大好き!藁科川

静岡市の西部を流れる清流・藁科川の自然・文化の魅力やイベント等の情報をお届けっ♪

古老逝く

2011年06月15日 | 日記
庭に箒の目が残るような気持ちが行き届いた住まいに暮らし、足が不自由になりながらも、しゃんとした姿勢に頑健な表情。そして地域の歴史に精通し、近寄りがたく、でもぜひお話が聞きたい…。

“地域の古老”

そんな言葉が、まさにふさわしい方が先日亡くなりました。

色々なお話を伺いたかった。
入院されていらっしゃると聞き、お戻りになったらぜひと思っていました。
けれども、すっかり整頓されていたお家の様子を垣根越しに見て、覚悟のようなものも感じていました。

ほんとに一度だけお会いし、お話を聞きながら一緒に地域を回らせていただいた日のことを
思い出しています。楽しく、そして光栄でした。

山間地の人の少ないところに暮らしていると、このようにお一人でもご高齢の方がお亡くなりになると、地域の歴史がごそっと抜けてしまうような感じを覚えます

心からご冥福をお祈り申し上げます。

私のようなものでも、少しでもお気持ちをつなぐことが、このブログの意志です。

合掌


樫ノ木峠

2011年06月14日 | 地理・地形
オフロードを走るバイクや自転車の人にはお薦めの凸凹道に揺られること約30分。藁科川上流の大川地区・日向から籠沢川沿いの林道樫の木線を車で上り、樫の木峠に出掛けました。

途中、萩多和城跡の石碑や、岩盤が露出する切り通しを経由して、慎重に落石や溝をよけながら走る。樫の木峠というサインは道沿いに見当たらなかったものの、東側斜面に抜ける手前で道が広がり、大きな「市有林登山口」という道標が目について、“このあたりでは?”と思い車を止めてみました。

降りて周りを歩いてみると、大きな杉の下にお地蔵さまが座り、控えめに「樫の木峠」と案内板を見つけて峠を確認。よく見れば、近くに「森林基幹道 樫ノ木峠線開通記念 平成16年10月吉日」という石碑もありました。大きなケヤキやマツ科の木が気持ちよく枝をはっています。

柔和な表情の石仏には、「文政九年」と刻まれていて、調べてみると1826年とのこと。約200年近く歳月、この峠を見守ってきたんですね。

「夕暮山」という表示もあり、山頂が近いのかと峠から北西方向への山道を、尾根部まで登ってみましたが、残念ながらピークは確認できず、次回のお楽しみということにして峠を後にしました。

山のクリオネ

2011年06月13日 | 自然&生き物
藁科川の最上流部・大間の福養の滝に向かう途中に、ギンリョウソウの花を見つけました。湿った薄暗い森の林床に生え、全体が透明感のある白。その姿を龍に見立ててこの名前がついたそうですが、この写真をみた知人が「山のクリオネ」と名づけてくれました。

はとり探検隊出発!

2011年06月12日 | 行事レポート
「身近な地域を探検してみよう!」を合言葉に、藁科川下流・服織児童館主催のイベント「はとり探検」に講師として招かれ、参加してくれた子どもたちと一緒に、児童館の周りを歩いてきました。

三択のクイズ形式にしたサインを、地域のあちこちに張りだして、それを探しながら地域をまわろうというクイズラリー形式のプログラム。

途中、ツバメを観察したり、田んぼの生き物を覗いてみたり、畑の作物当てげー、ムや、庚申塔や記念碑の由来を考えするなど、サインを見つけては走り出す元気な子どもたちの背中を追いかけながら、無事にプログラムを終了することができました。

下見や実施を通して、改めて羽鳥地域が水に恵まれた地域であることを再認識。子どもの笑顔にも囲まれて、とてもハッピーな時間でした。

大川地域内ツアー敢行

2011年06月11日 | 行事レポート
藁科川上流・大川地域では、地域のこれからを考える地域振興協議会の会合が月1回のペースで開催されていますが、今年度の第2弾「大川地区内ツアー2011」が実施されました。

朝の出発時には大雨・・・一事は「中止では?」という声もありましたが、午後から天気が回復するということを見込んで、コースを下の地域からに変更して、集合場所の大川地区センターを出発しました。

トップバッターは坂ノ上地区。ヘリポートとして整備された場所を案内して頂き、薬師堂まで登り、文化遺産の維持管理の大変さについて等のお話を地元の方から伺いました。

次は、栃沢の龍珠院にのぼって、カヤの大木の下で、地域おこしの現状などについて意見交換を行い、日向の福田寺観音堂に移動して、七草祭りやかつての暮らしぶりなどついてのレクチャーがありました。

