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中国経済、「暴風予告」米国が18年3大リスクに掲げた理由?

2018-01-16 18:00:30 | 日記
勝又壽良の経済時評

日々、内外のニュースに接していると、いろいろの感想や疑問が湧きます。それらについて、私なりの答えを探すべく、このブログを開きます。私は経済記者を30年、大学教授を16年勤めました。第一線記者と研究者の経験を生かし、内外の経済情報を立体的に分析します。


2018-01-07 05:00:00

中国経済、「暴風予告」米国が18年3大リスクに掲げた理由?

世界の最大リスクは中国問題

米国を抜くことは絶対にない


世に、「目明千人、盲千人」という言葉ある。世の中の道理が分かっている人がいる反面、道理が分からない人も同数いる、という喩えである。

中国経済について言えば、国際機関がこぞって信用リスクに警鐘を打っている。

それにも関わらず、経済成長率の高さに幻惑されて、「中国経済は底堅い」と見ている向きがいるのだ。


米中関係についても同様な現象が見られる。昨年11月の米トランプ大統領訪中の際、トランプ氏と習氏が親密な関係を見せたので、「米中蜜月」と見るジャーナリストもいる。例えば、次の記事がそれだ。

「トランプ大統領は歴訪中にこの問題(注:インド・太平洋戦略)には積極的に言及しなかった。

それよりも貿易不均衡の解消、米国製品の売り込みに熱心だった。

2500億ドル以上の調達契約を結んだ中国では中国政府が嫌がる話は一言もしなかった。

(中略)中国メディアはトランプ大統領を『セールスマン』と皮肉った。

ワシントン・ポストはトランプ訪中を『台頭する中国のために天が与えた贈り物だ』と総括した」

(『朝鮮日報』12月31日付)コラム「トランプ政権下で強まる中国の対韓圧力」筆者は、同紙の崔有植(チェ・ユシク)国際部長)

この記事は、極めて皮相的な内容だ。

米国は、中国の対応を見るための「演技」をしていたことは、『ウォール・ストリート・ジャーナル』が、手の内を詳細に報じている。

私のブログでも取り上げた。中国が、米国から「通商法301条」によって、その不正商慣行を暴かれる「被告席」に立たされようとしている。こういう底流の動きをキャッチできなければ、報道に価値がないのだ。

米国は、中国に対して極めて醒めた目で見ていることを知るべきだろう。

昨年10月の19回党大会で、習氏が2050年までに経済力と軍事力の両面において、中国が米国に対抗可能という大演説をした。

これが、痛く米国を刺激したのだ。「ここまでつけあがってきた中国を突き放す」という強い決意をしている現実を認識すべきだろう。

先の『朝鮮日報』国際部長は、米中がさや当てしている現実を詳細に把握すべきだ。


FRB(米連邦準備制度理事会)は、16年の政策金利引き上げの際、中国経済への影響を考慮して利上げを見送ったことがある。

この時点では、中国があからさまに米国へ対抗意識を持っているとの認識がなかったのだろう。

あえて、「中国を救う」という経済覇権国としての度量を見せたのだ。今後も、そういう計らいがあるかと言えば、否定的に見ざるを得ない。

「中国叩き」の一環として、米国だけの立場から金融政策を遂行するであろう。

1980年代後半から1990年代前半にかけて、米国が「ジャパン・バッシング」(日本叩き)で日本経済を追い込んでいった、あの手荒い米国の手法を思い起こすべきだ。
世界最大リスクは中国問題

『ウォール・ストリート・ジャーナル』(12月22日付)は、「投資家が知るべき2018年3つのリスク」の一つとして中国問題を挙げた。


この記事では、米国投資家のリスクとして

①米国の金融引締め、

②中国、

③株と債券の3つを上げている。これを見れば分かる通り、①と③は、純粋な米国の金融動向である。

そこへ中国問題が顔を出しているのだ。しかも、2番目にランクされている事実を楽観してはなるまい。ここでは、中国問題だけを取り上げる。


(1)「世界の株式相場が10%超下落したのは、直近では15年の夏と16年の初めだ。いずれも中国に対する懸念が引き金になった。

危険は相変わらずであるにもかかわらず、市場は懸念しなくなった。

このリスクは何年にもわたって議論されている。中国はあまりに多くの債務を抱え、存続できないプロジェクトの資金に充てている。

同国が取り得る対策として、人民元の切り下げ(15年には世界同時株安を引き起こした)、不良債権の再構築、債務増加を上回るペースでの経済拡大に向けた成長モデルの変更がある。

