多くは、昭和ゴジラでファンになり、VSシリーズでプロとして育った方々。今ではリアルVSシリーズから影響を受けてプロになった方々もいらっしゃいます。

 こうしてたくさん発売された書籍ですが、現在は弊社でもソフビ作りに大いに役立っています(最近はゴジラ関係の本のデザインの方でも)。
 ある意味ではゴジラ映画の記録の一つでもあるので、ここ数年は昔買い損ねていたものを見つけるとつい買ってしまう私です。

平成ゴジラのいろんな思い出 その8

2011年10月20日 | 羽沢組的怪獣見聞録


ソフビフィギュア

 平成ゴジラの思い出巡り。今日は劇場等で販売された限定ソフビの話です。

■限定品のゴジラソフビ
 ゴジラ映画、モスラ3部作等の公開時に、劇場で限定発売されるバンダイ製のソフビフィギュアが定番となったのもVSシリーズからでした。
 特に話題となったのは『VSデストロイア』時の限定ソフビゴジラ。転売目的の方が大量に買い占めてすぐに売り切れになるという現象もここから始まったと言えるのかもしれません。
 彼らはいち早く再入荷の時期を調べ、入荷する日には早朝から並び開場と共に買い占め、映画を見ないですぐ帰るという事も多々見られたそうです。当時は映画館の人たちもこういった現象に慣れていなかったようで、たくさんまとめて買ってくれるありがたいお客さんという目で対応していたようです。
 後にこの「バンダイ製の限定ゴジラソフビ」は、モスラ3部作、ミレニアムシリーズでも行われ、さらにはイトーヨーカドー限定やHMV限定、バンダイミュージアム限定等いろいろなバージョンで、転売目的の方VS純粋に個人で欲しいと思っているファンの構図を作ることになります。
 東宝に責任はないとは思いますし、一部の劇場やタイアップ企業の売り方に問題があったとは思いますが、そういった現象もVSシリーズがもたらした間接的な影響と言えるでしょう。
 それだけゴジラに対する多くの方々の熱があったと言う事の表れなのでしょう。

 私も欲しくても変えなかった事がありましたし、限定ソフビの購入を巡っての他人の醜いモメ事も目にした事があります。同じような経験をされた方も少なくはないと思います。
 規模は全く違うので、比べる事もないのですが、後に羽沢組でゴジラソフビを販売する時には当時の事は参考にも反面教師にもなっている事は確かです。