諸子沢は、もっとも奥の大道島まで入り、続いて平ノ尾の方にのぼって地内の広がりを体感しました。昼食は、湯ノ島温泉横の玄国茶屋で、地元の幸が盛りだくさんの定食を頂き、その余韻に浸りながら、集落の地誌や、温泉をもっと元気にしたいという話を伺いました。

ここからは一気に高度を上げて、楢尾の青少年の家に入ってまずは施設見学し、これまで管理を勤めていらした地元の方の説明をきっかけに、中山間地における教育についてディスカッションしました。

そして、楢尾の石仏さんを経由し、最後のとりは大間。摺墨庵に車をとめ、有志で福養の滝の見学。帰って、石窯のある山小屋を見学し、ツリーハウスに登って藁科の谷を見ながら、縁側お茶カフェの取り組みなどを聞きました。

地区センターまでに戻って解散。午後にはすっかり雨があがっていて、メンバー内も和気あいあいの雰囲気に。

改めて、大川地区の広がりを体感することができ、各地の見どころや課題などを総ざらいすることができた贅沢ツアーとなりました。

来月は地区外ツアーとして、近隣の元気な活動や施設を視察してきます。


大きな望み

2011年06月10日 | 自然&生き物
静岡市の花をご存知ですか?答えは・・・・
そう、ピンポーン!













「タチアオイ」です。

先日の新聞で、この藁科川沿いにタチアオイの見どころがあるという情報をキャッチし、早速出向いてみました。
「どこかなぁー」と現在工事中の第2東名の高架の下にかかる藁科橋を渡ると、探すまでもなく直ぐに左手下に見つかりました。
小瀬戸川沿いに50mほどの長さで、太い茎をまっすぐにのばした背の高いタチアオイの花々が背比べをしていました。

このタチアオイの花言葉が「大きな望み」。
梅雨入り頃に下から順に花を咲かせ、上まで咲ききった時が梅雨の明ける頃だそうです。

トクトクッ・トクトクトクッと

2011年06月09日 | 地理・地形
藁科川下流の羽鳥地区を、周りを見ながら、少し丁寧に一時間ほど散策してみました。

羽鳥地区は、近年は市街地のベットタウンとして、住宅の建設が進み、かつてののんびりとした田園風景は、かなり失われてしまったと聞きます。

確かに、ま新しいお家が建ち並び、車や人の行き来も多いところですが、細い路地などを曲がり、少し地区の中の方に入ってみると、家の間に田んぼが開け、水が湧き出ているところもあります。気づくと何度も渡っている用水には、トクトクと水量豊かな水が勢いよく流れ、改めて羽鳥地区が水に恵まれた地域ということが分かりました。

そんな用水の脇に、鮮やかな色のハナショウブの群落を見つけ、とっても儲けてしまったような気分になりました。

蛍袋

2011年06月08日 | 自然&生き物
昨晩、上の娘を誘って川辺まで出ると、対岸の岸辺の暗闇にホタルの光が点滅しました。

その光に呼応するかのように、藁科川沿いの道路のアチコチには、いつの間にか釣鐘状のホタルブクロの花が咲いていました。ガクのところが反りかえらないので、ヤマホタルブクロの方でしょうか。

沿道には釣り人の車が止まり、アユ釣りのシーズンが藁科川に到来しています。

大川地区の各標高

2011年06月07日 | 地理・地形
用事があって、藁科川上流の大川地区センターにお邪魔すると、壁に「大川地区の標高」という資料が添付してありました。

日本平は308mだそうです。
それでは、大川地区の各ポイントの標高はどのくらいでしょうか?

日向  200m台
坂ノ上 200m台
栃沢  400m台
湯ノ島 300m台
諸子沢 300~500m台
崩野  500m台
楢尾  500m台
大間  700m台
畑色  500m台

大川小学校 268m
大川地区センター 240m
萩多和城跡 770m
一本杉峠  920m
突先山  1,022m
天狗岳  1,024m
智者山  1,291m
七ツ峰  1,533m

だそうです。
みなさんが今いるところは標高何メートルですか?


水田からケケケケケッ・ケリッ

2011年06月06日 | 自然&生き物
藁科川・中流の大原にできた新しい道路を原付バイクで走っていると、田んぼの方から「ケケケケッ」と鋭く甲高い声が聞こえてきました。飛び立つ様子を見ていると、翼の先が黒く、根元が白いため、そのコントラストが目立ちます。

ケリです。

大型のチドリの仲間で、主に水田でみることができます。カエルや昆虫などの小動物を食べていて、ケリッ、ケリッと鋭い声で鳴くことから、この名前がついたとか。

草地や田んぼのあぜに巣を作って、カラスなどの他の鳥ばかりでなく、人や犬など巣に近づくものは、空から急降下して攻撃する、とても気の強い鳥なのです。

私が通過した時には2羽観察しました。付近を通る際は「ケケケケケっつ」の鳴き声にご注意を^_^;