最初の2つには痛みが伴う上、成長モデル変更については、他の急成長国が試みた際にはリセッションを招くのが典型的なパターンだった」


中国経済は、抱えきれないほどの問題に直面している。

不思議なことに、専制国家の中国では、政府が上手く経済的難題を処理してくれるのでないか。

そういう、非現実的な期待を寄せている人々が多い。

かつて、中国を礼賛した社会主義経済学者も、一様に同様の主張をしていたが、もはやこうした「勇気ある主張」を聞くこともなくなった。

事態は、それだけ深刻なのだ。


中国が今後、取り得る対策は3つあると指摘する。

1,人民元の切り下げ。

2,不良債権の再構築。

3,債務増加を上回るペースでの経済拡大に向けた成長モデルの変更。


1と2は、実行すれば痛みを覚悟することだ。人民元切り下げは、大量の外貨流出を招くので外貨準備高3兆ドル台維持は不可能である。

不良債権の再構築では、デレバレッジ(債務削減)の促進である。

企業の資金繰りが逼迫化し市場金利の上昇を招くので、新規投資は見送られる。経済成長のエンジンが止まりかねず、GDPを著しく押し下げる。


3は、経済成長モデルの変更(投資主導から消費主導への切り替え)であるからリセッションを伴う。GDPに占める投資比率の引き下げは、一時的にGDPを急速に落ち込ませる。

