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日本、韓国候補を警戒 WTO事務局長選 「関係悪化影響せぬ」と言うけれど…

2020-07-11 13:13:44 | 日記
日本、韓国候補を警戒 WTO事務局長選 「関係悪化影響せぬ」と言うけれど…
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毎日新聞2020年7月9日 18時53分(最終更新 7月9日 21時26分)

日本政府は、世界貿易機関(WTO)の次期事務局長選に自前の候補を擁立しなかった。欧州勢と連携して国際的知名度が高いナイジェリアの候補を推す案が有力だ。

半導体材料などの輸出管理を巡って対立する韓国の候補を支持することには抵抗感が強い。「選出プロセスにしっかり関与する」(梶山弘志経済産業相)方針だ。



ナイジェリア候補推薦有力

 「世界銀行で25年も勤務し、GAVIアライアンス(ワクチンと予防接種のための世界同盟)理事長で自国の財務相・外相経験者。

高い国際的知名度と大国と対等に渡り合える重みを持つ」。ナイジェリアのヌゴジ・オコンジョイウェアラ氏に対する日本外務省幹部の評価は極めて高い。

 同氏の日本国内での知名度は必ずしも高くないが、独仏の欧州勢などと足並みをそろえれば、アフリカ出身かつ女性初の事務局長に向けて本命になり得ると見ている。

 対照的に、同じ女性候補である韓国の産業通商資源省の兪明希(ユミョンヒ)・通商交渉本部長に対しては冷淡さが際立つ。

日本政府内には、喫緊の課題であるWTO改革について、韓国が日本や欧米ほど関与してこなかった点や兪氏の国際的知名度の低さなどを挙げて、「日本の報道は兪氏を大きく扱いすぎている」(外務省関係者)との不満の声もある。

 韓国は6月、日本の半導体材料などの対韓輸出管理の厳格化を不当としてWTOへの提訴手続きを始めたため、元徴用工問題と合わせて日韓関係が急速に悪化している。

日本は表向き、「日韓間の懸案は事務局長選に影響しない。あくまで候補者の人物本位で選ぶ」(外務省関係者)と説明するが、韓国の影響力拡大に警戒感を強める。

 しかし、日本は今回、自前候補の擁立を早々に断念した。事務局長の条件として、主要閣僚経験者で英語が堪能なことや、貿易などの分野での国際的知名度の高さが必要とされるが、適任者が見つからなかった。

 日本は昨年6月に大阪市で開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議で電子商取引の国際ルール新設を打ち出すなど、WTO改革を進めているという自負があるだけに、政府関係者は「泡沫(ほうまつ)候補を出すわけにはいかなかった」と話す。

 一方、WTOで今月6、8両日に開かれた定例の日本の貿易政策を審査する会合では、日韓両国が半導体材料の輸出管理を巡り応酬する場面があった。

韓国側が「日本は解決の意思を示さなかった。日本の主張はすべて無効になると信じる」などと批判し、日本は「安全保障上問題がない輸出には許可を出し、サプライチェーン(供給網)にも大きな影響はない」などと反論。両国のWTOでの対立はむしろ激化している。

【田所柳子】

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