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初めて見た朝鮮日報の正論

2014-04-19 | 韓国

時々、朝鮮日報を読んで、ここに転載しているが、初めて見た朝鮮日報の正論。

【コラム】基本の大切さを悟らせてくれた惨事(記事入力 : 2014/04/18 11:06)

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/04/18/2014041801301.html

1993年10月に西海(黄海)フェリー号沈没事故が発生した直後、記者は1カ月ほど現地で取材を行った。全羅北道群山の公設運動場では、愛する家族の遺体を抱いて泣き叫ぶ遺族の姿を目にしたが、その様子がつい昨日のように思い起こされる。今回全羅北道珍島の沖合で発生した旅客船「セウォル号」沈没事故でも、これから同じような場面を再び見なければならないと思うと、今から心がつらくなってくる。

 西海フェリーの事故では、海軍の救助隊員らが犠牲者の遺体を全て回収した後に沈没したフェリーが引き上げられたが、その様子も今同じように思い出される。船はすでに老朽化していたためか、太い鉄の鎖に縛られて水面に姿を現したときにはもうくず鉄の塊にしか見えなかった。またこの船には船底に砂の入った袋が数多く積まれていたが、その理由は運航の際に船のバランスを取るためだったという。くず鉄となった船を前にそれを聞いたときは、ショックで言葉を失った。「韓国はこの程度のレベルなのか」と自分自身を責める気持ちにもなった。

 あれから21年の歳月が流れた。その間、韓国経済は飛躍的に成長し、経済規模は国内総生産(GDP)の数字で見ると3倍にも膨れ上がった。今回事故を起こしたセウォル号は全長146メートル、排水量6825トンの超大型客船で、大きさは西海フェリー(110トン)の60倍だ。この船を運航する会社が「韓国最大のクルーズ船」と自慢し積極的に宣伝したことからも分かるように、外観は確かに派手なものだった。このような船がくず鉄同然だった西海フェリーと同じような事故を起こし、300人近い犠牲者を出したのだ。

 さらにわれわれを驚かせたのは、事故後に船長や乗務員が取った行動だ。彼らは21年前の西海フェリーの船長とは比較にならないほど無責任な人間だった。彼らの行動は「韓国社会は本当に発展しているのか」という疑いの念を国民に抱かせた。西海フェリーの船長は事故後、しばらく行方が分からなかったため「逃走説」までささやかれたが、後に船体の中から遺体で発見された。最後まで乗客の救助に当たり、船と運命を共にしたのだ。これに対してセウォル号の船長は船長としての資質を問う以前に、人間性を疑わざるを得ないほど無責任だった。事故直後の判断ミスで大惨事を招いただけでなく、乗客よりも先に船から逃げ出し自らの職務を放棄した。事故が起こった際、生死が分かれる重要な時間帯でのリーダーの判断は全体の運命を左右するが、セウォル号の船長は無能なだけでなく道徳心もなかった。その結果は今われわれの誰もが目の当たりにしている通りだ。

 聖水大橋崩落事故、三豊百貨店崩壊事故など、韓国で開発が進んでいた時代に発生した数々の大惨事は、どれもずさんなハード面に起因するものだったが、海兵隊キャンプ事故(昨年7月)や慶州リゾート崩落事故(今年2月)など、ここ数年の間に発生した大型の事故は、どれもハード面での問題とは言い難く、そのハードを運用する担当者の能力や人間性など、ソフト面での問題が大きいと言わざるを得ないものばかりだ。10人もの大学生の命を奪った慶州リゾートの事故は、職員が屋根の雪下ろしを怠ったことが原因だった。今回のセウォル号沈没事故も、船長の船長としての能力の欠如、あるいは運航のルールを守らなかったことが原因で発生した可能性が高い。

 事故を予防するためのインフラの整備も重要だが、実際に問題が起こったときの対応は結局人間がやるしかない。そのため現場の人間は職業倫理と責任感を持ち、常にそれを高める努力に取り組まねばならない。これは何か高尚なことを言っているわけではない。要するに誰もが自らの仕事に忠実になればよいことだ。国民の誰もが基本を守らなければ「安全な大韓民国、国民の幸福の支え」という朴槿恵(パク・クンヘ)政権のスローガンは、言葉倒れの「空念仏」に終わるだろう

金洪秀(キム・ホンス)経済部次長

 対策本部は事故の深刻さについても判断を誤り、現場に投入する救助隊員の人数や装備にも問題が生じた。対策本部は救助が順調に進んでいると伝えられていた16日午前中に20人の潜水士を派遣したが、午後6時30分にはその数を178人に増員した。潜水に必要な機器を常備する海軍の救難艦「清海鎮」と「平沢」も事故発生直後には出動させず、これらは17日未明になってやっと現場に到着した。朴槿恵(パク・クンヘ)政権が「安全」を掲げて立ち上げた「対策本部」の担当者たちが、その言葉を自ら空虚なものにしているのだ。

 与野党の国会議員や6月に予定されている統一地方選挙の出馬予定者たちは、16日と17日に緊迫した状況の事故現場を相次いで視察したが、これについても「救助作業を妨害している」との非難が相次いでいる。行方不明者の家族たちは「捜索や救助作業の邪魔になる」として視察を控えるよう呼び掛けているが、それでも現場にやって来る国会議員らのために、海上警察や海軍の担当者は救助作業の状況について説明するため大忙しだという。政治家たちは行方不明になっている子どもたちの生命よりも、いかにして票を集めるかの方がもっと重要だと考えているようだ。

朝鮮日報日本語版

この、傍迷惑な行動を、韓国人の倫理の喪失の現象と考える。

全体を俯瞰してみることができないを語る行為である。


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