消費がそれをカバーできないからだ。これまでの無軌道経済運営のツケが100%襲ってくるのだ。


要するに、1,2,3いずれの対策を取っても無傷ではあり得ない。

この認識について、これまで誰も真面目に考えていないことが最大の問題であろう。

民主主義国であろうと、専制主義国であろうと、過剰債務を積み上げた投資主導経済は、手術台での痛みに耐えなければ、経済が正常化しないのだ。


習氏は、その手術台での痛みを一日延ばしにしで逃げ回っている。一方では、世界覇権に挑戦するなどと「大言壮語」だけは勇ましいのだ。


(2)「習氏の思想は、成長のペースではなく質を重視することだ。それは完全に理にかなっている。

遅くても持続可能な成長は、債務主導の好景気とその後の破裂よりいい。

ただ古い産業をつぶすことなく経済を切り替えるのは難しい。

それは彼らの債務に対処し、その労働者に新たな仕事をあてがうことを意味する。

さらに悪いことに、資金供給の伸びが経済に及ぼす影響は遅れて表れるため、今年の拡大鈍化の影響は18年になってから感じられるかもしれない」


17年のマネーサプライ(M2)は、当初予想の約12%を大幅に下回って10%を割り込むのは確実である。16年が13%であった。

このM2の縮小は、当局の意図的な引締めでなく信用崩壊という現象だ。金融機関が、信用不安の相手へ貸し渋っているのが理由である。

回収不安のある企業に融資するはずがない。中国の末端では、信用不安が広く起こっていることに目を瞑ってはならない。


フリードマンの新貨幣数量説では、M2の変動がタイムラグ(時間の遅れ)をおいて実体経済に影響する。

かつての日本でも、随分と経済論争の的になった。

中国では、M2の減少が1年以上のタイムラグを伴ってGDPに現れるであろう。

中国での新規貸出しの過半は、ずっと住宅ローンである。企業貸出しは極端に減っているのだ。

不動産開発が下火になれば、中国経済を支える主要産業は消える運命である。

こうした状態では、古い産業(重厚長大)は消えていくが、新産業は生まれるはずがない。

中国では、スマホを使った新ビジネスが登場している。

決済やシェア・ビジネスが花盛りだ。P2Pという銀行を介さない資金貸借まで登場している。

だが、シェア・ビジネスの自転車業は乱立しており、証拠金を返済できないで倒産するケースが頻発。

P2Pも資金返済ができずに当局の規制対象となった。


中国の新ビジネスとは、こういう手軽なものばかりである。本当のサービス業は、高度に発展した製造業の中から生まれるのが普通である。

だが、中国製造業は外資によって完全に支配されている。

自前での高度サービス業は生まれにくい状況だ。中国では、北京大や精華大というブランド大学の卒業生が就職難である。

日本へ帰化した人から、「私の友人は仕事がなくて、日本で就職したがっている」と苦衷のほどを話してくれたほどである。


(3)「中国の投資家は、習氏が貯蓄中心の経済から消費経済への移行を成功させることに大きな賭けをしてきた。

15年の時点では、投資家は中国共産党の独裁体制が経済を支配しているため失敗はあり得ないと信じていた。

そのため小幅な(人民元)切り下げが市場に大きな影響を与えた。現在は信頼感が減退している。

バンクオブアメリカ・メリルリンチ(BAML)の投資信託マネジャー調査では、18年最大の投資リスクは中国の債務危機だとの回答が14%に上った。

投資家は、共産党の官僚組織が消費に基づく資本家へのリターンをもたらすとの考えを変えていない。その信仰ぶりは感動ものだ」


中国共産党は、しきりと中国経済が消費主導になったと喧伝している。だが、対GDP比の個人消費は39%(2016年)である。

共産党は、政府消費を含めて50%を上回ったと言っているが誇大宣伝である。


バンクオブアメリカ・メリルリンチの調査において、18年最大の投資リスクは中国の債務危機とする回答が14%に上った。

「君子危うきに近寄らず」だ。中国経済が魔法の杖を持っていたとしても、もはや全てを使い果たした状況に追い込まれている。

習氏が、奥の手を持っているはずがない。


米国を抜くことは絶対にない

私は、中国経済の衰退を一貫して指摘している。いささかの変化もないどころか一層、確信を深めている。

習氏は、「2050年に中国の覇権確立」と得意げに発言している。

だが、自前の技術を持たず、先進国から窃取している中国が、製造業の最先端に立てると信じていることを不思議に思う。

もう一つ、決定的な弱点は、人口動態統計から見て、中国の世界覇権はあり得ないどころか、「中国沈没」が確実であることだ。


人口動態と言えば、生産年齢人口比率がその代表的な指標である。

総人口に占める生産年齢人口(15~64歳)の比率だ。中国は健康寿命が短く65歳まで働けず、最大限60歳定年制である。

平均値では55歳定年だ。

中国の人口総数は世界一だが、その中身は空洞だらけである。「レンコン」状態なのだ。

日本は「竹」のように節はあってもスーと伸びている。

日中の生産年齢人口は、「レンコン」と「竹」に喩えられるだろう。

日本では、65歳定年でも、まだまだ元気に働けるのだ。

労働力人口(働く意志と能力のある人)は、2025年まで増え続けるという予測まで出てきた。

日中ではこれだけの差がある。



中国は、空洞だらけの生産年齢人口である。

その穴だらけの生産年齢人口比率は、国連推計によると2010年を100として、2050年に80にまで低下(20%減少)する。

実態は、もっと厳しい減少率のはずだ。一方の米国は2050年に113へ上昇(13%増加)となる。

こういう鋏状の真逆の関係を確認すると、中国が2050年に米国経済を抜くという話はおとぎ話である。


中国は6.5%成長を、米国は2.5%成長を継続する。

この仮定に立てば、2029年に中国は米国を抜く計算になる。

だが、日本経済研究センターの推計によれば、中国は2030年にかけて2.8%成長へ減速する。

この時点で、米中の経済成長率は横並びになるだろう。

これでは、習氏による「2050年世界覇権説」はうたかたのごとく消え去るのだ。根拠のない法螺話もほどほどにすべきだろう。




(2018年1月7日)

【「慰安婦」謝罪碑書き換え】奥茂治被告が控訴「大半が通訳されず重大な欠落」出国禁止は長期化へ

2018-01-16 17:42:49 | 日記

【「慰安婦」謝罪碑書き換え】

奥茂治被告が控訴「大半が通訳されず重大な欠落」出国禁止は長期化へ

2018.1.16 16:51更新

産経



 【ソウル=桜井紀雄】朝鮮半島で女性を強制連行したと偽証した故吉田清治氏が韓国に建てた謝罪碑を無断で書き換えたとして、公用物損傷罪などに問われた元自衛官、奥茂治被告(69)は16日、懲役6月、執行猶予2年の有罪とした大田(テジョン)地裁天安(チョナン)支部の判決を不服として控訴した。