釜石峠

2011年06月05日 | 歴史&文化
足久保でお茶の種を撒いた聖一国師さんが、生家の栃沢に帰りつくために越えて来たとされる釜石峠。それ以来幾多の人が往来したこの道はTeaLoadと名付けられ、現在でもハイキングコースとして整備されています。

藁科川上流・栃沢側の林道終点の手前、ハイキングコースの表示があるところに車をとめて、沢沿いの道を1時間ほどのぼりました。途中、ワサビ田の跡があったり、幾分道が悪くなっているところをロープづたいに歩きながら、次第に道は沢を離れて、尾根筋づたいに高度を上げていきます。最後は、人工林の中に2本の大きな杉が現れて、その間にちょこんと座ったお地蔵さま(大正元年作/如意輪観音像)が、優しい微笑をたたえ峠で迎えてくれました。

釜石峠、到着です。

今回は時間の都合で、突先山まではいけませんでしたが、今度はぜひ足を伸ばしてみたいです。

寄せては返す

2011年06月04日 | 日記
藁科図書館の郷土史のコーナーで、楢尾小学校100周年の記念冊子を手にしました。1974年に編集されたものでしたが、その楢尾小学校は今はありません。今から16年前の1995年に廃校になり、その後楢尾青少年の家として利用されていましたが、その青少年の家も今年度で休所になってしまいました。

記念冊子を発行した当時も、在校生が20名足らずの小さな学校となっていましたが、その記念冊子に掲載された原稿の1つ1つには、不便な山里ながら、地域の人々に支えられ、そして一緒になって教鞭に立たれた先生方のまっすぐ想いや地域の方の感想などが切々とつづられていて、どれも感謝と誇りに彩られていました。

その中の一節にこんな文章がありました。

「・・・その夜にお世話になった梅沢さんの八十二才の広吉さんがしみじみと語ってくれた言葉がどうしても忘れられない
『町へ向かって潮が引くように皆んな出てゆくが、やがてその潮が寄せ返すように、きっと人々は再度楢尾の山へ戻って来るだろう、しかしその日は何時のことか・・・・』と。」

私にもそれはいつのことか分からないのだけれど、寄せては返す波のように、きっとこの山里に人々は帰って来る。それは自然の摂理で、もしかするともうすぐそこまできているかもしれない・・・きっとくる。

広吉さんと一緒に岸辺に佇んでいるかのような気持ちになり、涙があふれ出てきました。

オタマ救出作戦

2011年06月03日 | 行事レポート
藁科川上流・大川地区にある静岡市立大川小学校のプールには、モリアオガエルが卵を産卵します。普通だったら、池にかかる木の枝のところにラグビーボールぐらいの大きさの泡でできた卵塊をうみつけるところですが、ここではプールサイドに産みつけられて、これまではプール開きを前にした水抜きと共に、オタマジャクシは排水溝に消える・・・という運命にありました。

そこで♪

昨年から、このプールのオタマジャクシを助け出し、ついでにどんな生き物が棲んでいるのか観察しようということで、「オタマ救出作戦」と題し、子どもたちに手伝ってもらっています。

今年は、その2年目でしたが、あいにく1日・2日と作戦が雨で中止になったため、本日3日、校外学習に出かけることになっていた子どもたちとは、日程の都合上一緒に活動することはできませんでしたが、地元の方の力を借りて、できる範囲で救出作戦を実施しました。

結果は、モリアオガエルのオタマジャクシの他に、アカハライモリ、アメンボ、マツモムシ、コマツモムシ、コミズムシ、ユスリカの仲間のあわせて7種類の生き物を捕まえました。けれども、昨年は捕獲されたネキトンボのヤゴは一匹も見つかりませんでした。

なぜでしょうか?

そこで「プールに関連することで大きく変わったことはないですか」と、これまでずっと管理を続けていらっしゃった学校の用務員さんにうかがってみました。すると、今年は例年にくらべて、圧倒的にプール底の砂や泥が少なかったとのお返事で、その原因は、校庭の芝生化によるものではないかと教えてもらいました。

なるほどっ!

もちろん理由は一つではないかもしれませんが、周囲の環境の変化が、プールの内部にも影響を与えているという視点を得ることができました。




カエルの歌が

2011年06月01日 | 自然&生き物
小さな池の上にかかる枝に、モリアオガエルの卵塊を見つけました。雨の日を喜ぶかのように周囲からは「ガ・ガ・ガッ」と盛んに本人の声も聞こえるのですが、どう探してもその姿を見つけることはできませんでした。夜は「グリリリリリ・・・」とシュレーゲルアオガエルの声や、川からは「キュルキュルキュルキュル・・・」とカジカガエルの鳴き声が、しっとりとした空気を伝わって聞こえてきます。