 昨年12月に即日結審した公判では、検察や弁護人と裁判官のやり取りの大半に加え、論告求刑や最終弁論も通訳されなかった。奥被告は「罪状を判断するのに重大な欠落がある」と主張している。

 奥被告の出国禁止措置は、昨年6月に韓国警察の出頭要請に応じて入国してから200日間を超えているが、控訴を受け、さらに長期化する可能性がある。

 判決は、韓国中部、天安市の国立墓地が管理・使用する物件を損傷したとの判断を示したが、奥被告は「どのような過程で公用物となったのか、立証が不十分だ」と主張。検察は求刑で「被告は慰安婦問題を歪曲(わいきょく)しようとした」と述べたが、奥被告は「歪曲する意思は全くなく、(書き換えは)公的施設が嘘の碑文を使い続け、国際的に韓国の信用が低下するのを防ぐ行為だ」とも反論している。
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「慰安婦問題」解消は、「女性活躍先進国」への道から

2018-01-16 17:34:26 | 日記
大西宏

2018年01月14日 14:21

「慰安婦問題」解消は、「女性活躍先進国」への道から

慰安婦問題になると熱病に取り憑かれたように冷静さを失い、国民が流されてしまうのが韓国です。

朝日新聞による捏造記事が火元だったことが発覚してからは、さすがに日本国内では、慰安婦問題を政治利用しようという動きは見られなくなったものの、韓国、また海外での韓国社会が執拗に政治問題化させてきたことを見ると、歴史の捏造が暴走する怖さを感じます。

そして世界中に「慰安婦像」が拡散し、その間違った歴史認識が浸透することは国益に反します。

その慰安婦問題で国内の支持を広げたい文在寅政権が、慰安婦問題の日韓合意をめぐる「新方針」を打ち出し、日本国内を戸惑わせています。

しかし、この「新方針」にはいくつもの布石があったように思えます。注目したいのは、昨年の年初に、ソウル東部地裁が、朴裕河世宗大教授の著書『帝国の慰安婦』が元慰安婦への名誉毀損について無罪の判決がでました。

韓国もやっと慰安婦の偶像化から抜け出し、冷静な歴史の検証の道がひらけたと思っていたところ、文在寅政権になったとたんに逆転の有罪判決がでたのです。出版差し押さえになったことは、いかに煽られた国民感情によって、また文在寅政権へ忖度して韓国の司法が動くかを見せつけたのです。

『帝国の慰安婦』は、丁寧なヒアリングに基づいており、日本と韓国で歪んだ認識で引き裂かれた慰安婦問題の本質がなにであったかを明らかにしようとした意義のある一冊だと思います。

すくなくとも挺身隊と慰安婦の混同があり、慰安婦は「少女」ではなかったことを主張しています。どちらかというと政治色のあまりない著書ですが、それすら葬りさろうとする異常さが韓国にいれば、わからないのでしよう。

書評 帝国の慰安婦 朴裕河著 朝日新聞出版 「少女像」は慰安婦の実像ではない | 三浦小太郎BLOG

政治的な思惑で歴史を修正しようという試みは長期的に考えれば決していい結果を生みません。

この「慰安婦問題」を生み出したのは朝日新聞ですが、一部の歴史修正主義「保守」の慰安婦の存在を完全否定してきたことがさらに火に油を注ぐことにつながってきたのでしょう。

そして慰安婦問題の日韓合意をめぐる「新方針」です。再交渉は求めないとはしつつも、相変わらず、日韓合意では真の解決にならず、再び日本の自主的な謝罪を求める態度を示しています。日本だけが特殊な国家だという印象操作を続けたいのでしょう。

しかし、韓国が熱病に浮かれているとしても、日韓関係は、政治だけがすべてではなく、まして慰安婦問題がすべてではありません。問題は、「帝国の慰安婦」の朴教授がありえないとしている「慰安婦像」が偶像化され、世界に拡散されていく流れが止まらないことへの怖さです。

産経が産経らしい社説のなかで、韓国の信頼が揺らぐだけだとしていますが、あまりに脳天気なガラパゴス保守だという印象を受けます。


菅義偉官房長官が「1ミリたりとも動かさない」と再三、明言するように合意を見直す余地はない。合意は国際公約であり、破れば韓国の信頼は地に落ちる。

【主張】慰安婦問題で韓国の日韓合意「新方針」はあり得ない 日本に甘えるのはやめよ - 産経ニュース

もっと本気で国際世論が、「慰安婦像」で歪められないための方策を考えるのが政権の責任です。

しかし、今のように謝罪するか、抗議するかだけではとうてい日本の信頼を深めることにはなりません。国際世論ができてしまうと、それから抜け出すことがいかに難しいかは、捕鯨問題で日本は痛いほど経験してきたはずです。

世界に広がっている韓国人社会の影響力は過小評価すべきでなく、女性の人権問題とに紛れ込ませ、「少女像」をも、女性人権問題のアイコンにする動きになってきているという側面が気になります。

もしかして、韓国国内、あるいは韓国人のなかに朴裕河教授のように歴史を正視する流れを育てることはできないのだろうかと感じますが、外部に期待するよりは、日本が女性の人権問題に真剣に取り組んでいる国だという評価を得ることを日本は目指すべきではないかと感じます。

女性人権問題先進国のイメージが定着すれば、慰安婦問題で日本を女性の人権を踏みにじる「特殊な国」のレッテル貼りからも逃れることができるでしょうし、日本の社会がいい意味で成熟していくものと思います。

日本は女性の社会進出や女性の人権に関する民度では、後進国だというのが現実ですが。逆に言えばそれだけ伸びしろがあるということではないでしょうか。

「日韓関係に影を落とす 韓国司法」

2018-01-16 17:15:17 | 日記

「日韓関係に影を落とす 韓国司法」(キャッチ!ワールドアイ)

出石 直  解説委員

おととし12月のいわゆる慰安婦合意で改善に向かうと見られていた日韓関係。


しかしプサンの日本総領事館前に少女像が設置されたのをきっかけに再び関係は悪化、ソウルに駐在する長嶺大使の一時帰国が6週間を超える異例の展開となっています。

そんな日韓関係に少なからぬ影響を与えているのが韓国の裁判所です。この数年、慰安婦問題など歴史に絡んだ裁判で踏み込んだ判断を示し、日韓関係の行方を大きく左右する存在となっています。

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Q、きょうは韓国の司法について取り上げます。出石 直(いでいし・ただし)解説委員です。

韓国の裁判と言いますと、最近では対馬のお寺から盗まれた仏像を韓国のお寺に戻るようにという判決が言い渡されたのが記憶に新しいところですね。

A、対馬のお寺から盗まれ韓国でみつかって仏像について、韓国のお寺が「仏像はもともと自分達の寺にあったもので倭寇によって略奪されたものだ」と主張、韓国テジョンの地方裁判所は先月、韓国の寺への引き渡しを命じる判決を言い渡しました。

この裁判は日本と韓国の寺どうしの争いではなく、仏像の所有権を主張する韓国の寺が証拠品として押収している韓国の検察当局を相手取って起こした裁判ですが、検察側がすぐに控訴したため最終的な結論はまだ出ていません。

Q、とは言っても仏像は対馬のお寺から窃盗団によって盗み出されたものですよね。もともとどこにあったものかを調べるにせよ、まずは対馬の寺に戻してからというのが筋ではないでしょうか。

A、こうした文化財については、当事者どうし、あるいは両政府の間で話し合いをして、貸与したり返還したりするなど解決策をみつけていくのが本来です。

このケースは700年近く前の出来事ですし、仏像が倭寇に略奪されたことを証明する具体的な資料もありません。日本だけでなく韓国の法律家や文化財の専門家からも疑問の声が上がっています。

もうひとつ韓国での重要な裁判例をご紹介します。


慰安婦問題がこじれるきっかけになった重要な判決です。

元慰安婦らが韓国政府を相手に起こしていた裁判で、韓国の憲法裁判所は、2011年8月、「韓国政府が慰安婦問題などで日本政府と外交交渉を行わないのは憲法違反にあたる」という判断を示したのです。韓国の外交当局は裁判所の決定を受けて、日本側に協議の申し入れをせざるを得ませんでした。

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元慰安婦や支援団体からすれば、なかなか動こうとしない韓国政府の背中を押した画期的な判断と言えるかも知れませんが、すでに解決済みという立場の日本側からすれば、寝た子を起こしたしまったという見方もできると思います。

Q、この憲法裁判所の決定をきっかけに慰安婦問題をめぐる両国の対立が先鋭化してしまったわけですね。

A、憲法裁判所の決定の後、ソウルの日本大使館前には支援団体によって少女像が設置されました(2011年12月)。翌年8月に当時のイ・ミョンバク大統領が竹島に上陸したのも、日本との協議がなかなか進まなかったことが背景にあったと言われています。

もうひとつ日韓関係の大きな火種になっている韓国での判決をご紹介します。

第2次世界大戦中、朝鮮半島出身者が徴用されて日本国内の炭鉱や事業所などで労働に従事していた元徴用工やその遺族が、三菱重工業と新日本製鉄住金を相手取って損害賠償と未払い賃金の支払いを求めている裁判です。

同様の裁判は、韓国だけでなく日本でも起こされていましたが、原告側の請求はことごとく退けられていました。


ところが韓国の最高裁判所は2012年5月に、原告の請求を棄却した原判決を破棄し、高等裁判所に差し戻す決定を下したのです。

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Q、これまでの判断が覆ったのですね。

A、その通りです。これまでは韓国の裁判所も日本の裁判所も、1965年の日韓請求権協定で「完全かつ最終的に解決済み」という判断を示し、韓国政府も同様の立場でした。


ところが、韓国の最高裁判所は「日本の国家権力が関与した反人道的不法行為や植民地支配と直結した不法行為による損害賠償請求権は請求権協定に含まれていない」、つまり「解決済みではない」という新たな判断を示したのです。

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高等裁判所に差し戻された裁判は、現在、最高裁判所で審理されています。まだ判決は出ていませんが、原告の請求を認める判決が確定すれば、訴訟が殺到して日本企業は際限ない賠償責任を負わされることになりかねません。

日韓関係の基礎になっている請求権協定を根底から揺るがす事態になってしまいます。

Q、こうして見てきますと、韓国の裁判所の判断は、私達日本人から見ますと、ちょっと理解しがたいところもあるのですが、日本とは法体系とか運用面などで大きな違いがあるのでしょうか?

A、それほど大きな違いはありません。韓国の法制度の多くは日本の植民地時代に整備されたものです。構成、用語、解釈は9割方、共通していると言われています。

ただ、日本の司法が、政治的な判断を回避する傾向があるのに対して、韓国の司法は軍事政権や民主化運動を経験してきただけに“人権の砦”“最終解決者”としての意識が強いように思えます。

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先ほどご紹介した、盗難仏像の裁判や元徴用工の裁判もそうですが、行政に代わって司法が問題解決を図ろうという意思が強く伺えます。


また朱子学の影響が強い韓国では正邪の区別をはっきりとつけたがる傾向があり、国民の側も「正義の実現」や「白黒の決着」を司法に期待する意識が強いように思えます。

Q、これからも韓国の司法の判断が、日韓関係に様々な形で影響を及ぼすことがありうるのでしょうか。

A、韓国の司法は世論の影響を受けやすい、世論に迎合しやすい傾向があります。

特に歴史認識の問題のような世間の関心が高い事案では顕著です。

ただこれが行き過ぎると独善的な判断に陥る危険もはらんでいるように思います。

司法が、政治や世論に左右されて法律を軽んずるようなことがあってはなりません。

司法は独立していなければならないというのが民主国家の大原則です。

ただ逆に独立しているからこそ、韓国政府がコントロールできない、政治や外交ではどうしようもないことが起きてしまいかねない、そこがジレンマなのです。日韓関係がしっくりいっていな時だけに、韓国の司法の動きも気になるところです。

 


【ビジネス解読】韓国の負債「爆弾」炸裂が秒読み!? 中国との関係改善、経済回復というけれど…疑問視も

2018-01-16 17:02:08 | 日記


【ビジネス解読】韓国の負債「爆弾」炸裂が秒読み!? 中国との関係改善、経済回復というけれど…疑問視も

2018.1.6 07:00更新

産経

韓国銀行(中央銀行)が約6年5カ月ぶりの利上げに踏み切った。

輸出を牽引(けんいん)役にした景気回復に自信を深めているためだ。

ただ、利上げは韓国経済の「時限爆弾」とされる家計負債問題を炸裂(さくれつ)させるリスクをはらんでいる。(2017年12月19日の記事を再掲載しています)

 「輸出が好調な中、消費も緩やかに改善されており、堅実な成長傾向が続くと判断した」。

韓銀は11月30日の金融通貨委員会で、基準金利を0.25%引き上げて年1.50%にすることを決め、理由をこう説明した。

 利上げは2011年6月以来で、即日実施した。

基準金利は昨年6月に過去最低の1.25%に引き下げられた後、据え置きが続いていた。

 背景には、韓国経済の急回復がある。

今年7~9月期の実質国内総生産(GDP)速報値は前期比で1.4%増を記録。市場予想(0.6~0.8%増)を大きく上回った。

世界経済の回復にも支えられ、韓国企業が高シェアを誇る半導体メモリーなどの輸出が伸びたことが寄与した。

 米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備による中国の経済報復などで冷え込んでいた消費者心理指数も改善。

11月は6年11カ月ぶりの高水準となっている。韓国と中国は10月末、悪化した関係の改善で合意した。

 国際通貨基金(IMF)は韓国の今年の成長率見通しを3.2%に上方修正し、来年も3.0%と予想。

2.8~2.9%の潜在成長率を上回ることになり、韓銀の李柱烈(イ・ジュヨル)総裁が利上げの前提条件とした「著しい成長」に合致しているとみられている。

 聯合ニュースによると、韓国の政府高官は「韓銀の決定を尊重する」とし、「最近の景気回復などを総合的に考慮し(利上げを)決定したとみられる」と述べた。

 その上で「今回の利上げが景気回復に水を差す要因になったり、景気に大きな影響を与えたりはしないだろう」との認識を示した。

 ただ、韓国内では、利上げの副作用に対する懸念が強い。多額の借金を抱える家計に金利上昇の悪影響が直撃しかねないためだ。

 朝鮮日報など韓国メディアは国内の家計負債が雪だるま式に増えている現状を伝えている。

 今年7~9月期の1世帯当たり平均負債は7270万ウォン(約730万円)で昨年末から4.4%増えた。

平均負債が7000万ウォンを超えたのは初めて。家計の負債総額は1419兆1000億ウォンと、統計集計以降で過去最大規模に達したという。

低金利下で無理をしてでもマンションなどを購入しようと借金を膨らませる家計の増加が止まらない。

可処分所得に対する家計負債比率は13年の134%から昨年は153%に上昇。

所得の増加を上回るスピードで負債が膨張している。

 「低金利は家計向け貸し出しの増加に油を注ぐ役割をしてきた。しかし政府は家計負債がGDPの95%まで増える間、腕組みをしていた」

 中央日報はこう批判し、「朴槿恵(パク・クネ)政権が大きく緩和した貸し出し規制を強化するタイミングをまた逃した」ことをやり玉に挙げている。

 朝鮮日報によると、政策金利が0.25%上がり、銀行の貸出金利が同じ幅だけ上昇すれば、1世帯あたりの利息負担額は年間18万1750ウォン増え、全体では2兆3000億ウォン増加すると推計される。

 李総裁は追加利上げについて慎重に判断する姿勢を示しているが、韓国内では「利上げは1回にとどまらない」との見方も強い。

 所得の伸びが負債の増加に追いつかず元利の返済負担が増大すれば、消費や投資を落ち込ませて経済の足かせとなる恐れは大きい。

 「半導体・石油化学特需を除けば、韓国経済は依然として沈滞から抜け出していない。

家計の実質所得は2年連続で減少し、生産・消費・投資指標も良くない」

 中央日報は韓国経済の回復自体もこう疑問視している。

同紙によると、韓国内では、3カ所以上の金融機関から融資を受けている低信用・低所得債務者は390万人にも上っている。

今後、債務の不履行が続出すれば、金融システム不安につながる懸念も否定できない。

 韓国銀行が金融市場の専門家68人を対象に実施したアンケートでも、回答者の35%が家計負債を韓国経済の最大のリスクに挙げた。

IMFも「家計負債が韓国の金融リスク要因」と問題視している。

 果たして、韓国の家計負債「爆弾」の秒針は回り続けるのか。韓銀の利上げ判断の適否が問われることになるのは間違いない。

(経済本部 本田誠)